ニュース

JAL、ボーイング 737の国内線クラスJに11月から新シート導入。A350や787に近いデザインに。普通席にもUSB

2020年10月26日 公開

JALはボーイング 737-800型機の国内線クラスJに新シートを導入する

 JAL(日本航空)は、国内線で運航しているボーイング 737-800型機のクラスJに、11月から新シートを導入する。10月26日に新シートが公開された。

 今回刷新するのは、ボーイング 737-800型機の登録記号「JA301J」から「JA323J」までの13機。この13機のクラスJには小糸製作所製のシートが使われているが、2009年に発覚したシートの性能試験の不備によりシートを変更。当局の指導で2021年7月までにシートを交換する必要があり、この期限までに順次、ZIM製シートへ切り替え。同様にボーイング 777型機の一部もクラスJシートを変更する。

 なお、ボーイング 737-800型機のJA324J以降の機体には、現HAECO Americas製のシートを導入しているため、今回の変更対象とはなっていない。

 ボーイング 737-800型機の本シート導入機は、JA323Jが最初の機体となり、11月から旅客便に導入。そのほかの対象機体も順次シートを変更していく。座席数やレイアウトは従来同様で、2-3の5アブレストを4列、全20席を装備する。

最初の新シート導入機となる登録記号「JA323J」の機体

 新たに導入されるクラスJシートはZIM製で、エアバス A350型機やボーイング 787型機などとデザインの親和性を持たせるべく、従来の黒中心の色合いは踏襲しつつ、ワインレッドをアクセントに使用。ヘッドレストカバーもワインレッドのレザー製に変更した。

 機能面は、現在求められる水準を鑑みた装備にしており、USB電源(Type-A/C各1ポート)、個人用の読書灯を装備。シートポケットもマチを広げたほか、ペットボトルなどを収納しやすいポケットや、アームレスト内側のUSB電源に近い場所にスマホを置けるスペースを設けている。

 テーブルは従来の折りたたみタイプから一枚板タイプへ変更。シート間にあるカクテルテープルは、紙コップが安定し、隣席とも干渉しにくいデザインとなった。

 シートピッチは従来と同じ約102cm(40インチ)。リクライニングのほか、レッグレストを装備する点も従来同様だ。ヘッドレストは上下移動と、左右の角度調整が可能となっている。

ボーイング 737-800型機の新クラスJ
ボーイング 737-800型機の新クラスJ
通常のシートポジション
リクライニング&レッグレストを出した状態
前席がリクライニングした状態
テーブルは一枚板に
アームレスト内に収納されている
12.5型のノートPCを置いた状態
センターコンソール(アームレスト)内側でリクライニング&レッグレストを調整
USB電源は各席にType-A、Type-Cを各1ポート備える
センターコンソール(アームレスト)内側にスマホや雑誌などを収納できる
カクテルテーブルはフラットな板ではなく、紙コップに合わせた形状に。隣席との干渉も避けられるデザイン
ヘッドレストは上下と左右の角度を調整可能
シートベルト
フリーストップのアームが付いた個人用読書灯
ハンガーフック
車椅子用に通路側のアームレストを下げることが可能に。今回の刷新でJALは全機がこの仕様になる

 このほか、本シートを搭載したボーイング 737-800型機では、普通席にもUSB電源を装備。クラスJでは1シートにつきType-A/Cのワンペアを1ユニットずつ備えるが、普通席は3席に1ユニット(3席につきType-A×2、Type-C×2)の構成となる。

普通席
普通席
普通席にもUSB電源(3席につきType-A×2、Type-C×2)を搭載。最前列は足下手前、2列目以降は前席の足下に備えている