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ANA、エアバス A380型機「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」の機内を初公開。ハワイ旅行にうれしい設備やサービスが充実
2019年4月23日 14:58
- 2019年4月23日 公開
- 2019年5月24日 就航
ANA(全日本空輸)は4月23日、5月24日に成田~ハワイ・ホノルル線に就航予定のエアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ、空飛ぶウミガメ)」の機内を報道関係者に初公開した。
総2階建て機ということはもちろん、同社のホノルル線では初めて導入するファーストクラスや、夫婦やカップルでの旅行を考慮したビジネスクラス、ANAでは初めて専用機内食を提供するプレミアムエコノミー、複数席をベッドのように使えるカウチシート「ANA COUCHii」の導入など、これまでのANAの飛行機にはなかった新たなプロダクト、サービスを多数提供する点で注目される。
本稿では、ANAのA380型機の客室の概要を紹介する。各クラスのシートの詳細などは、別記事で順次紹介していく予定だ。
総座席数520席。エコノミークラスは1階(メインデッキ)に集約
機内は、乗った瞬間からハワイを感じられるよう、各セクションのパーティションにハワイをイメージしたビジュアルが描かれており、これもすべて異なるデザインとなっている。座席の後方側に描かれるので、飛行機に乗って席へ向かうときに目に入ることになる。このあたりに「乗った瞬間からハワイを感じられる」ということを意識していることが分かる。
エコノミークラス、カウチシート「ANA COUCHii」
すでに航空券が販売されているので、ANA SKY WEBでもシートマップが公開されているが、改めて整理しておくと、2階建て機のメインデッキ(1階)はすべてエコノミークラスを配置。座席数は383席。席番号では35列目から76列目となる。
2番目のドアから入った場合は35~43列目が前方寄り、44列目以降が後方寄りとなり、44~57列目、58~69列目、70~71列目が一つのセクションとなっている。
また、最後方セクションの2列目以降、つまり71~76列目がANA COUCHiiに割り当てられる。通常席とANA COUCHiiのシートはヘッドレストカバーの色で区別しており、通常席は青(紺)色、COUCHiiシートは緑色になっている。
座席レイアウトは3-4-3の10アブレスト。2階建て機というと、「ジャンボ」の愛称で知られた、ボーイング 747シリーズを思い浮かべる人も多いと思う。ボーイング 747型機は1階最前方がカーブを描いて細くなり、独特の座席配置をしていた。ボーイング 747型機とエアバス A380型機はここに大きな違いがある。ボーイング 747型機は2階にコックピットを配置して1階の機体最前方まで客室をして使用したのに対し、エアバス A380型機は1階にコックピットを備えることから、機体が細くなるノーズ近くは客室になっていない。エコノミークラスの最前列セクション(35~43列目)は、ほんの少しカーブしている程度で、全エコノミークラス座席が3-4-3を基本にレイアウトされている。
ANA COUCHiiシートの後方には、多目的ルームを設置。授乳、おむつ交換、化粧、着替えなどに使えるスペースで、「ウミガメ」を使ったユニークなピクトグラムを使って“トイレではない”ことを示している。
機内食は、オールデイダイニング「bills」とコラボレーションしたメニューを日本発便で提供。機内食メニューについてはbillsで開かれた発表会の記事「ANA、エアバス A380就航に合わせて提供開始するbillsコラボのエコノミークラス機内食お披露目」で紹介しているとおり。就航時にはポークシュニッツェルをメインにした機内食を提供する。
プレミアムエコノミー
73席を備えるプレミアムエコノミーは2階(アッパーデッキ)の最後方、20~30列目となる。20~27列目、28~30列目は別セクションとなっているので、20列目、28列目の足下が広め。レイアウトは2-3-2の7アブレスト。
4月26日に就航するボーイング 787-10型機でも採用しているシートで(関連記事「ANA、4月26日に就航するボーイング 787最長胴モデル『ボーイング 787-10』型機を公開。プレエコとエコノミーは新シート採用」参照)、落ち着いた色合いだが、席ごとに表面のファブリックの柄に多様なバリエーションを持たせている。
ANAでは初めてプレミアムエコノミー専用の機内食を提供。日本発の和食と洋食は陶磁器の食器で提供されるほか、見るからにエコノミークラスとは一線を画すものとなっている。
ビジネスクラス
ビジネスクラスは、サイドテーブルと座席を1列ごとに交互に配置し、全座席からダイレクトに通路にアクセスできる「ANA BUSINESS STAGGERED」をベースに、ハワイ・ホノルル路線を意識して中央2列席の配置を見直したものとなる。中央2席はシートを通路寄りに配置した列と、機体中央寄りに配置した列を設け、中央寄りに配置した2席は隣同士と言えるほど近い距離になる。
また、その2席の間のディバイダー(パーティション)はかなりの高さがあるほか、離着陸時も使用可能なので、知らない人と隣り合った場合でも一定のプライバシーを確保できるようにしている。
レイアウトは2-2-2の6アブレストで56席を用意。座席番号としては、5列目から18列目となる。
日本発の機内食はワントレイで提供するのも大きな特徴。これは、今回のエアバス A380型機就航に合わせて日本発ホノルル行き便で「コンパクトなサービス」とすることの一環。日本を夜に飛び立ち、早朝にホノルルに到着するスケジュールであることから、機内では早々に機内食を摂って、早く休み、ホノルル到着直後から元気に動けるようにすることを目的に、機内食の提供や食器の回収にかかる時間を最小限に抑える工夫だ。
ファーストクラス
ANAのホノルル路線で初導入となるファーストクラスは、開閉可能な扉を設けた個室感のあるボックスシートとなっている。1-2-1の4アブレストで全8席。1列目と2列目が該当する。
クローゼットも備える充実した収納スペースや、大型のテーブル、32インチのシートモニターなど、ほかのクラスとは明らかに差別化された上級シートとなっている。
もちろんフルフラット化が可能で、寝具として、東京西川独自の加工を施すことで加工前より保温力を約2℃向上させたという羽毛のコンフォーター(掛け布団)と、高い吸放湿性を持つシーツマット。枕はハンガリー産のホワイトダックダウン、テネリータ製のブランケット、オーガニックコットン100%のリラックスウェアなどを使用できる。
機内食はホノルル発便でオアフ島コオリナにある5つ星ホテル「フォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツ(Four Seasons Resort Oahu at Ko Olina)」内にあるイタリアンレストラン「Noe」とのコラボレーションメニューを提供する。
搭乗は1階(メインデッキ)2か所と2階(アッパーデッキ)1か所から
搭乗は機体左側面の1階の前寄り2か所、ML1ドアとML2ドア(メインデッキのL1ドアとL2ドア)、2階の1か所、UL1ドア(アッパーデッキのL1ドア)の3か所からとなる。成田空港でANAが使用する第1ターミナル南ウイングは、45番と46番のスポットが2階席に対応するPBB(旅客搭乗橋)を備える。空港運用のうえでここを使用できない場合は、1階席の2つのドアを利用することになる。
ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港にとっては、ANAがエアバス A380型機初就航となる。ANAが空港に準備中のラウンジは、ラウンジから2階席へ直接アクセスできるPBBが設置される予定となっており、おそらくANAのエアバス A380型機専用スポットのような扱いになると見られる。
このほか、2階席は窓側に収納スペースが並んでおり、こちらに荷物を収納することも可能だ。同機就航を記念したグッズの発売も予定されている。