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ANA、ホノルル ダニエル・K・イノウエ国際空港の新ラウンジを公開。エアバス A380型機の2階席に直結
ハワイ州知事らも訪れて完成を祝う
2019年5月10日 18:32
- 2019年5月9日(現地時間)公開
- 2019年5月24日 オープン
ANA(全日本空輸)は、5月24日に成田~ホノルル線にエアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ:空飛ぶウミガメ)」が就航するのに合わせたハワイ線サービス強化の一環として、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に自社ラウンジの整備を進めてきた。その工事が進み、5月9日(現地時間)に新設ラウンジを公開した。
ハワイ・ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に新設するラウンジは、ANAにとって海外就航先で唯一の自社ラウンジとなる。ファーストクラス利用者や、AMC(ANAマイレージクラブ)のダイヤモンドメンバーなどが利用できる「ANA SUITE LOUNGE」と、ビジネスクラス/プレミアムエコノミー利用者やAMCのプラチナメンバー、SFC(スーパーフライヤーズカード)会員やスターアライアンスのゴールド会員などが利用できる「ANA LOUNGE」を設置する。
ちなみに正式なオープン日は5月24日となるが、5月22日、23日の両日はプレオープンとして、ラウンジ利用対象者は新設ラウンジで一部サービスを利用することができる。
ANAがホノルル ダニエル・K・イノウエ国際空港にオープンする新ラウンジ紹介
ラウンジに搭乗口。エアバス A380型機の2階席へ直結
最大の特徴はエアバス A380型機の2階席(アッパーデッキ)にアクセスするPBB(旅客搭乗橋)に直結していることだ。同社のエアバス A380型機の2階席はファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミーが配置されており、これらのシートの利用者は「ANA SUITE LOUNGE」または「ANA LOUNGE」の利用対象者となる。
新ラウンジは、エアバス A380型機対応のPBBを備えるC4搭乗口の上階(3階)に設置される。別記事でも触れたとおり、ダニエル・K・イノウエ国際空港にはエアバス A380型機の2階席にアクセスできるPBBをC4スポットとC9スポットに装備。C4搭乗口を利用する便に搭乗する利用者は、このラウンジからの直結PBBを利用できることになる。
なお、C9搭乗口を利用する便に搭乗する利用者や、C4搭乗口利用便でもエコノミークラスに搭乗するラウンジ利用対象者は、搭乗前にラウンジを出て、通常の搭乗口から飛行機に向かうことになる。
このC4搭乗口とC9搭乗口は、ANA便がこれまでに利用している東寄りのG1~G6搭乗口(ダイヤモンドヘッド・コンコース)とは建物の中央を挟んで逆側の、西寄りにあるエバ・コンコースになる点に注意が必要だ。チェックインカウンターは引き続き東寄りのロビー8となることから、移動距離がこれまでよりも増えることになる。
もっとも、ANAはこれまでも、チェックインカウンターに近い東寄りの保安検査場のほかに、上級会員向けの優先レーンのある中央部の保安検査場も案内しているが、G1~G6搭乗口を利用する場合、中央保安検査場の利用は遠回りになってしまう。C4/C9搭乗口であればどちらの保安検査場を使用しても移動距離はあまり変わらない。1便で最大で520席分の乗客が短時間に保安検査場に押し寄せることを考えると、結果的に保安検査場を分散利用しやすい位置関係になったと見ることもできる。
ちなみにチェックインカウンターもリニューアルし、波をイメージした壁をバックに、開放感のあるレイアウトに変更している。
窓の外を海に見立て、ハワイの海と自然をイメージしたデザインに
先述のとおり、「ANA SUITE LOUNGE」と「ANA LOUNGE」からなる新ラウンジは、ダニエル・K・イノウエ国際空港で最大となる計370席(ANA SUITE LOUNGEが70席、ANA LOUNGEが300席)を持つ。
コンセプトは、ともに島々から成る日本とハワイの建築様式や文化、伝統、日本のホスピタリティ「おもてなし」とハワイのホスピタリティである「Ho'Okipa(ホオキパ)」の融合。そして、駐機場や滑走路を海に見立て、そこに面する両ラウンジを海岸やハワイのフィッシュポンドをイメージして全体のデザインを構成した。FLYING HONUは、海岸に現われたウミガメということになる。
ANA SUITE LOUNGE、ANA LOUNGEそれぞれの特徴などについては、別記事でお伝えする。
5月24日オープンに向けて神事。日本とハワイのイメージやホスピタリティを融合
内覧会が行なわれた5月9日には、ラウンジのオープンに際してハワイ式の神事が執り行なわれた。
そののち、神事を終えたANA関係者、来賓によるスピーチが行なわれた。ANA CEマネジメント室 商品企画部 部長の原雄三氏は、エアバス A380型機導入に向けて2015年から約4年間にわたって現地関係者らと協議を重ねてきたとし、現在にたどり着いたことに対して各位に感謝の意を示した。
そして、「ハワイ最後の瞬間までダイナミックな自然を感じられる」などラウンジのコンセプトやデザイン上の特徴、食事、エアバス A380型機の就航について説明し、「FLYING HONUによるキャパシティ(座席供給量)拡張によって、日本~ハワイ間でより多くのお客さまを受け入れ可能になる。ANAグループはハワイのさらなるプロモーションに尽力する」とあいさつした。
続いて、来賓として招かれたハワイ州知事のデービッド・イゲ氏が登壇。イゲ知事はANAとのパートナーシップについて語るとともに、エアバス A380型機の就航により2億8500万ドルの旅行消費、3300万ドルの税収増を見込んでいることなど、同州に対する経済効果に言及。ハワイへの旅行人気は依然として高く、前年比5%の増加を見せているという。
一方で、ダニエル・K・イノウエ国際空港もレンタカー施設やトイレなどの設備改善を行なうなど、今後2年間をかけた空港への投資も進めると話し、改めてANAとの取り組みを行なえることに喜びを示した。
このほか、在ホノルル日本国総領事館 総領事の伊藤康一氏、ANA ホノルル支店長の柴田洋氏も登壇。それぞれ祝辞と答辞を述べた。
別記事でもお伝えしたとおり、ANAのエアバス A380型機「FLYING HONU」はダニエル・K・イノウエ国際空港へ2度目の飛行を行ない、このラウンジの動線なども含む実際の旅客扱いを想定したオペレーションのチェックを行なっている(関連記事「ANA、エアバス A380型機に乗客役100名強を乗せてホノルルへテスト運航。5月24日就航に向けたシミュレーション」)。
就航前のホノルルへの飛行は今回が最後の予定。ラウンジも完成し、就航を約2週間後に控え、現地でも受け入れ体制の準備は最終段階に入っている。