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16歳の松本朝陽さんがデザインしたANA特別塗装機「HELLO 2020 JET」が就航。競泳・瀬戸大也選手も見送りに
2018年1月30日 10:08
- 2018年1月29日 就航
ANA(全日本空輸)は1月29日、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて企画した特別塗装機「HELLO 2020 JET」を就航した。機材はボーイング 777-200ER型機(登録記号:JA741A)。その初便は8時20分羽田発、10時20分福岡着のNH243便として運航された。
「HELLO 2020 JET」は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルエアラインパートナーでもある同社が、大会の成功を願って実施した「機体デザインコンテスト」で図案を公募したもので、2016年10月~11月の募集、2017年4月のデザイン発表を経て、この日の就航に至った。なお、1月27日に塗装完了(関連記事「ANAの特別塗装機『HELLO 2020 JET』が伊丹空港でドックアウト」)、1月28日には報道向けのお披露目会が開催されている(関連記事「ANA、羽田空港の格納庫で特別塗装機『HELLO 2020 JET』お披露目イベント」)。
ゲート前の就航セレモニーではANA所属の競泳・瀬戸大也選手が見送りに
羽田空港 第2ターミナルの59番ゲート前で行なわれた式典では、ANA 代表取締役副社長であり、東京オリンピック・パラリンピック推進本部 本部長でもある志岐隆史氏が登壇し、「このHELLO 2020 JETは一昨日(1月27日)伊丹の工場で塗装を終えたばかりで、今日が初仕事です。
ANAは『HELLO BLUE, HELLO FUTURE ~2020を、みんなの滑走路にしよう~』をテーマに、オリンピック・パラリンピックの成功を願って特別塗装機を企画しました。このデザインは約800通のなかから16歳の高校生、松本朝陽さんの案を採用したものです。今日、この福岡行きで初仕事を終えたあとは、2020年まで日本全国を飛び回り、皆さんのオリンピック・パラリンピックへ込めた想いを叶えていきます」と就航を迎えた喜びを表現した。
ANA所属で、2016年のリオオリンピック男子競泳400m個人メドレー・銅メダリストの瀬戸大也選手は「東京オリンピック・パラリンピックに向けて、このカラフルな機体が日本全国を飛び回ることで、大会に向けて気運が高まっていることを感じて、身が引き締まる気がします。東京オリンピックでは、リオよりもいいメダルを目指すので、応援よろしくお願いします」と抱負を述べた。
搭乗が始まると、志岐副社長と瀬戸選手、スタッフが初便の記念品(搭乗証明書、フライトタグ)を手渡して見送りを実施。また、初便には松本朝陽さんも招待されていた。
NH243便は乗客387名を乗せて定刻の8時20分に出発、8時35分に福岡空港へ向けて離陸した。
HELLO 2020 JET機内ではCAが特別デザインのエプロンを着用
HELLO 2020 JETの機内では、巡航高度に到達してドリンクサービスを行なう際、CA(客室乗務員)が特別デザインのエプロンを着用してサービスにあたる。濃紺のワンピース風エプロンは2つのデザインが用意されており、それぞれ東京オリンピック・パラリンピックの市松模様のエンブレムをあしらっている。また、シートのヘッドレストカバーにもエンブレムが施されており、この日は中央がパラリンピック、左右の窓側がオリンピックになっていた。
機内で本誌のインタビューに答えた松本朝陽さんは、「もともと飛行機が好きで、いつも見ている航空系のWebサイトで特別塗装機デザインの募集が行なわれていることを知りました。オリンピックらしさを出したくて、五輪の5色(青/黄/黒/緑/赤)をベースに地の色を決めています」とデザインの着想を説明してくれた。
シルエットとして描いた競技は自身で興味を持っていたものを中心に選んだそうで、特に大会では「ドラマで知って興味を持ったので、車椅子バスケを見に行きたい」とのこと。
NH243便は10時24分に福岡空港へ到着。多くのANAスタッフが横断幕やパネルを手にして初便の搭乗客を出迎えた。
この日、HELLO 2020 JETは羽田~福岡線(NH243便)で初便に就航したのち、福岡~羽田線(NH250便)、羽田~新千歳(札幌)線(NH067便)、新千歳~伊丹線(NH780便)として運航。今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会終了まで、日本全国の主要空港で目にすることができるはずだ。