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豪華な機内食にエコバッグのプレゼント。2階席でゆったり過ごせるANA A380型機のプレミアムエコノミー

2019年5月24日 就航

5月24日にハワイ・ホノルル線に就航するANAのエアバス A380型機「FLYING HONU」のプレミアムエコノミー

 ANA(全日本空輸)が5月24日に成田~ハワイ・ホノルル線に就航予定のエアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ、空飛ぶウミガメ)」。プレミアムエコノミーは、サービス面の変更が大きいクラスだ。

 エアバス A380型機の2階席をもっともローコストに堪能できるシートでもあるプレミアムエコノミーを紹介する。

「最前列」が2か所あるレイアウト。新仕様のヘッドレスト採用

 ANAのエアバス A380型機が備える全520席中、73席がプレミアエコノミーとなる。2-3-2の7アブレストで、20~30列目が割り当てられている。位置は2階席の最後方で、前方のビジネスクラス、後方のギャレーとは壁で仕切られる。

 ちなみに、20~27列目、28~30列目が1セクションとなっており、足下の広い席が20列目と28列目の2列用意されている(各列の両窓側は非常口座席)。とくに28列目の中央3席は前に壁もない。その利便性についてはシートモニターやシートポケットを備える前席までの距離をどう考えるか次第ではあるが、ほかの座席にはない特徴のある座席だ。

 プレミアムエコノミーはシートのファブリックがグレー調で、ヘッドレストカバーや枕、ブランケットの紺色や、後方の壁の空の色はあるものの、ANAのコーポレートカラーである青色成分がかなり少ないのも特徴。エコノミークラスとはガラリと違う落ち着いた雰囲気の空間となっているのが印象的だ。ちなみに、隣り合った席が同じ柄にならないよう複数のファブリックデザインになっているのも面白い。

プレミアムエコノミー。青色味を抑えた落ち着いた雰囲気
前方から。ファブリック柄が座席ごとに違うのが分かる
後方から見ると、2セクションに分かれている様子が分かりやすい
前後に少しずらして配置
28列目の中央3席
28列目の窓側

 シートはANAが今年度に導入するエアバス A380型機やボーイング 787-10型機で採用した新型。フットレスト、レッグレストを備えるのは従来と同様だが、「6-way」タイプの新ヘッドレストとなっている。これは上下3段階の高さ調整と、左右の外側を折り曲げられるほかに、首の根元部分を起こせる機構を取り入れているのが特徴となる。

 シートピッチは38インチ(約96.5cm)。シートポケットのほかに、アームレストの前後に小物入れがある。自席側の小物入れはスマートフォンを入れるのにちょうどよく、座席から見て前方の小物入れはペットボトル置き場として使うことを想定した形だ。

 ちなみに、2階席ならではの特徴として、窓側に収納スペースが並んでいる。上位2クラスほどの収納スペースがなく、窓側席から通路にアクセスする際に1席挟む格好になるプレミアムエコノミーではありがたみがより増す装備だ。

 2階席の特徴としては、ラバトリーも挙げられる。実はラバトリーは1階席と2階席で1つ大きな違いがあり、2階席のラバトリーのみ全室が温水洗浄便座を採用している。ラバトリーは前後1か所ずつの計2か所。後方はおむつ交換台付きで、前方は車いすに対応する。

 電源は自席側のアームレストに備わっており、ビジネスクラスなどと同じユニバーサルACコンセントとUSB充電ポートを一体化したユニットを採用。上位2クラスとは異なり、USBポートはこの1個のみとなる。

 シートモニターはタッチ対応の15.6インチ(最前列は11.6インチ)。最前列はアームレスト下に収納されており11.6インチとなる。機内エンタテイメントサービスはタッチ操作のほか、アームレスト下に収納されているコントローラも使用可能だ。

 シートテーブルはアームレストから取り出すタイプ。サイズはビジネスクラスほどではないが広く、エコノミークラスよりも安定感が高いもの。前後にスライドできることに加えて、縦に回転することができるのも特徴で、これにより机の上に物がある状態でも席に出入りしやすいようになっている。

ヘッドレスト。中央下部を手前に引き出せるのが特徴
読書灯
通常席のフットレストとレッグレスト
最前列はレッグレストの先からフットレストが伸びる形状
最大リクライニングの状態
シートポケット
アームレスト側にスマホ入れにぴったりの収納
前方のアームレスト部にペットボトル置き場
アームレストの前方が小さめながらカクテルテーブルになっている
2階の窓側席の人にうれしい収納スペース
電源。ユニバーサルACコンセントとUSB充電ポート
最前列席も手前側に装備。脇にシートモニターが収納されている
シートモニター。通常席は15.6インチ
機内エンタテイメントのコントローラ
アームレストに収納されているシートテーブル
離着席しやすいよう回転させられる
ラバトリー。温水洗浄便座を装備

 機内食は、ANAとしては初めてプレミアムエコノミー専用メニューを提供することが特徴となる。メインは陶磁器に乗せられており、エコノミークラスとは一線を画す。ビジネスクラスの紹介記事で触れたとおり、日本発便はビジネスクラスも1トレイでの機内食提供となることから、メニューも出し方もビジネスクラスに近いサービスだ。

 就航時のメニューは5月24日から8月31日まで提供され、日本発便は下記のメニューとなる。メイン以外が和洋共通となるのがビジネスクラスとの分かりやすい違いといえるだろう。

和食メイン: 鰻蒲焼きとろ玉掛け
洋食メイン: 鶏むね肉、もも肉のグリル バーベキューソース
和洋共通: 海老とサーモントラウト コッパハムの取り合わせ、チーズ、クラッカー、フルーツ、アイスクリーム

 このほか、プレミアムエコノミー搭乗客には、デュポン製の生活防水素材「タイベック」を使用したFLYING HONUデザインのエコバックを提供する。ビジネスクラスのアメニティキットにも同様のエコバッグが含まれるが、異なるデザインのものとなっている。

プレミアムエコノミーの枕、ブランケット、ヘッドフォン
プレミアムエコノミー搭乗客に提供するエコバッグ(画像提供:ANA)
日本発のプレミアムエコノミーで提供する和食(5月24日~8月31日提供)
和食のメイン「鰻蒲焼きとろ玉掛け」
日本発のプレミアムエコノミーで提供する洋食(5月24日~8月31日提供)
洋食のメイン「鶏むね肉、もも肉のグリル バーベキューソース」