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ANA A380型機のファーストクラスはドアが閉まる個室型シート。ベッド、収納、トイレも広々
2019年4月27日 09:30
- 2019年5月24日 就航
ANA(全日本空輸)が5月24日に成田~ハワイ・ホノルル線に就航予定のエアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ、空飛ぶウミガメ)」。ハワイ路線では同社初となるファーストクラスを設置しているのが特徴の一つになっている。
本稿では、そのファーストクラスシートの詳細を紹介する。
2階最前方に8席。すべてがボックスシート
ANAのエアバス A380型機が備える全520席中、ファーストクラスは8席で、2階席最前方に1-2-1のレイアウトで2列配置される。すべてのシートがボックス状になっており、出入り口の扉を閉めることで通路の間を仕切ることができるほか、中央の2席の間にもディバイダーを備えていることから、プライバシーに守られた個人空間を作ることができる。
ちなみに、通路側の扉は片開きではなく、前方側と後方側からそれぞれ半分ずつ開閉するようになっているので、例えば足下寄りの方だけ開けておくことで、上半身側は壁に包まれた個人スペース感を高めつつ、CA(客室乗務員)とのコンタクトをしやすくする、といった使い方もできる。
収納スペースが多いのも特徴で、扉の内側に収納式のクローゼットを備えるほか、サイドにボックス状の収納スペースを備える。また、窓側席では、2階席全クラスにわたって配置されている収納スペースも利用可能だ。
シートモニターは32インチ。シートテーブルは2つ折りが可能で、広げた状態なら他クラスで提供する機内食トレイを2個は置けそうなほど広い。テーブルは前後にスライドするので、テーブルに物を置いたままの出入りも容易だ。また、テーブル上を照らす「食事灯」も備える。
ただし、ANA国際線の長距離路線を中心に導入されているビジネスクラス「ANA BUSINESS STAGGERED」のように大きなサイドテーブルはないので、一定の広さを持つ平らなスペースはこのシートテーブルのみとなる。
電源はユニバーサルACコンセントとUSBポートが一体となったユニットと、USBポート単体のパーツを備えている。つまりUSB充電ポートを同時に2個利用できることになる。
シートは当然フルフラット化できるほか、フルフラットにして寝そべった状態でも手が届きやすい位置に、前後に動かすことで座席姿勢を変えられるコントローラを備えている。
寝具は東京西川製。東京西川独自の加工を施し、加工前より保温力を約2℃向上させたという羽毛を使用したコンフォーター(掛け布団)と、高い吸放湿性を持つシーツマット。枕は“軽くてふわふわ”というハンガリー産のホワイトダックダウンを使用。ブランケットはテネリータ製、リラックスウェアはオーガニックコットン100%と、いずれも贅沢な品々をそろえる。
アメニティキットは英グローブトロッターのポーチを採用。クラシックなスーツケース風のデザインが特徴で、就航時は日本発便でアイボリー、ホノルル発便でネイビーを提供し、一定期間ごとに色を変えて提供する。その中身は「ザ・ギンザ エッセンスエンパワリング セット」として、「クリーミークレンジングフォーム(洗顔料)5g」「エッセンスエンパワリング・デー(日中用美容液)5mL」「エッセンスエンパワリング(夜用美容液)5mL」などとなる。
機内食は、ホノルル発便の洋食が大きな特徴。ハワイ・オアフ島のコオリナ地区にあるフォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツ(Four Seasons Resort Oahu at Ko Olina)内にあるイタリアンレストラン「Noe」とコラボレーションした、南イタリアとオアフの食文化を融合したオリジナルメニューを提供する。
5月24日~8月31日に提供するコラボレーションメニューは、以下のとおり。
アペタイザー
・ホタテとウニのガトー カリフラワーのピューレ トリュフドレッシング
・ハワイ産マグロのタタキ、パンと黒オリーブ、玉ねぎのサラダ仕立て
・水牛モッツァレラのラビオリ、ルーコラのペースト、セミドライトマト、レモン、柚子オイルのアクセント
メインディッシュ
・アンガス牛フィレ肉のステーキ、ラディッキョとキノコ、黒胡椒のバルサミコソース
・ハワイ産カジキと飛ぶスター、エワ産玉ねぎのピューレ、フェンネル、ケイパーとドライトマトのドレッシング
・仔牛のホホ肉の煮込み、フォアグラとユーコンポテトのピューレ
デザート
・スイカの冷たいスープ、ジンライムのゼリーとミント
一方、日本発便については、夜出発、早朝ホノルル着という運航ダイヤに配慮し、「コンパクトなサービス」とすることで、早々に就寝できる環境を整える方針。機内食も1品ずつではなく、トレイに乗せることで提供/回収の回数を少なくする。