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リアル“ホヌ”との邂逅も。ANAがエアバス A380就航に合わせて提供する「ハワイ旅行をさらに満喫できる新サービス」を体験

2019年5月24日 就航

ANAとANAセールスはエアバス A380型機の就航に合わせてハワイ旅行のサービスを拡充。その新サービスを体験してきた

 ANAグループは、ANA(全日本空輸)が5月24日に成田~ホノルル線にエアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ:空飛ぶウミガメ)」を導入するのに合わせ、AMC(ANAマイレージクラブ)会員やANAセールスが販売するANAハローツアーの旅行商品などで、ハワイ旅行のサービス拡充・リニューアルを続々と進めている。

 別記事で紹介しているダニエル・K・イノウエ国際空港のラウンジ取材の折、ハワイ現地における新たな旅行サービスの一部を実際に体験してみた。

「マハロラウンジ」をリニューアル。面積を約1.7倍に拡張し、AMC会員も利用可能に

マハロラウンジ

 2016年7月にグランドオープンしたANAセールスのツアー参加者向けのラウンジ「マハロラウンジ」。ワイキキの目抜き通りであるカラカウア通りに面した「ワイキキ・ショッピングプラザ」の2階に設けている同ラウンジを、5月6日から面積を約1.7倍に拡張してリニューアルオープンした。

 この施設リニューアルを機に、これまではANAハローツアーなどANAセールス主催ツアー参加者のみだった利用対象を拡大し、ANAマイレージクラブ会員に拡大。利用料は1人20ドル(約2200円、1ドル=約110円換算)で到着日から10日間の利用が可能となる。12歳未満は無料。マイルでの支払いも可能で、その場合はドル・円換算後のマイル換算となることから為替の状況により必要マイル数は変動する。ANAマイレージクラブ会員の利用は5月20日から可能となり、15日14時から予約を受け付ける。

マハロラウンジ

 リニューアルによる面積拡張により、くつろげるソファやチェアを大幅に増席したほか、ツアー参加者向けの説明スペースも開放感がある。また、これまではショッピングセンター内の共用トイレを使用していたが、新たにラウンジ内に専用トイレを設置。トイレは温水洗浄便座で、内部は広々として、姿見も置かれた更衣室を兼ねるスペースとなっている。

 もちろんここで現地ツアーへの参加申し込みなどが可能なほか、従来同様に無料のWi-Fiやドリンク、ロッカー、レンタル傘などのサービスも提供する。なお、ロッカーは無料だが、預け入れや取り出しが可能なのは営業時間中(8時~18時)のみ。

 ワイキキの中心部にあるアクセスのよさは大きな魅力で、AMC会員であれば航空券とホテルを個人で手配しているような場合でも利用可能になったことで、朝早く到着してホテルにチェックイン可能になるまでの時間を過ごしたり、ワイキキでのショッピングの拠点にしたりなど、うまく活用することでワイキキ観光の疲れを軽減してくれる施設になりそうだ。

カラカウア通りに面したワイキキ・ショッピングセンター。免税店のTギャラリア ハワイ by DFSの隣、ロイヤル・ハワイアン・センター向かいに立地する
マハロラウンジのエントランス。新たに「ANA Traveler's」ロゴも
ツアー参加者の説明などに使用するスペース。オプショナルツアーの申し込みや現地滞在の相談なども可能
面積が広がりくつろげるスペースが広がったマハロラウンジ。キッズスペースも引き続き設置している
無料のドリンクコーナー
営業時間内に利用できるロッカー
突然の雨にも安心のレンタル傘
更衣室も兼ねるトイレをラウンジ内に新設

陸を走る“ホヌ”。ワイキキ~アラモアナセンター間を結ぶ電気バス「ANAエクスプレスバス」

ANAエクスプレスバス(ANA Express Bus)

 すでに4月20日から開始しているサービスとなるが、AMC会員専用に新たに電気(EV)バス「ANAエクスプレスバス(ANA Express Bus)」の運行をスタートした。ホノルル観光定番のショッピングモールとして訪問者の多いアラモアナセンターと、ワイキキ中心部のTギャラリアとを結ぶシャトルバスとして運行している。

 バスは中国BYD製で、全面を「FLYING HONU」デザインでラッピング。ANAが導入するA380型機の1号機となる「ANAブルー」と、3号機となる「サンセットオレンジ」をイメージしたデザインの2台を運行する。

青いANAエクスプレスバス。モンステラなどハワイをイメージしたリーフを背景に親子のウミガメが泳ぐデザイン
「サンセットオレンジ」のANAエクスプレスバス。こちらの背景はハイビスカスなどの花のモチーフ

ということでアラモアナからワイキキまで乗ってみた

乗車チケットまたは搭乗券をドライバーに見せて乗車

 別記事でお伝えしているダニエル・K・イノウエ国際空港の新ANAラウンジ取材後、ワイキキのホテルに戻る道中でアラモアナセンターからTギャラリアへANAエクスプレスバスを使って移動してみた。

 利用条件は東京(成田/羽田)発ホノルル行きの航空券が発券済みで、AMC番号を予約記録に登録してあること。乗車チケットはANA SKY Web上にあるANAエクスプレスバスの案内Webサイトまたは、ANAマイレージクラブアプリから表示できるので、スマホでスクリーンショットを撮っておくとよいだろう。

 現地でネット環境がないなどの事情で事前に乗車チケットを表示できない場合は、搭乗券をバスのドライバーに提示してもOKだ。この場合はAMC会員証の提示を求められる場合もあるとしているので携行しておく必要がある。

ANAマイレージクラブアプリでの乗車チケット表示。メイン画面左上のQRコードアイコンをタップし、提示用デジタルカード画面が表示されたら右下の「Coupon」をタップすることで表示される

 利用は無料で、到着日を含む10日間乗車可能。会員本人と18歳未満の子供3名まで利用できる。夫婦などで利用する場合は、同行者も自身のAMC会員番号と航空券とを紐付けておく必要がある。

 乗車場所はTギャラリア、アラモアナセンターともに、ホノルルの移動手段の定番ともいえるワイキキ・トロリーと同じ。Tギャラリアはカラカウア通りから見て一番奥の地下にある駐車場脇の停留所、アラモアナセンターは海側の停留所を利用している。Tギャラリアとアラモアナセンターの間の所要時間は約12分(道路状況にもよる)。始発バスはTギャラリア9時発、最終バスはアラモアナセンター21時45分発となっている。

アラモアナセンターでは海側の停留所から乗車
Tギャラリア ハワイ by DFSは、カラカウア通りから見て一番奥の地下にある停留所から乗車する

 運行中は車内の照明は消され、走行中は電気バスらしい静かさ。短時間の乗車ではあるが車内では無料Wi-Fiサービスも提供しているので、乗車中に情報収集も可能だ。

 ワイキキ中心部とアラモアナセンター間の移動というと、JCBカードがあれば無料で乗れるワイキキトロリーのピンクラインが定番として思い浮かぶ。ピンクラインは停留所の多さが便利ではあるが、ANAエクスプレスバスは2台のみではあるが、2地点間の直行という割り切った運行にしていることで15分間隔で運行しており、効率よくワイキキ中心部とアラモアナセンター間を移動できる手段として魅力的に思える。

ANAエクスプレスバスの車内
車内では無料Wi-Fiを提供。認証用のパスワードは車内に掲示されている
Tギャラリア到着後に運転席を見せてもらうと、電気バスらしくモニターに平均消費電力の表示
車内にはANA HAWAiiに関するさまざまな情報が掲示されていた
これは余談だが、空港からアラモアナセンターへは路線バスの「TheBus」を使用。大きな荷物は持ち込めないが、2.75ドル(約300円)でワイキキまで移動できる格安の移動手段だ

海上の“ホヌ”。ANAチャーターのカタマラン「SAILING HONU」

ANAのツアー商品でオプション提供する「SAILING HONU」に体験乗船

 ANAセールスでは、エアバス A380型機の就航を記念したツアー商品のオプションとして、「SAILING HONU(セイリング・ホヌ)」の提供を開始する。日本で申し込みが完了(7日前まで)すれば無料参加が可能。空きがツアー参加者でなくてもマハロラウンジで申し込みを受け付けるが、エアバス A380就航直後などは満席状態だという。現地購入時の価格は40ドル(約4400円)。

 カタマランと呼ばれる双胴ヨットによるセーリングクルーズで、アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートを発着地にカタマランクルーズを提供するHolokai Catamaranによる運航船をANAセールスがチャーター。月・木・土曜の週3回、48名を募集する。最少催行人数は1名。

 参加者は発着地となるアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートの正面玄関に14時30分に集合して、15時に出発する。船は揺れると波しぶきがかかるほか、波が打ち寄せるビーチから乗り降りするので、足下はサンダル。服は濡れてもよいものにすることをお勧めしている。

 このチャーター便は「SAILING HONU」と名乗っているだけあって、見た目もANA仕様にアレンジ。左右両舷に「ANA HAWAii」「ANA Traveler's」の横断幕を掲示するほか、アメリカ国旗とハワイ州旗に並んで「FLYING HONU」が描かれた旗も掲げて運航。スタッフはANAのTシャツを着用と、かなり目立つ存在になっている。

アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート内Holokai Catamaran
集合場所のアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート。この建物が目印
運航を行なうHolokai Catamaranのレセプション
このカタマランをチャーター。写真は通常運航中の便
発着場所は潮の満ち具合によって変わる。潮が引いているときはお隣のハレクラニ裏が発着場となる
「SAILING HONU」仕様にドレスアップしたカタマラン。スタッフもANA HAWAiiのTシャツを着用

ということで1時間30分のコースに乗ってみた

 実際に乗船してみると、ワイキキビーチが徐々に遠ざかり、林立するホテルの様子が見えてくると、普段とは違った角度からの風景が広がる。それだけでも楽しいだが、沖に出てしばらくすると帆が開かれ、さらに沖へとゆっくり進むに連れ、見たことのないような海の色に言葉を失う。ハワイの海といえばエメラルドグリーンなどと形容されるが、それとはまったく違う。ダイヤモンドヘッドも見慣れた形ではなく、すべてが新鮮に映る。

 ちなみに、Holokai Catamaranでは通常、1時間30分のセーリングクルーズを実施しているが、ANAセールスがチャーターする「SAILING HONU」は、日本人参加者の嗜好に合わせて約1時間のコースへ変更している。今回の体験乗船は通常の1時間30分コースとなったのだが、出港してしばらくはその景色に見とれるものの、船のスピードは次々に新しい風景が飛び込んでくるような速度ではないので、かなりまったりしたムードになってくる。

 今回はANAグループの関係者と取材に参加した報道陣のみの乗船で、記事を書くために話をしたり写真を撮ったりして時間を過ごせたが、少人数のグループで参加してまわりに初対面の人が多い状況だと1時間30分は間がもたないという人もいると思う。その意味で1時間というのは、沖から見る景色の感動を味わいつつ、飽きもこないちょうどよい時間のように思えた。

 このほか、運航はすべて現地の外国人スタッフが行なうため、日本語を話せる添乗員が1名乗務。加えて、船上のドリンクはアルコールを含めて飲み放題となっている。ほろ酔い気分で船に揺られたときに味わえる“地に足が付いていない感”は心地よい。フルーティなオリジナルカクテルもぜひチャレンジしてみてほしい。

いざ乗船。ビーチから直接乗るので、濡れてもよいサンダルが必須。乗るときは裸足で
SAILING HONUから眺めるワイキキビーチ
沖に近い場所では帆を閉じた状態でホンダのVTEC搭載船外機を使って推進
突風が吹いても大丈夫なぐらい岸から十分に離れたところで帆を開く
“エメラルドグリーンの海”とはまったく違う、沖から見る独特の青い海。遠くにマウイ島が見える(写真右)
Holokai Catamaranオリジナルのカクテル。アルコールは強めな感じだがフルーティで飲みやすかった

 このクルーズでは、本物のウミガメに出会うこともできた。シュノーケリングのアクティビティ参加者が近くに寄って観察しており、ちょっとうらやましい思いもあったが、思わぬ出会いに感動もひとしお。

 クルーズ中には潜水艦やSUP(スタンドアップパドルボード)など、さまざまなアクティビティを見ることもでき、気持ちがまったりしてきたら、海を眺めつつ、次に参加してみたいアクティビティを吟味するのも面白そうだ。

本物のホヌ(ウミガメ)と邂逅。思わぬ出会いに幸せを感じる
船員が「サブマリーン!」と叫ぶのでなにかと思ったら、この場所で浮き沈みする潜水艦のアトラクション。沖の海を見た直後ということもあり、かなり乗ってみたくなった
出発後に潮が満ちてきたので、到着はアウトリガー・リーフの裏手に

エコノミークラスで到着したらbills Waikikiでブランチ

bills Waikikiでブランチを

 ここまでは、AMCやANAセールス提供のツアー商品に関するサービスだったが、次に紹介するのはエアバス A380型機「FLYING HONU」機内でのサービスに関するもの。同機が就航する5月24日以降、日本発便のエコノミークラスではオールデイダイニング「bills」とコラボレーションした機内食を提供することは既報のとおりで、すでにメニューも公開されている(関連記事「ANA、エアバス A380就航に合わせて提供開始するbillsコラボのエコノミークラス機内食お披露目」)。

 このエコノミークラスの機内食には、ドリンクカードが1枚付いており、これをbills Waikikiで提示することでドリンク1杯の無料サービスを受けられる。食事を注文することが条件だが同行者も利用できる。

5月24日から日本発便のエコノミークラスでコラボメニューを提供。bills Waikikiで利用できるドリンクカードが付く

 先ほど、マハロラウンジをホノルルに到着したあと、ホテルへチェックインできるようになるまでの時間の過ごし方の一つとして提案したが、bills Waikikiでブランチを楽しむというのも別の選択肢として挙げられるだろう。

 日本での発表会開催時には「手荷物預かりサービスについて準備中」との話があったが、これも5月24日から実施することが決まったそうで、食事中にスーツケースを預かる場所の用意が進められている。受付横にある一部屋を預かったスーツケース保管場所とし、鍵付きのスペースに監視カメラも取り付ける予定とのことで、安心して預けられそうだ。

 billsでは定番のリコッタパンケーキや、レストランで提供したのはbillsが初めてだというアボカドトーストなど、食事もいくつかいただいてみたが、かなりボリュームがあって満足度は高い。むしろ多すぎるほどなので、グループで訪問してシェアするのがちょうどよいかも知れない。

 注意したいのは、ANA便の到着からワイキキへの移動時間が一定ではないこと。billsでは7時~11時に朝食メニューを提供しているが、11時から昼食メニューに切り替わる。5月24日からA380型機で運航するNH184便が8時30分着なので、入国審査場や預け入れ手荷物の受け取りがスムーズなら朝食メニュー、混雑してワイキキへの到着に時間を要すると昼食メニューになるので、事前に食べたいメニューを下調べする場合は、両方のメニューをチェックしておくことをお勧めする。

bills Waikiki
bills Waikiki。1階のレセプション横にある部屋を手荷物預かりスペースとし、食事中、無料でスーツケースなどを預かってもらえるようになる
1階の物販スペースでは、メゾン・キツネ(MAISON KITSUNE)とのコラボ商品を販売。ワイキキ店でしか買えない商品も
billsの自家製ソーダ。左が「ハイビスカスライムソーダ」、右が「自家製ジンジャーエール」(通常価格は7ドル/約770円)
リコッタパンケーキ - フレッシュバナナ、ハニーコームバター(21ドル/約2310円)
アヒポキ ライスボウル /w ブラウンライス、アボカド、チェリートマト、シーアスパラガス(19.5ドル/約2145円)
アボカドと豆腐、わさびのディップ - ラディッシュ、チアシードクラッカー(12ドル/約1320円)
アボカドトースト - フレッシュコリアンダーとライム添え(13ドル/約1430円)
カフクスイートコーンフリッター /w クミンローストトマト、ほうれん草、ベーコン、アボカドサルサ(22ドル/約2420円)

 ANAのハワイ線新サービスについては、2018年11月にその多くが発表された。今回試したのも、その時点で発表されていたものだ。エアバス A380型機「FLYING HONU」の機体に注目が集まりがちだが、到着後の現地でもサービスを強化している。billsのドリンクカードについても、到着後の過ごし方提案の一つにもなっている。AMC会員向けサービスからツアー関連の商品まで、さまざまな情報がANA HAWAiiのWebサイトに掲載されているので、チェックしてみるとよいだろう。

シェアサイクル「biki」協賛。ANA HAWAiiロゴの入った電動自転車が用意されている
ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に掲示された広告