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羽田空港着陸や格納庫へのプッシュバックシーンも紹介。JAL、エアバス A350初号機・日本到着イベント

「未来の飛行機」「機内が大変静か」と担当機長

2019年6月14日 到着

2019年9月1日 就航

JALのエアバス A350-900型機の初号機が羽田空港に到着した

 JAL(日本航空)は6月14日、羽田空港(東京都大田区)において、エアバス A350-900型機の初号機(登録記号:JA01XJ)到着イベントを実施した。

 同機はエアバス本社や工場のあるフランス・トゥールーズを現地時間6月13日に出発。フェリーフライト(JL8102)を経て、6月14日7時46分に羽田空港B滑走路に着陸。同56分にJALメインテナンスセンター2前の駐機スポットに到着した。

 その後、トーイングカーによって格納庫内へと移動。JAL 代表取締役社長の赤坂祐二氏をはじめ多くの同社社員が見守るなか、代表取締役会長の植木義晴氏とともに、フェリーフライトを担当した機長の宮下篤氏と仲本大介氏が機内から現われ、拍手で迎えられつつタラップを降りた。

B滑走路遠方に初号機が現われる
スカイツリーをバックに着陸態勢に
7時46分にタッチダウン
駐機スポットへ
7時56分にスポットイン
社員が出迎える
正面
コックピットまわり
A350型機の特徴となる曲線を描いたウイングレット。グラデーション塗装が施される
エンジンはロールスロイスの「Trent XWB」を搭載
格納庫前に並ぶJALの主力機。手前からエアバス A350型機、ボーイング 777型機、ボーイング 787型機
トーイングカーで格納庫内へ
トーイングカーで格納庫内へ移動するJALのエアバス A350型機
タラップを設置
ドアを開放
笑顔の植木氏が登場
左から機長の宮下篤氏、植木義晴氏、同じく機長の仲本大介氏
植木氏から赤坂氏へログブックが手渡された

 到着イベントではまず赤坂氏が登壇。2013年10月にA350型機の導入を決定して以来、「5年8か月、社員一同、この飛行機を迎えることを心待ちにして入念な準備を行なってきた」と前置き。低燃費、低騒音、広い客室空間を持つとともに、安全性、整備性においても極めて優れた飛行機であると確信しており、「9月からの羽田~福岡線を皮切りに、皆さまにご提供させていただきます」と自信を見せた。

 また、イベント開始前に植木氏からログブック(航空日誌)を手渡されたことに触れ、同機は紙のログブックを使わない国内初の飛行機となると説明しつつ「(ログブックとは)何十年も付き合ってきたが、元機長の植木会長から手渡されるのはうれしい」と、整備畑出身の赤坂氏らし感想を笑顔で述べた。

エアバス A350型機を前に赤坂氏があいさつ
ログブックを手にする赤坂氏

 続いて社長時代にエアバス A350型機導入を決めた植木氏は、「6年前の決断は正しかった。その自信を持って羽田に帰ってくることができた」とコメント。2012年2月に社長就任、同7月から後継機選定を開始、2013年10月に導入発表と極めて短期間であり、加えて脱ボーイングとなるエアバス機採用という難しい決断を迫られたなかで、間違いのない選択をしたとの意向を示した。

 また、機内に関しても「趣向を凝らしてJALらしさを表現」できていると高評価。今回の到着イベントでは機内の公開はされなかったが、「(機内)中央にあるハットラックに新しい工夫をしてある」と紹介した。

6年前の決断は正しかったと植木氏

 フェリーフライトを担当した2名の機長はエアバス A350型機について、宮下氏は「大きな飛行機だが、パイロットの要求に機敏に反応してくれる。エアバスのサイドスティックは初めてだが、まったく違和感がなかった」と、仲本氏は「翼端まで鳥のような翼を持った飛行機。空力的にも非常に優れており、性能のよい機体なのでその分燃費がよくなっている」と、こちらも同じく高評価。

 また、今回のフライトでは一部サトウキビを原料としたバイオジェット燃料を使用したものの、「通常のジェット燃料と変わらず使用できた」(仲本氏)とコメント。今後の普及に期待したいと述べた。

宮下氏は「未来の飛行機」と印象を述べた
「機内が大変静か」と仲本氏
エアバス A350型機の前で記念写真
イベント終了後に社員からの握手攻めにあう植木氏