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ANA、卓球&いけばな体験など羽田空港で東京オリンピック2年前イベント。「ミライトワ」「ソメイティ」も登場

次世代を応援する「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~」も開始

2018年7月28日 実施

ANAは7月28日に羽田空港 国内線第2旅客ターミナルで東京2020オリンピック・パラリンピック2年前イベントを開催するとともに、新たな取り組みを紹介する発表会を実施した

 ANA(全日本空輸)は7月28日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開幕を2年前に控えて、羽田空港で卓球や華道の体験会イベントを実施した。また、7月24日~9月6日に羽田空港 国内線第2旅客ターミナル内を特別装飾している。

 2020年7月24日の東京オリンピック開幕を2年前に控え、東京都や東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が7月24日~9月6日の期間に「2 Years to Go!」のスローガンを掲げて、さまざまなキャンペーンを展開している。オフィシャルエアラインパートナーであるANAもこれに合わせ、羽田空港を中心にさまざまな取り組みを行なっている。

「2 Years to Go!」のキャンペーン期間である7月24日~9月6日には、羽田空港の国内線第2旅客ターミナル2階出発ロビーに、開幕2年前を記念した特別装飾を実施。ANA所属またはANAがサポートする競泳の瀬戸大也選手や、車椅子テニスの国枝慎吾選手が躍動するポスターを掲示している。

東京オリンピック・パラリンピック2年前のスローガン「2 Years to Go!」と、競泳の瀬戸大也選手、車椅子テニスの国枝慎吾選手が躍動する様子を写した横断幕で羽田空港 国内線第2旅客ターミナルの2階出発ロビーを装飾
競泳の瀬戸大也選手(左)、車椅子テニスの国枝慎吾選手(右)の横断幕は、第2旅客ターミナル北ウイング(保安検査口A/B側)に掲出
北ウイング(保安検査口A/B側)に掲出している「2 Years to Go!」の横断幕
南ウイング(保安検査口C/D側)に掲出している「2 Years to Go!」の横断幕

 また、7月22日に発表された大会マスコットキャラクター「ミライトワ」「ソメイティ」を描いた特別塗装機の運航も予定。就航は2018年10月以降を予定しており、国内線で順次運航を開始する。

 ANAは現在、ともにオフィシャルエアラインパートナーを務めるJAL(日本航空)との共通デザイン機として、「心をひとつに!! 行こう2020」のメッセージを描いた特別塗装機を5機運航しているが、その機体のうち4機(ボーイング 777-300型機、777-200型機×2機、767-300型機)に、マスコットキャラクターを描いたデカールを追加貼付して運航する計画となっている。

 このほか、7月24日~8月25日に千葉県が実施するオリンピック・パラリンピック2年前イベント「CHIBA にオリンピック・パラリンピックがやってくる!」にも協力している(関連記事「千葉県、オリンピック2年前イベントを成田空港で実施。政府専用機モデルプレーンが当たる『チーバくんからの招待状』イベントなど展開」)。

7月28日に羽田空港で開かれたANAの新たな取り組みの発表に合わせ、国内線第2旅客ターミナルに大会マスコットキャラクターの「ミライトワ」と「ソメイティ」が登場

次世代のアスリートやアーティストのチャレンジをサポートする「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~」

次世代の若者を支援する「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~」をスタート

 ANAでは、この東京オリンピック・パラリンピックに向け「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~2020を、みんなの滑走路にしよう~」とのキャッチコピーを掲げて、さまざまな取り組みを展開しているが、7月28日には新たな取り組みも発表した。

 それが、「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~」で、世界に挑戦するアスリートや、世界に対して日本を発信し、未来を切り拓く可能性を秘めたアーティストなど、スポーツや文化・芸術の各分野において才能あふれる人材のチャレンジをサポートするもの。その第1弾として、3つの取り組みに対するサポートを表明した。

 文化・芸術の分野では、まず華道家元池坊が主催する高校華道部による公開コンクール「Ikenobo 花の甲子園」をサポートする。日本を代表する伝統文化であるいけばなを世界に広め、普及・発展させることを目的に華道家元池坊主催で2009年から開かれているもの。2018年で10回目の大会となる。

 同じく文化・芸術の分野では、東京藝術大学音楽学部が主催し、将来、国際舞台で活躍できる音楽家を早期に、かつ継続的に育成するために、日本各地で同大教授陣によって小中学生を指導する特別公開レッスン「早期教育プロジェクト」もサポートする。

 スポーツの分野では女子プロゴルファーの三浦桃香選手をサポート。攻めるゴルフを信条とする豪快なショットが魅力の19歳の選手で、近い将来、世界の舞台での活躍が期待されている。

7月28日には羽田空港で「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~」の発表会を実施。全日本空輸株式会社 代表取締役 副社長 志岐隆史氏(中央左)と、華道家元池坊 次期家元 池坊専好氏(中央右)が取り組みを紹介した

 7月28日には、羽田空港 国内線第2旅客ターミナル2階出発ロビーで、この取り組みの発表会が行なわれた。

 発表会に登壇したANA 代表取締役 副社長 志岐隆史氏は冒頭、ボーイング 787型機のエンジン点検に伴う国内線の欠航について謝罪。「安全を最優先に配慮した措置。引き続き安全運航の確保に万全を尽くしたい」と理解を求めた。

 続いて、東京オリンピック・パラリンピック2年前イベントについて上述の内容を説明。併せて、同日午後に開かれる羽田空港でのイベントについて言及し、「搭乗前のひとときに、ご家族やお友達と一緒にご参加いただければ」と呼びかけた。イベントの内容については後述する。

 そして、今回の新しい取り組みである「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~」について紹介。「ANAではスポーツや文化には世界や未来を支える力があると信じ、東京2020オリンピック・パラリンピックを機に、日本、世界が、皆さまと一緒に飛躍する滑走路になるような活動を推進してまいりたい」との意気込みを示した。

全日本空輸株式会社 代表取締役 副社長 志岐隆史氏

 その「HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~」でサポートするプログラムの1つである「Ikenobo 花の甲子園」を主催する華道家元池坊の次期家元 池坊専好氏もあいさつ。「2017年は戦国時代を舞台に池坊専好が主人公となった映画『花戦さ』でANAに支援いただいたが、今年は現代、そして未来を作る、未来に生きる若き華道人を応援していただくことになった」と感謝を示し、「池坊は文献に記されてからも556年の長い歴史がある。文献に記される前を考えると本当に長い長い歴史になるが、どの時代も人が伝統を守り、人が現代を作り、人が未来を作ってきた。今回の『HELLO BLUE, HELLO FUTURE~次世代サポートプログラム~』で若い華道人たちを育てていただけること、応援できることは、まさに池坊の哲学とも合致している」と話した。

 2018年で10回目を迎えるIkenobo 花の甲子園については、「これまでで最高の162校を代表する生徒の方たちが集まり、3名一組でチームワークを結び、公開でいけばなの技と心を競い合う。折りしも日本は東京2020オリンピック・パラリンピックを控えている。日本の文化あるいは日本の国そのものに注目が集まるなかで、花の甲子園として地域を代表する若い高校生たちが地域の代表として、さらには決勝を迎え日本の代表として、大きな誇りと夢を持つこと、そしてその誇りと夢を持って、伝統文化のいけばなに表わされる日本の心を大きな翼に乗せて、日本に、また世界に発信していくことは、どれほど大きな意味があることかと理解いただけるのではないか」との意義を語った。

 加えて、「いけばなという日本の文化を発信することで、日本に来られる世界の方々との文化交流、日本のそれぞれの地域での文化の進展も期待される。このプログラムの支援を受けた若い子供たちが、これから文化をとおした世界平和の構築の一助となれば」との期待も示している。

 その後、司会者から東京オリンピック・パラリンピックに対する期待を問われると、「オリンピック・パラリンピックというとスポーツの祭典と思われる方が多いと思うが、文化の祭典でもある。文化によって国中を元気にしていこう、そして私たち一人一人を元気に、来られる方も元気にしていこうという主旨がある。いけばなは生活文化であり、日本中いろいろな地域で花を生けることが親しまれている。自然の花を生けることでおもてなしをし、そこに集まる方々のネットワークをつないでいく性格も持っている。あと2年という限られた、でも待ち遠しい期間のなかで、いけばなという伝統文化が持っている性格、本質、哲学を存分に発揮して、日本中を元気にし、日本に来られる方を“ようこそいらっしゃいました”という気持ちでお迎えできるような、温かい土壌ができるきっかけになれば」と、いけばなによるオリンピック・パラリンピックへの貢献に期待した。

華道家元池坊 次期家元 池坊専好氏

 発表会の会場には、東京2020オリンピック・パラリンピックをテーマに、華道家元池坊が2016年11月に結成した華道男子グループ「IKENOBOYS(イケノボーイズ)」によるいけばな作品「飛翔」も展示。天に昇る勢いを感じられるピンクと白のしだれ桑、ANAのイメージカラーである2種類の青いデルフィニウムを中心に生けられている。

 池坊専好氏は、「作品のなかにさまざまな花の材料が生けられている。植物はそれぞれ持っている個性も、命も、特徴も違う。オリンピック・パラリンピックはそれぞれの国を代表する選手が自分の能力を存分に活かして、多様ななかで輝きを出すというオリンピック・パラリンピックの精神をいけばなで表現した」と、作品に込められた思いを紹介した。

右から、華道家元池坊 次期家元 池坊専好氏、IKENOBOYSの加藤数馬さん、田中伸明さん、真壁弘典さん
「飛翔」

卓球体験会やいけばなワークショップを羽田空港で開催

7月28日には羽田空港 国内線第2旅客ターミナル2階出発ロビーで、卓球体験会といけばなワークショップを開催

 7月28日の午後には、同じく羽田空港 国内線第2旅客ターミナル2階出発ロビーで体験会を実施。「スポーツには世界と未来を変えるちからがある」という東京オリンピック・パラリンピックのビジョンとともに、日本の文化・芸術を世界に発信するアクションの一環として実施するもので、オリンピック・パラリンピックによるレガシー創出を図っている。

 実施されたのは卓球体験会といけばなのワークショップ。いずれかも参加者には、「Tokyo 2020 2 Years to Go!」と書かれたANA特製フライトタグがプレゼントされた。

参加者にプレゼントされたANA特製フライトタグ

 卓球体験会では、7月に行なわれた第88回全日本大学総合卓球選手権大会の団体の部でベスト8入りした法政大学卓球部をコーチに迎え、1回5分程度を目安に、ラリーの練習や、相手コートのエンドにコーンを立てての的当てなどを実施。シニアから子供まで幅広い人がチャレンジしていた。

 いけばなワークショップは、華道男子グループ「IKENOBOYS」が指導。真壁弘典さん、田中伸明さん、加藤数馬さんの3名が来場した。ちなみに田中さんと加藤さんは今年の7月7日に新メンバーとして加わったばかりだ。

 参加者は、吸水性スポンジを詰めた小鉢のような花器と、カーネーションやデルフィニウムなどの花が用意され、15分ほどをかけて生けていく。全体のイメージの作り方や、ほどよい長さへのカット、ちょっとした花の向きなどIKENOBOYSメンバーが都度アドバイス。こちらは家族や友達連れ、女性の参加が多く、同じ花を使いながらも違う表情が出てくるさまを見比べながら楽しんでいる様子だった。できあがった作品は持ち帰ることもできた。

コーチを務めた法政大学卓球部によるデモンストレーション
「初めての人でも大人の人でも誰でもどうぞ」と呼びかけ、実際にシニアから子供まで幅広い層が参加していた
いけばなワークショップでは、IKENOBOYSの3名が直接レッスン。ときに芸術的な視点、ときに具体的にと、さまざまな角度からアドバイスを送っていた
こちらは家族連れや友達連れ、女性の参加者が多く、笑顔で言葉を交わしながら楽しんでいる様子だった

 また、会場には競泳の今井月(いまいるな)選手と吉田冬優(よしだふゆ)選手も参加。両選手とも卓球は授業などで「やったことはある」とのことだったが、法政大学卓球部のコーチから「2人ともうまい」とアスリートならではのセンスを見せた様子。

 一方のいけばなは、両選手とも初めての体験。今井選手は「楽しい」、吉田選手は「難しい」と話しつつ、IKENOBOYSの田中伸明さんのレッスンを受けながら、思い思いの作品を完成させた。

 東京オリンピックでの活躍が期待される両選手。2020年に向け、今井選手は「あと2年しかないので1日1日を大切に、努力して、2020年によいパフォーマンスを皆さんに見せられるように頑張りたい」、吉田選手は「800mフリーリレーの代表となって東京オリンピックでは金メダルを目指して頑張りたい」と、それぞれ意気込みを語った。

東京オリンピックでの活躍が期待される競泳の今井月選手(写真左列)と吉田冬優選手(写真右列)も、卓球といけばなを体験