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JALのエアバス A350機内は「日本の伝統美」がテーマ。全クラスを一挙刷新したシートの特徴を紹介
2019年6月21日 06:00
- 2019年6月20日 実施
JAL(日本航空)は6月20日、6月14日に日本に到着した新規導入機材、エアバス A350-900型機の機内仕様お披露目会を、羽田空港の同社格納庫で実施した。本稿ではクラス別に座席を紹介していく。
客室は、幹線向けの新機材として新たなコンセプトでデザインを設計。英tangerine(タンジェリン)の監修のもと、日本の伝統美をテーマに全クラスで座席を一新したことはセレモニーのレポート「JAL、エアバス A350型機の機内お披露目セレモニー実施。赤坂社長『今後の国内線サービスは新仕様をベースに』」でもお伝えした。
これまでに、ファーストクラス12席、クラスJ 94席、普通席263席の計369席といった席数や、全席にシートモニター、AC電源、USB電源を備えることは発表されていたとおり。以下、詳細を紹介していく。
プライベート感のある本革シートのファーストクラス
ファーストクラスは2-2-2の6アブレストが2列で計12席。シートピッチは53インチ(約135cm)、座席幅は約51cmの仕様。エリア全体は黒を基調とした配色となる。
シートはジャムコと共同開発したもので、クッション性の高い本革張りのシートに、電動で操作可能なリクライニングならびにレッグレストを装備。振動により背中や太ももをマッサージしてくれる機能も備える。
両窓側、中央に2席ずつのレイアウトとなるが、それぞれの中央には開閉可能なディバイダを備えており、外側をゆるやかに覆うシェルとともにプライベート感を高めている。
電源はユニバーサルタイプのAC電源とUSB電源を一体化したユニットを、手前のコンソール内に装備。シートモニターは15.6インチで最前列はバルクヘッドに埋め込み。タッチ操作も可能だが、コンソール部にコントローラも備えているので、画面までの距離が長めとなるファーストクラスではコントローラの利用頻度も上がるだろう。
「赤」が印象的なクラスJ。レッグレストや小物入れが魅力
クラスJは2-4-2の8アブレストで、ギャレーを挟む2エリア、計94席と現行のボーイング 777-200型機の82席から12席増加。シートピッチは38インチ(約97cm)、シート幅は約48cmの仕様となる。ファーストクラス、普通席と比べて、JALのコーポレートカラーである「赤」が際立つエリアとなる。
シートはレカロ製。セレモニーのレポート記事でも触れたとおり、これまでのボーイング 777/767/737型機のクラスJは革張りだったが、A350では背もたれがファブリック素材となり、赤基調といっても刺激の強い赤ではない。また、アームレストの高さを境に、座面寄りにはグレーを配色している。
レッグレストは角度を調整しやすい新機構を採用。フレキシブルアーム付きの読書灯も備える。シートモニターは11.6インチで、最前列席はバルクヘッドにモニターを埋め込んで設置。手元のコントローラも装備する。
収納は多く、前方足元のシートポケットやアームレスト内側の雑誌入れ、さらに2列目以降の席ではシートモニターの下に小物入れを用意する。小物入れは底が浅く、スマホなども置きやすい。各席にハンガーフックも備えている。
電源は、シート手前のアームレスト下にユニバーサルAC電源、シートモニター下にUSB電源を装備する。
余裕の座席幅、柔軟な高さ調整が可能なヘッドレスト装備した普通席
普通席は3-3-3の9アブレスト。エアバス A350型機だと10アブレストも可能な横幅だが、座席幅約41~44cmのゆったりしたシートで9アブレストに抑えている。シートピッチは31インチ(約79cm)。座席数は263席で、ボーイング 777-200型機の279席から16席削減している。
普通席は3クラスのなかでも、JALのコーポレートカラーである「赤」がもっとも抑えられたエリアとなっており、シートポケットの上縁にアクセントとして使われている程度となっている。
シートはレカロ製。クラスJ同様に従来のJAL SKY NEXT機材では革張りだったのに対し、背もたれにファブリック素材を採用。アームレストを境にグレーのトーンが変わるバイカラーで、背もたれの幅をより広く見えるようにしていることはセレモニーのレポート記事で紹介したとおりだ。
可動タイプのヘッドレストを備えたことも特徴。上下の移動幅が大きく、かつ多段階でポジションを調整しやすい。ちなみに普通席もすべてヘッドレストカバーは合皮製で、従来の不織布に比べて落ち着きのある雰囲気を醸し出している印象を受ける。
シートモニターは10インチ。電源はシートモニター下にUSB電源を備えるほか、ユニバーサルAC電源もシートモニターの下に備えている(最前列席はシート手前下部)。
シートテーブルはレバー式のロックではなく、ラッチ機構を用いたもの。閉じた状態でも利用できるカップホルダーを備える。シートモニター下にはクラスJのように小物が入りそうなスペースがあるが、こちらは底が深いため「書籍専用」となっていた。収納はシートポケット、ハンガーフックなど備えている。