ニュース

ANA、2019年5月24日のエアバス A380就航に合わせたホノルル線新サービスを発表。ハワイらしい限定サービス多数

2018年11月27日 発表

ANAがエアバス A380型機就航に合わせて刷新するハワイ線新サービス「ANA HAWAii」の記者発表会を実施した

 ANA(全日本空輸)は11月27日、エアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」の就航計画や、就航に合わせて刷新するハワイ線の新サービス「ANA HAWAii」を紹介する記者発表会を実施した。発表会には同日午後より放映されるテレビCMに出演する女優の綾瀬はるかさんもゲストとして招かれた。

 2019年春の導入を予定しているANAのエアバス A380型機については、3機すべてを特別塗装機の「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」として運航することや、機内のシート仕様、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に自社ラウンジを新設することなど、少しずつ情報が明らかになってきていた。

 11月27日には、就航日を2019年5月24日として、当初は火・金・日曜の週3便として運航することや、2機目の就航によって2019年7月1日から週10便に拡大することを発表(関連記事「ANAのエアバス A380は2019年5月24日就航。成田~ホノルル線で週3便から。座席は2019年1月発売予定」)。

 併せて、発表会では全クラスのシートモックアップを展示したほか、機内食やアメニティキットをはじめとする機内サービスなどを公開した。

全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏が、2019年5月24日の就航を発表

シートや機内食などクラス別の機内サービス

 ANAのエアバス A380型機については、すでに明らかになっているとおり、ANAのハワイ路線で初めてファーストクラスを設定。8席のファーストクラスのほか、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミー73席を2階(アッパーデッキ)に、エコノミークラス383席を1階(メインデッキ)に配置する(関連記事「ANA、エアバス A380型機にベッドのように使えるカウチシート『ANA COUCHii』やファーストクラス導入」)。

 ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に新設するラウンジを利用できる、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミーの搭乗客は、ラウンジ直結のPBB(旅客搭乗橋)を使って、2階席へ直接アクセスできるようになることも発表されているとおりだ(関連記事「ANA、エアバス A380型機就航に合わせハワイ・ホノルル空港に自社ラウンジ開設。広さは『他社の倍』」)。

ANAのエアバス A380型機のシートマップ

 以下、クラス別にシートや機内サービスを紹介していくが、エアバス A380型機が就航する2019年5月24日以降については、シートなど飛行機に依存するサービスを除く、機内食やアメニティキットは同機による運航に関わらず同じものを提供するという。

ファーストクラス

 ファーストクラスのシートは、日本の航空会社として初めてドア付きの個室型のシートを採用したことが特徴で、スライド式のドアが備わっている。AC電源のほか、USB電源は2ポートを装備。個人用モニターは32インチ。

 テーブルも大型で前後にスライドが可能。壁の内側には鏡も備えている。

 寝具は東京西川独自の加工を施し、加工前より保温力を約2℃向上させたという羽毛を使用したコンフォーター(掛け布団)と、高い吸放湿性を持つシーツマット。枕はハンガリー産のホワイトダックダウンを使用したもの。テネリータ製のブランケットやオーガニックコットン100%のリラックスウェアも利用できる。

 アメニティキットは、英グローブトロッターのポーチを航空会社として世界で初めて提供。クラシックなスーツケース風のデザインで、就航時は日本発便でアイボリー、ホノルル発便でネイビーを提供。3~4か月ごとに新しい色のポーチを提供する。

 アメニティキットの中身は、「ザ・ギンザ エッセンスエンパワリング セット」として、「クリーミークレンジングフォーム(洗顔料)5g」「エッセンスエンパワリング・デー(日中用美容液)5mL」「エッセンスエンパワリング(夜用美容液)5mL」のほか、歯ブラシセット、アイマスク、イヤープラグとなる。

 機内食は、ホノルル発便において、ハワイ・オアフ島のコオリナ地区にあるフォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツ(Four Seasons Resort Oahu at Ko Olina)内にあるイタリアンレストラン「Noe」とのコラボレーションメニューを用意。南イタリアとオアフの食文化を融合したANAオリジナルメニューを提供する。

ファーストクラスシート
ドアを閉めることで個室のように利用できる
個人用モニターは32インチ
通常時の座席
ヘッドレスト。両脇に読書灯を備える
フルフラット化した状態
東京西川のコンフォーターなどファーストクラスの寝具
シートや読書灯などのコントロールパネルと、機内エンタテイメントのコントローラなど
シートのリクライニングは寝ている状態でも使いやすいよう、前後に動かすことで座席姿勢を変えられるコントローラを脇に備えている
大型のテーブルは個人用モニターの下に収納されているが、着座姿勢のときでも使いやすい位置までスライドできる
AC電源とUSB電源
座席内側に鏡を備える
脇に豊富な収納スペース
英グローブトロッターのポーチを航空会社として世界で初めて提供するアメニティキット
就航時は日本発便でアイボリー、ホノルル発便でネイビーを提供。3~4か月ごとに入れ替え、ほかの色も提供していく方針
「ザ・ギンザ エッセンスエンパワリング セット」の、「クリーミークレンジングフォーム(洗顔料)5g」「エッセンスエンパワリング・デー(日中用美容液)5mL」「エッセンスエンパワリング(夜用美容液)5mL」
ホノルル発便で提供する洋食メニュー。フォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツ(Four Seasons Resort Oahu at Ko Olina)内にあるイタリアンレストラン「Noe」とのコラボレーションメニュー

ビジネスクラス

 ビジネスクラスは全席通路ダイレクトアクセスとなる1-2-1の配列で、スタッガードタイプながら2人連れや家族連れで一緒に過ごせるよう一部の席ではペアシートとして利用できるものにした。中央2席が並んでいる席では、電動のディバイダーによってプライベート感を保つこともできる。

 広いサイドテーブルに加えて収納タイプのテーブルを装備。個人用モニターは18インチ。電源はサイドテーブル脇にAC電源と2ポートのUSB電源を備えている。

 寝具は丸八プロダクトの羽毛を使用したコンフォーターを採用。枕は羽毛とウレタンの二層構造でふわふわもっちりを両立した今までにない感触になっているという。このほか、ベッドパッドやリラックスウェアも利用できる。

 アメニティキットは、米西海岸のセレクトショップ「Fred Segal(フレッドシーガル)」とコラボレーションした、ANAのホノルル線限定デザインのポーチを採用。中身は「FLYING HONU」のエコバッグと、歯ブラシセット、アイマスク、イヤープラグ。

 エコバッグは、透湿・防水性能、耐久性能を持つデュポンタイベックという高密度ポリエチレン不織布を用いたもので、ビーチやプールでの利用にも便利なアイテムとなっている。なお、エコバッグは後述のプレミアムエコノミーでも同素材のものを提供しているが、クラス別にデザインが異なっている。

 機内食はハワイアンメニューを洋食として提供する(和食も選択可能)。

ビジネスクラスシート。ホノルル線では、家族連れや2人連れの利用者向けに、スタッガード配列の一部を見直した並びの席を設ける
丸八プロダクトのコンフォーターなどを採用
テーブルはスライドして出てくる機構。サイドテーブルも大きめ
サイドテーブル脇にあるシートコントローラ
サイドテーブルの上部にUSB電源やAC電源、マガジンラックなどを備える
2人掛けの席の間には電動で開閉するディバイダーを備える
CAの声がけが不要なときに「Do Not Disturb」サインを点灯させられる
アメニティキットには、米西海岸のセレクトショップ「Fred Segal(フレッドシーガル)」とのコラボポーチを使用
ハワイアンテイストを取り入れた洋食メニュー

プレミアムエコノミー

 プレミアムエコノミーは2-3-2の配列で、38インチのシートピッチに、レッグレストとフットレストを備えるゆとりのあるシート。ヘッドレストは同社が「6-way」と表現するもので、上下3段階、左右の折り曲げに加え、首の根元に当たる部分を起こせる機構を取り入れている。

 電源はカクテルテーブルの下部に、USBポートとAC電源が一体化したユニットを備える。個人用モニターは15.6インチ。テーブルは90度回転することができ、テーブルを出した状態でも出入りしやすくしている。

 先述のとおり、アメニティキットとして、デュポンタイベックの「FLYING HONU」エコバッグを提供。ビジネスクラスとは異なるデザインとなる。

 ANAでは、プレミアムエコノミーにはエコノミークラスと同じ機内食を提供しているが、ホノルル線のみ異なる“ワンランク上”のメニューとし、和食、洋食をラインアップする。陶器製の食器に盛り付けており、ビジネスクラスと同じピエール・エルメ・パリのスイーツなども提供。

プレミアムエコノミーのシート
脇にリクライニングとレッグレストのロック解除ボタン
カクテルテーブルの下にAC電源とUSB電源を装備
ヘッドレストは「6-way」と呼ばれる新タイプで、中央下部の根元を起こせる新しい機構を備える
15.6インチのシートモニター
ペットボトルホルダーやフットレストも備えている
耐水性、耐久性に優れるデュポンタイベック素材を使用した「FLYING HONU」エコバッグ。ビジネスクラスとプレミアムエコノミーで異なるデザインを提供する
ホノルル線限定でプレミアムエコノミー専用メニューを提供。エコノミークラスより“ワンランク上”のメニューを、陶器の食器を用いて提供する

エコノミークラスとカウチシート「ANA COUCHii」

 エコノミークラスは機内を明るく演出する2色のファブリック素材を用いたシートを使用。ヘッドレストはプレミアムエコノミー同様に「6-way」タイプとなるほか、フットレストも装備する。

 個人用モニターは13.3インチ(最前列は11.6インチ)。モックアックでは搭載されていなかったが、個人用モニター下にコントローラを備える。

 各座席にAC電源とUSBポートを装備。通常席はAC電源が前方席の足下、USB電源が個人用モニターの中央下部に設けられるが、最前列についてはプレミアムエコノミーで使っているものと同じUSBポートとAC電源が一体化したユニットを足下に装備することになる。

 既報のとおり、後方60席分は国内航空会社初のカウチシート「ANA COUCHii」となり、レッグレストを上げることで3席または4席をベッドのようにして使うことができる。よりベッドらしく利用できるよう、専用の寝具も提供する。

 機内食はオールデイカジュアルダイニング「bills」とのコラボレーションメニューを日本発便で提供。機内食トレイに置かれたミニカードを、ワイキキにある「bills Waikiki」に持っていくと、ウェルカムドリンク1杯をサービスする。

エコノミークラスのシート(3席タイプ)
ヘッドレストはプレミアムエコノミーと同様の機構
最前列シート
個人用モニターは13.3インチ(最前列は11.6インチ)。実際にはモニター下部にUSB電源を備えるほか、黒く覆われている部分にコントローラを備える
背面の下方部。フットレストのほか、AC電源を1席につき1個ずつ備える
通常席では前方にAC電源を備える
最前列席は未実装だったが、USBとAC電源を一体化したユニットを搭載することになるという
シートテーブル
カウチシート「ANA COUCHii」
機内食は「bills」のコラボメニューを日本発便で提供。トレイに置かれたミニカードをワイキキのbills店舗へ持っていくとウェルカムドリンクのサービスを受けられる

クラス共通の機内サービス

 ホノルル線限定で、CA(客室乗務員)がサービス時に着用するエプロンや、ドリンクを提供する紙コップを特別デザインに変更。

 日本発/ホノルル発の両便においては、FLYING HONUのANAブルーをイメージしたスペシャルドリンク「ブルーハワイカクテル」を用意する。クラスに関わらず提供する。

 FLYING HONUでは、クラスごとにバーカウンターを備えており、自由にドリンクやスナックなどを手に取れるようにする。

CAがサービス時に着用する特別デザインのエプロン(画像提供:ANA)
紙コップも特別デザイン(画像提供:ANA)
FLYING HONUのANAブルーをイメージした「ブルーハワイカクテル」(画像提供:ANA)

 特別機内食のベビーミールやチャイルドミールを注文した人には、柄の先にANAの飛行機が乗った「エジソンママ」のANAオリジナルフォーク&スプーンをプレゼント。また、子供連れには「ANAオリジナルデザインエコバッグ」や、FLYING HONUデザインの「ひこうきふうせん」を提供する。

 FLYING HONUの機内では、新しい3Dマップ「ANA Flight Path 3D」を用意。モニター上の地図を自由に動かし、さまざまな視点で見ることが可能。観光情報なども提供するほか、順次コンテンツを拡充するとしている。

 このほか、FLYING HONUの就航を記念し、2019年5月から関連グッズを機内免税品販売する。国際線全路線で「AIRBUS A380 FLYING HONUモデル(1/500スケールイメージ)」を販売するほか、FLYING HONUで運航のホノルル線限定で「HONUぬいぐるみ(ラニ)」を販売。価格は前者が4500円、後者が3000円を予定している。

ベビーミールやチャイルドミールを注文した人に「エジソンママ」のANAオリジナルフォーク&スプーンをプレゼントするほか、子供連れには「ANAオリジナルデザインエコバッグ」や、FLYING HONUデザインの「ひこうきふうせん」を提供する
機内免税品としてFLYING HONUグッズを販売
FLYING HONU機内で見られる新しい3Dマップ「ANA Flight Path 3D」(画像提供:ANA)

ANAマイレージクラブ会員向けサービスや、ANAセールスのハワイツアー

ANAマイレージクラブでもホノルル線で新しいサービスを開始

 520席を備えるエアバス A380型機の就航により、マイルによる特典航空券で提供する座席数を拡大。プレミアムエコノミーも特典航空券の対象となるほか、2019年12月1日搭乗分からは特典航空券利用時に、座席を必要としない幼児(2歳未満)運賃の航空券をマイル(同伴する大人の特典航空券に必要なマイル数の10%)で支払うことができるようになる。

 ホノルルでは、2019年4月20日からワイキキのTギャラリアとアラモアナセンターを片道約12分で結ぶEV(電気)バス「ANAエクスプレスバス」の運行を開始。15分間隔で運行し、ANA便を利用してハワイを訪れたANAマイレージクラブ会員は無料で乗車できる。

 また、現在ANAセールス主催のハワイツアー参加者のみが利用できるワイキキ・ショッピングプラザ内にあるラウンジ施設「マハロラウンジ」も、2019年春からマイルで入室できるようになり、手荷物の一時預かりや傘のレンタル、ソフトドリンクの提供、ラウンジ内無料Wi-Fiなどのサービスを利用できる。なお、マハロラウンジは2019年春に面積を拡張してリニューアルオープンする予定となっている。

 このほか、「VELTRA」と連携したオプショナルツアーやレストラン、離島チャーターフライトなどをマイルで予約・決済できるようになる。

ANA便を利用したANAマイレージクラブ会員が無料利用できる、ワイキキのTギャラリアとアラモアナセンターを片道約12分で結ぶEV(電気)バス「ANAエクスプレスバス」(画像提供:ANA)
ANAセールスのツアー参加者のみが利用できた「マハロラウンジ」は面積を拡張してリニューアル。マイルで利用することもできるようになる(画像提供:ANA)
ANAマイレージクラブのサービスではないが、発表会ではシェアサイクル「biki」への協賛についても触れられ、自転車を利用したハワイ滞在の過ごし方を提案した

 ツアー商品を販売するANAセールスでも、エアバス A380型機就航に合わせた新商品を準備する。初便搭乗者向けにホノルルで行なわれる就航記念パーティを開催するほか、ダイヤモンドヘッド周辺を海から楽しめるチャータークルーズ「SEILING HONU」などを提供。ファーストクラスやカウチシート「ANA COUCHii」を利用したコースも新規に設定する。

 なお、ANAが2019年1月を目途としている座席の発売日が決まっていないため、ツアーの発売日も現時点では未定となっている。

ANAセールスのツアーも、エアバス A380型機就航に合わせて新商品を発売予定。新シートの設定や、就航記念パーティなどを計画している