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ANA、2019年にホノルル線に就航するエアバス A380型機の特別塗装機「FLYING HONU」発表、導入3機すべてを特別塗装に
ハワイから竜宮城をイメージしてウミガメをモチーフに
2017年3月6日 19:44
- 2017年3月6日 発表
ANA(全日本空輸)は3月6日、2019年に成田~ホノルル線に就航を予定しているエアバス A380型機の特別塗装デザインを発表した。ウミガメの親子をモチーフとしたデザインで、「空飛ぶウミガメ」を意味する「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」の愛称が付けられた。
この機体デザインは、2016年10月7日~11月30日に行なわれた「A380ホノルル線導入記念 機体デザインコンテスト」から選ばれたもの。期間中に2197作品の応募があり、うち4割は海外からの応募だったという。そのなかから大賞に選ばれたのが、東京都の増岡千啓さんがデザインしたもので、「ウミガメの家族」をコンセプトに、「ハワイの青い海でゆったりとくつろぐホヌ(ウミガメ)の親子」を描いた。
ハワイで「ホヌ」と呼ばれるウミガメは、ハワイでは神聖な生き物で、ウミガメを見ることができると幸福や繁栄が訪れるということで愛されているという。ANAの機体も、乗客に幸福が訪れるよう願いを込めて「空飛ぶウミガメ」を意味する「FLYING HONU」と名付けられた。
6日に行なわれたデザイン発表会で挨拶したANA代表取締役社長の篠辺修氏は、「最後には私も加わって審査をしたが、レジャー、ハワイ、海、青……みたいなイメージだったので、『あ、カメか』という感じで、万年生きるからよいかと。あとから聞くとカメはハワイでは神聖なもので、日本でも同様なので、とてもよいのではないか」と選考の理由を紹介。
エアバス A380型機に特別塗装を施すことについては、「少し変わったことをやりたい。機体に従来のANAペイントじゃつまらないのではないか」とのことで一般公募したという。導入される3機すべてが、今回のウミガメをモチーフにした特別塗装機になる予定とのことだが、同一のデザインとなるかは未定という。
デザインした増岡千啓さんは、ハワイに「青い空、青い海、毎日が楽しくて、言ってみれば竜宮城のようなところのイメージ」を抱き、「実際に行ったときの一番の思い出はシュノーケリングをして、ウミガメを見たときのことが一番頭のなかに残っていた」という。そこで、「竜宮城はカメに乗って行ったので、カメをモチーフにした」と、ウミガメをモチーフにした理由を紹介。
さらに、「モチーフをウミガメに決めてからは、イメージが続々湧いてきて、浦島太郎も1人で行ったから話せる人がいなくて、最後は寂しくなって玉手箱を開けてしまったのでは。もし家族で行ったら、楽しい思い出ばかりが残って、玉手箱も開けることはなかったのでは。カメ1匹ではなくて、3匹の親子を描こうと思ってこのデザインができあがった」と説明した。
ちなみに、篠辺氏は「機内などもいま国際線で飛ばしているものとは違う雰囲気を出せればと思っているので、これらもできあがり次第、紹介していきたい。今日は機体の塗装だけになるが、今後もご期待いただきたい」とし、機内のコンセプトは詳細は話せないとしつつ「ファミリーを意識しようと思っている」とコメント。この点でもウミガメのファミリーのデザインはマッチしている。
発表会にはハワイ州観光局(Hawaii Tourism Athority) COOのランディ・バルデモア(Randy Baldemor)氏とミスハワイ2016のアリソン・チュー(Allison Chu)さんも来場。バルデモア氏は「ハワイ路線に初めてエアバス A380型機が就航し、ホノルル国際空港にお迎えできることに興奮している」とし、ハワイの観光業におけるANAの重要性に言及。1月のハワイ渡航者数で日本市場がもっともよい数字であったことへの貢献などに感謝を述べた。
篠辺氏はこのハワイ路線について、「搭乗率が9割を超えており、2017年度からはボーイング 787型機を投入するなど競争力を高めていく」とコメント。この搭乗率の高さから、「マイレージの特典航空券でもハワイは人気があるが、座席数が足りず『とれない』という意見もいただいている」とするほか、「(身近な例として)JALさんと比べると座席数は3分の1。A380型機を3機入れても、まだ今のJALさんの座席数に届かないはず」とし、エアバス A380型機導入により一挙の増席を図ることで、これまで乗りたいと思っていた人が乗れなかった人に対する搭乗機会創出の重要性を強調した。