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エアバス・ハンブルク工場でA320ファミリーの最終組立工場を見学

2020年1月24日(現地時間)実施

ANA向けA380型機がロールアウトしたエアバス・ハンブルク工場で、A320ファミリーの最終組立工場を見学した

 エアバスが1月24日(現地時間)に、同社ハンブルク工場でANA向けのエアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ:空飛ぶウミガメ)」の3号機をロールアウトしたのは別記事でお伝えしたとおりだ。本稿では、ハンブルク工場を訪問した際に見学する機会を得た、エアバス A320ファミリー最終組立工場の様子をお伝えする。

 エアバスにとって、本社のあるフランス・トゥールーズに次ぐ規模を持つのがハンブルク工場。3.7km 2 の敷地に約100施設を有する。エアバス A380型機の構造組み立て工場があることは以前にお伝えしたが(関連記事「エアバス・独ハンブルク工場でA380型機の構造組立ラインを見学してきた。ANA向け3号機の胴体も」)、ハンブルク工場は、同社最多の販売機数を誇るエアバス A320ファミリーの製造拠点としての役割が大きい。構造組立から最終組立までがハンブルクで行なわれている。

 A320ファミリーの最終組立ラインは4ラインを有し、A318型機、A319型機、A320型機、A321型機の各シリーズにフレキシブルに対応できる。大きく「胴体の結合」「主翼とランディングギアの取り付け」「垂直/水平尾翼などの取り付け」「システムや機内装備の一部の取り付け」の4工程が進められている。

 最終工程を経た機体は、続いて塗装工場へと移される。2日ごとに1機の割合で最終組立工場から出て行くという。1機が出たら、各工程の機体を次の工程へと、順に各2時間かけて移動させる。ランディングギアが取り付けられる前の機体はクレーンで持ち上げて移動しているそうだ。

エアバス A320ファミリーの最終組立工場。4ラインあるうちの1ライン
A320ファミリーの特徴
各地の工場で作られた部品がハンブルク工場に集められ、組み立てられる
最終組立ラインの4工程
エアバス A320ファミリーの最終組立工場内
手前から3つの主翼が見えるが、その奥で胴体を結合する最初の工程が行なわれている
最奥部で胴体を結合する工程が行なわれている
主翼の結合部
最後の工程でシステムの取り付けが行なわれる
こちらは特別輸送機「ベルーガ」で運ばれてきた部品を降ろすエリア
船便で送られる部品も多く、見学時には、フランスのスタードで組み立てられた垂直尾翼が運ばれてきていた