ニュース
ANAのA380をテーマパーク化する「レストラン FLYING HONU」に行ってみた。機内見学と国際線機内食でハワイ気分!
2021年6月28日 15:30
- 2021年6月26日 開催
ANA(全日本空輸)は6月26日、成田国際空港で「レストラン FLYING HONU」を開催した。
新型コロナウイルスの影響で空港に駐機中の国際線機材を活用して、旅気分を感じてもらいたいと企画したもの。実際に国際線で提供するサービスや食事、そして2019年5月24日にハワイ・ホノルル線に投入した総2階建てのエアバス A380型機「FLYING HONU」の機内見学が楽しめる。
すでに5月に3回開催しており、920名が参加。ファンイベントでは450名参加と好評を博しており、6月は26日と27日、7月は3日と18日に実施予定。料金はファーストクラスが5万9800円、ビジネスクラス2万9800円。プレミアムエコノミー1万3800円、エコノミークラスは9800円。
ANAブルーがまぶしい! ハワイの空をイメージした1号機の機内をじっくり見学
「レストラン FLYING HONU」として設定されたのはNH2029便。機材はエアバス A380型機。機内見学は美しいANAブルーのホヌが描かれたハワイの空をイメージした1号機(登録記号:JA381A)だ。今回の参加者は約209名だが、クラスごとに密を避けて見学できるよう少人数制を導入。1回15名ずつ機内へと向かい、約30分ほどかけて各クラスごとじっくり巡る。フルフラットのベッドに横になったり、シートまわりの装備の動作を試したりと、座席のこだわりを堪能できた。
まずは機内のメインデッキへ。1階すべてがエコノミークラスとなっており、その眺めは壮観。全383席で後方60席のカウチシート「ANA COUCHii」が最大の特徴。見学会では、実際にセットされたカウチシートを体験できた。
4席分のベッド化のサイズ感は想像以上。ベッドマットはファーストクラス、枕はビジネスクラスのものと同一だ。
続いては、通常はCAのみが使用できるデッキ後方の階段を使ってプレミアムエコノミークラスへ。こちらは全73席。
シートピッチは38インチ(約96.5cm)で広々。前方と窓側の独立した小物入れがポイント。かなり深めなので収納力も抜群。フライト中にごちゃごちゃしがちなシートまわりもすっきりだ。フットレストとレッグレストも装備し、長時間フライトも比較的ラクに過ごせる。
そのままビジネスクラスへ。全56席のシートはパートナーとの旅にうれしいペアシートがポイント。大きめのサイドテーブルで開かれた空間ではあるものの、しっかりとプライベートが守られる。
もちろんフルフラットのベッド仕様になる。アメニティは「フレッドシーガル」とのコラボ。
ラストは8席のみのファーストクラス見学。扉を閉めるととても落ち着く空間ができあがる。西川製の寝具はふんわり寝心地も抜群。ANAオリジナル「グローブトロッター」ポーチには「ザ・ギンザ エッセンスエンパワリングセット」が入っている。
見学者からは扉を閉めた際の印象を「和風の空間、お座敷にいるみたい!」の声も。また、到着時に身だしなみチェックで使えるミラーや、向かい合わせて座れる仕様に、プライベートを確保する可動式パーティションについても「使いやすい!」と評判だった。
シート見学後はラバトリーや授乳・着替えに利用できる多目的ルーム、各種バーカウンターなどもチェック。なお、参加者らは積極的にシートを体験しており、記念撮影などを楽しんでいた。スタッフの解説を聞きながら次のハワイ旅行時のシート選びの参考となる時間を過ごすことができたようだった。
機内食はハワイの海をイメージしたエメラルドグリーンの2号機で
機内見学後は、エメラルドグリーンのハワイの海をイメージした2号機(登録記号:JA382A)へ移動。こちらではラグジュアリーなハイクラスメニューからハワイを彷彿させる機内食を堪能することができる。搭乗時にはCA、シェフ、整備士らがお出迎え、記念撮影やコミュニケーションを楽しんでいた。
今回提供したメニューは、ファーストクラス(洋食)のアミューズが「ナッツチリパイスティック」「帆立と青さの柚子胡椒風味」「島どうふのファルシを詰めたシュー」「砂肝のコンフィとうずらの卵のピクルス」。アペタイザーは「スコティッシュサーモンのフリボリテ トマト、オレンジのマーマレード キャビアとともに」「ポテトとメロンのヴィシソワーズ イベリコ豚の生ハム添え」「スモークメカジキとビーツのガトー仕立て レモングラスとゴートチーズのソース」からお好みで1種。
メインディッシュは以下3種から事前にオーダー。「和牛フィレ肉のグリル ローズマリーとたまり醤油のソース」。「太刀魚の重ね焼き トマトクリームソース コリアンダー風味」「あぐー豚のじゃが芋包み焼き シェリーエストラゴンソース」をラインアップ。ブレッドセレクションは「バゲット」「フォカッチャ」「熟成カンパーニュ」「バジルペッパーブール」。
デザートも「桃のグラニテ ココナッツソース」「ドゥーブルフロマージュ メランジュソース添え」「タルトトロピック」から1種が味わえた。
ファーストクラスの和食はアペタイザーは洋食と同様。先附が「くらげ野菜和え」。前菜は「トマト釜鱧子ゼリー寄せ」「スモークサーモンズッキーニ盛り」「稚鮎山椒南蛮漬け」「スパム海苔巻玉子」「合鴨無花果 胡麻味噌」。お椀として「牛肉煮麺」、お造り「本鮪中トロ・カンパチサラダ造り おろしポン酢ドレッシング」も。炊き合わせは「子持ち蝦蛄奉書巻き、水茄子と南瓜の炊き合わせ」。小鉢「鯵繊野菜求肥巻き 黄味酢」。主菜は「賀茂茄子田楽と鰻蒲焼」となっている。ご飯と味噌汁、香の物が付属。甘味は洋食と同様。
ビジネスクラスも和食・洋食からチョイス。ワントレイでゆったりとした時間を
日本発のハワイ線ビジネスクラスの機内食は、到着後の現地での行動を考慮した「コンパクトなサービス」がポイント。そのため早めに回収し利用者の休息時間を多く確保できるよう、ワントレイでの提供となっている。今回のレストランでもコンセプトはそのまま。
和食のアペタイザーは「ナッツチリパイスティック」「トマトのピクルスとチーズ ハーブオイル」「キッシュ 大葉ソース」。前菜は「汲み上げ湯葉 雲丹 鼈甲餡」「冷たいトマトのおでん 海月胡麻酢和え」「煮鮑・もろ胡瓜・玉蒟蒻の串打ち」「穴子の蒲焼 枝豆 ごぼう豚肉焼き」。小鉢が「サーモン焼霜造り 平目昆布〆棒造り」「翡翠茄子 南瓜 海老 とうもろこしすり流し」。
主菜は「牛肉しぐれ煮 鯖一汐焼き」、ご飯と味噌汁、香の物も。デザートは「ピエール・エルメ・パリ」による「エモーション エトネ (トロピカルフルーツのジュレ、ダコワーズココ、バジル風味のマンゴー・パイナップル・キウイ、ココナッツのムース、ローストココナッツ)」。
続いて洋食はアミューズは和食同様。アペタイザーは「鴨のスモークとエビのサラダ いちじくのコンポート添え」。メインディッシュは「牛フィレ肉のステーキ ベルシーソース」「甘鯛のポワレ シリアルのリゾットと生姜の香るクリーミーソース」「穀物のガレットとマッシュルームデュクセル カレー風味のトマトクーリ」から1品。ブレッドは「バケット」「フォカッチャ」。デザートは和食と同じだ。
プレエコは陶器製の器でワンランク上を演出。エコノミーはハワイの風を感じるメニュー
プレミアムエコノミーは和食洋食の2種類から事前に注文。前菜は「茄子と蟹のサラダ バジルソース」。メインディッシュは「鰻蒲焼き」または「アジアンチキンライス」。ブレッドは「ソフトフランス」。スナック「フライドパスタスナック、チーズ、クラッカー」。デザートは「ハーゲンダッツ バニラ、フルーツ」にミネラルウォーターが付属。陶器製の食器に盛られた食事は今までのプレエコの常識を覆すほど。ビジネスクラスメニューのようなワンランク上の印象だ。
エコノミークラスはまさにハワイなメインディッシュがポイント。前菜は「ヘルシーサラダ」、小鉢は「中巻き、枝豆」「ミックスサラダ」と続きメインディッシュは「ビーフハンバーグステーキ ロコモコ風」。ブレッドは「ソフトフランス」。スナック「おつまみ、チーズ、クラッカー」。デザートは「ハーゲンダッツ バニラ」にミネラルウォーター。
なお、機内ではトップシェフやパイロット、CA、整備士らによるエアバス A380型機にまつわるクイズビデオを上映。燃料やCAに関する難問も出題。ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)支店からのメッセージビデオでは、現地のお勧めショップなど、ハワイ滞在で役立つ情報を紹介。そろそろハワイ旅行へ行きたい!と旅への気持ちをグッと押してくれる言葉が並んだ。
レストランと機内見学後は、到着ロビーでサプライズなお出迎え!
エアバス A380型機の見学と機内食を楽しみハワイ気分で到着ロビーへと降り立つと「Lani(ラニ)」「Kai(カイ)」とともに「Lā(ラー)」が乗客をサプライズでお出迎え。記念撮影やコミュニケーションをしたりとひとときの交流が楽しめた。また、スタッフによるスーベニアのプレゼントも実施。ANAの刻印入り特製どら焼きやトートバッグ、クラス別に各種アメニティなどが入っており、帰宅後もハワイ旅を感じられるセットだった。
今回のイベントに参加したファミリーに話を伺ったところ「普段近くで見ることが難しく、空港を訪れても展望デッキから遠くに眺めることができませんでしたが、今回FLYING HONUを大迫力で見ることができ大満足です」「家族全員FLYING HONUが大好きなので来てよかった!」「コロナ禍の今だからこそできた貴重な体験。機内食も美味しかったです」「また乗りたい!」「サンセットオレンジの3号機が来るのが待ち遠しい。早く来てほしいです」などと笑顔で話してくれた。
企画を担当したANA 成田空港支店 総務部の小林恵美子氏は、「毎日職場から飛ばない機材たちを見るなかで、なんとかこのような状況下でもお客さまに楽しく過ごしていただきたいと企画を立案しました。もともと飛行機は飛んで楽しい存在ですので、飛ばない状態でどれだけ満足できるかを探求して、結果的にテーマパークのように人気のFLYING HONUで1日かけて遊べるよう見学と食事を組み合わせました。
見学時も通常はCAのみ利用可能な場所を使い、機内に入る際もボーディングブリッジではなく、あえてタラップで機材の大きさを感じられるように。そして2機を並べて、いろいろな場所から撮影できるようにしました」と話してくれた。
なお、ANAは8月9日から約1年4か月ぶりにA380型機をホノルル線へ再投入する。「企画がスタートした2020年9月の時点では具体的な定期便再開の日程は未定でしたが、いつか必ず再開すると考え、そのためにもと本企画をスタートしています。実際に8月9日、13日の復便が決まり、社員も久しぶりにハンドリングができると盛り上がっております。また、このイベントがハワイ旅行のきっかけになればうれしいですし、ぜひホノルル線ご利用の際にはFLYING HONUに乗っていただきたいですね」とのことだ。