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エアバス、ANAのA380型機のデリバリー式典をフランス・トゥールーズで実施。「2020年にはホノルル線の利用者を倍に」と片野坂氏

2019年3月20日13時(現地時間)実施

エアバスはANAにエアバス A380型機の1号機を引き渡した

 エアバスは3月20日(現地時間)、本社のあるフランスのトゥールーズで、ANA(全日本空輸)にエアバス A380型機の1号機を引き渡した。

 A380型機は2階建ての超大型旅客機。ANAの仕様では、ファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミークラスが73席、エコノミークラスが383席の計520席となる。日本の航空会社で導入するのは今回のANAが初めてだ。

 本機はトゥールーズで組み立て終了後、ドイツのハンブルクで内装・塗装を施し、テストフライトなどの最終チェックを重ねたうえ、トゥールーズに戻ってきた(関連記事「“空飛ぶウミガメ”誕生。エアバス、ANAのA380型機『FLYING HONU』初号機の塗装を終え、独ハンブルクでロールアウト」)。

 ANAが注文している3機のA380型機のうち、今回納品された1号機は5月24日就航予定。成田~ハワイ・ホノルル線に投入され、週3便での運航を予定している。「空飛ぶウミガメ」を意味する「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」と名付けられ、機体にはブルーのウミガメが描かれている。

 7月に同じデザインでエメラルドグリーンの2機目が就航すると、週10便になる。3機目の機体はハワイの夕陽の色であるサンセットオレンジで、就航は2020年を予定している。

エアバスによる式典の様子

 13時からは式典を実施。式典はエアバス CEOのトム・エンダース氏のあいさつから始まった。「A380型機が初めて発注されたのは1986年のことだったが、今回のANAのA380型機はこれまでの注文のなかで最も細かい塗装作業が必要で、約20日間かかった」と説明。「A380型機は生産終了となるが、ANAへのメンテナンスや部品のサポートなどは今後も行なう」と述べた。

エアバス CEO トム・エンダース氏

 次にロールスロイス 民間航空部門プレジデントのクリス・チョラートン氏が登壇。「ロールスロイスがANAに初めてエンジンの提供をしたのは1961年のこと。大昔から存在する、幸運のシンボルであるウミガメがモチーフなっていることにかけて、ANAとロールスロイスの関係が今後も末長く続くことを願う」と述べた。

ロールスロイス 民間航空部門プレジデント クリス・チョラートン氏

 最後に、ANAHD(ANAホールディングス)代表取締役社長の片野坂真哉氏が登壇。片野坂氏は「成田~ホノルル線にA380型機を投入することで、顧客により快適なサービスと多くの座席を提供することになり、2020年には成田~ホノルル間の乗客を2倍に増やすことを目標としている」と述べた。欧州からの旅行者はアメリカ経由でハワイに入るのが今は一般的だが、欧州から日本経由でハワイに行く旅行者もターゲットにしているという。

 最後に、万年生きるというウミガメにあやかり「A380型機は今後、日本で長年に渡り愛されることだろう。桜の開花に合わせての今日の初フライトを大変光栄に思っている」と述べて締めくくった。

ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長 片野坂真哉氏

 共同でフライング・ホヌのモデルプレーンにサインをすると、会場が暗転。フライング・ホヌの製造工程などのダイジェスト映像が壮大なドラム演奏のなかで流されたのちにスクリーンがロールアップすると、その後ろにはガラス越しのフライング・ホヌが。会場からは盛大な拍手が沸き上がった。

外にフライング・ホヌが

 テープカットを終えると、片野坂氏とエアバス・ジャパン 代表取締役社長のステファン・ジヌー氏らが機内に乗り込んだ。その後、16時40分ごろに離陸。日本時間21日13時の成田到着を目指して出発した。

テープカット終了後、機内へ
16時20分ごろに機体の移動が始まり、16時40分ごろ離陸
ANAのエアバス A380型1号機