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JAL、国内線向けボーイング 787型機を公開。機内は「日本の伝統美」テーマに。10月27日運航開始

2019年10月16日 公開

2019年10月27日 就航

JALが10月27日に就航する国内線向けのボーイング 787-8型機を公開

 JAL(日本航空)は10月16日、10月27日に就航する国内線向けのボーイング 787-8型機を報道関係者に公開した。

 JALはこれまでボーイング 787-8型、787-9型機を国際線で運航しているが、10月27日から国内線にも導入する。

 この導入にあたり、機内を国内線仕様にデザイン。9月1日に就航したエアバス A350-900型機と同じ「日本の美意識とJALブランドの表現」をテーマにしたものを導入した。

 エアバス A350型機の機内を公開した際、同社代表取締役社長の赤坂祐二氏は「(エアバス A350型機内の)コンセプトやサービスは、これをベースに順次新しいものに変えていきたい」と話していたとおり(関連記事「JAL、エアバス A350型機の機内お披露目セレモニー実施。赤坂社長『今後の国内線サービスは新仕様をベースに』」参照)、国際線のボーイング 777-300ER型機の機内インテリアも同様のデザインコンセプトへとリニューアルを進めており、徐々に新たなコンセプトが広がっている格好だ。

 国内線向けボーイング 787-8型機は、機体そのものは国際線向けと同じで、ランディングギアの強化などの特別仕様も盛り込んでいないという。機内エンタテイメントサービスもエアバス A350-900型機と同じで、唯一、機外カメラを利用できない点のみが異なる。

 機内Wi-Fiインターネットサービスも国際線のボーイング 787型機や、エアバス A350-900型機と同じくPanasonic Avionics製を採用している。もちろん国内線運航時は無料でインターネットを利用可能だ。

 JALでは、今回公開した初号機となる登録記号「JA846J」を皮切りに国内線向けボーイング 787-8型機をまずは4機保有。10月27日の羽田~伊丹線で就航し、12月20日からは羽田~福岡線へと運航を拡大していく方針を示している。

10月27日~11月30日のボーイング 787-8型機運航便

JAL107便: 羽田(08時30分)発~伊丹(09時35分)着
JAL117便: 羽田(12時30分)発~伊丹(13時40分)着
JAL127便: 羽田(16時30分)発~伊丹(17時35分)着
JAL112便: 伊丹(10時30分)発~羽田(11時35分)着
JAL120便: 伊丹(14時30分)発~羽田(15時30分)着
JAL130便: 伊丹(18時30分)発~羽田(18時30分)着

 以下、クラス別のシートなどを順に紹介していく。基本的にはエアバス A350-900型機で採用されているものと同一なので、「JALのエアバス A350機内は『日本の伝統美』がテーマ。全クラスを一挙刷新したシートの特徴を紹介」や、「新シートと静かな機内を体験。就航目前のJAL エアバス A350に乗ってみた」も併せて参照することで、より詳細にイメージしていただけると思う。

JALの国内線向けボーイング 787-8型機のシートマップ。座席数はファーストクラス6席、クラスJ 58席、普通席227席の計291席

ファーストクラス

ファーストクラス。6席を用意

 最前方に1列、2-2-2の6アブレストで6席を備えるファーストクラス。黒を基調とした革張りの広々としたシートが特徴で、国内線向けながら電動リクライニング/レッグレストを装備。背中や太ももをマッサージするバイブレーション機能も備えている。

 2席ずつが1ユニットとなった座席だが、中央には大きめのディバイダー(仕切り板)を備えており、通路側の頭部のシェルデザインと併せて、シートに腰掛けたときには高いプライベート感を持つ。

 手元にはAC電源やUSB電源を装備するほか、小物収納可能なポケットも装備。シートモニターは15.6型となる。

ファーストクラスの最前方から後方を見た様子。クラスごとに通路の位置が異なるのが分かる
ファーストクラスシート
ファーストクラス後方からの様子。15.6型のシートモニターはバルクヘッド(前方の仕切り板)に装備
通路側は頭部を覆うシェルデザインとなっているほか、2席の間には開閉式のディバイダーを備えることでプライベート感を高めている
シート手元のコントローラなど
電動リクライニングのコントローラ
機内エンタテイメントサービスのコントローラ
小物収納ポケットとAC電源、USB電源、ヘッドフォンジャック
頭部に読書灯
アームレストに収納されているテーブル。反対側のシートとの2点で支えるので安定感が高い

クラスJ

クラスJ。58席を用意

 クラスJは2-3-2の7アブレストで、58席を装備。L2ドア(機体左側/前方から2番目のドア)を挟んで2エリアに分かれている。シートピッチは約97cm(38インチ)。

 赤を基調としたデザインが特徴で、背もたれの下方から座面にかけてグレーにすることでシート幅が広く見える視覚的な効果を生みだしている。

 シートには調整可能なヘッドレストに加え、レッグレストも装備。フレキシブルアーム付きの読書灯も備える。シートモニターは11.6インチで、2列目以降の座席の場合は、シートモニターの下にスマホなどを置ける収納ポケットを用意している。

 電源はアームレストの下にAC電源、シートモニターの下にUSB電源を装備。最前列座席のみ、AC電源とUSB電源を一体化したユニットを搭載している。

クラスJ(前方エリア、5~9列目)
クラスJ(後方エリア、15~18列目)
クラスJ後方から。シートモニターは11.6インチで、最前列席は2エリアともバルクヘッドに埋め込みとなる
クラスJシート
ヘッドレストの調整が可能
フレキシブルアーム付きの読書灯
シートテーブルはアームレスト内に収納
サイドテーブルの下に、機内エンタテイメントサービスのコントローラと、リクライニング/フットレストのロック
座席前方の様子(2列目以降
シートモニターの下にスマホなどを収納できる小物入れ
足下のシートポケット
シートモニター下のUSB電源
最前列座席のみAC電源とUSB電源を一体化したユニットとなる

普通席

普通席。227席を用意

 普通席は3-3-3の9アブレストで291席を用意。通路を挟んで2エリアに分かれている。シートピッチは約79cm(31インチ)で、座席幅は約43cmとゆったりしているのが特徴。2種類のグレーを用いて、クラスJ同様にバイカラーとすることで、より横への広がりを感じる視覚効果を用いている。

 ヘッドレストが調整可能な点や、普通席にも全席シートモニター、AC電源、USB電源を備えるなど、あらゆる点でエアバス A350-900型機と同様。ヘッドレストカバーも不織布ではなくレザー調の素材を用いている。

 シートモニターは10インチ。シートモニターの下にUSB電源を備える。最前列は足下、2列目以降は前方のシートテーブル近くに備える。最前方列は足下に装備。

 シートテーブルは2段階に折りたためるもので、ラッチ機構となっているので取り出しやすい。シートテーブルを閉じた状態で利用できるカップホルダーも備える。

普通席
普通席後方から。シートモニターは10インチ
調整可能なヘッドレスト
シートモニター下に書籍収納ポケット
AC電源
足下のシートポケット
シートテーブル
シートテーブルを閉じた状態で利用可能なカップホルダー
45列目のA/B/C席とH/J/K席のみ、シートモニターとシートテーブルをアームレスト内に収納。ほかの座席と仕様が大きく異なる

その他

L2ドアから機内に入ると大きな鶴丸がお出迎え
ボーイング 787-8型機なのでウィンドウシェードは電動
CA(客室乗務員)が利用するジャンプシートに、“真っ白”といえる色合いを採用
最前方ギャレー。ファーストクラスの機内食向けにオーブンなどを備える
クラスJのギャレー
普通席最後方のギャレー
JALの国内線向けボーイング 787-8型機として初号機となるのは、新造された「JA846J」
機体前方
GE Aviation製エンジン
垂直尾翼
L2ドアからの後方の眺め
L2ドア入口のラベル
機内Wi-Fiインターネットサービス用の衛星通信アンテナを収納するレドーム
ノーズギア
メインギア
メインギア。国内線機材、国際線機材の間でランディングギアに差はないという