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ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会 前日記者会見。空撮・船上映像の配信や観戦アプリを導入
5月10日から津久井浜海岸で開催
2018年5月10日 00:00
- 2018年5月9日 実施
- 2018年5月10日~15日 大会開催
ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会は5月9日、横須賀市役所において、5月10日より横須賀市津久井浜海岸において開催される「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」の前日記者会見を開催した。
記者会見には、実行委員会会長で横須賀市長の上地克明氏、実行委員会副会長でANA 代表取締役社長の平子裕志氏、PWA会長のジミー・ディアス氏、NPO法人日本ウインドサーフィン協会 会長の長谷川浩氏が出席した。
まずはじめに、横須賀市長の上地克明氏が次のようにあいさつした。「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会は、5月10日から15日まで6日間、横須賀市の津久井浜海岸で開催されます。前回大会よりも参加国が増えて、32の国と地域から約90人の選手が集まり、世界一を目指して熱い大会を繰り広げます。また、今回からスラロームレースに加えて、より弱い風でもレースが行えるフォイルレースも正式種目に加わり、より多くのレースが開催されます。
前回、世界トップレベルの選手がレースが行なわれていたにもかかわらず、沖合での競技開催となり、競技の状況が浜辺から見えず、来場者に分かりづらいという課題がありました。そこで今年は、3Dバーチャル観戦機能やレース情報、ルールガイドなどを表示できる観戦アプリを導入しました。そして、ドローンや船上から撮影した迫力のある映像を配信します。
また横須賀市では、音楽、スポーツ、エンタテイメント構想を掲げ、本物に触れ、市民や観光客が楽しめる街づくりを進めています。今大会では、世界のトップアスリートに触れられるだけでなく、サンセットライブなど音楽要素なども取り入れ、さらに魅力的なわくわく感あふれる大会にしたいと思います」
また、ANA 代表取締役社長の平子裕志氏は、次のように述べつつ、大会の成功を祈念した。「いよいよ明日(5月10日)から、ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会が開催となります。2017年の第1回大会表彰式で、黒岩祐治 神奈川県知事が『横須賀大会は5年は続けたい』とおっしゃいました。私もそれを受けて『5年はスポンサーを続けたいですね』と申しましたが、それが実現してほっとしています。
今シーズンは、4月に第1回大会がモロッコで開催されていますが、横須賀大会はスラロームとフォイルレースの2種目が開催されるということで、注目度が高いと考えています。特にフォイルレースは今大会が初お披露目です。すでに40名以上の選手が登録され、少ない風でもレースができるということで、期待が高まっています。フォイルは、形が飛行機に似ていて、カーボンでできているということで、我々が運航しているボーイング 787型機に似ています。そして、この競技が日本で初めて行なわれるということに、密かな喜びを抱いています。
今大会は、競技の観戦のみならず、さまざまなイベントが行なわれます。単にスポーツだけではなく、ヘルシーなライフスタイルをお届けしたい、とPWA会長のジミー・ディアスさんもおっしゃっていましたが、まさしくそういう内容になっていますので、我々も協賛できてよかったと思っています。
いよいよ明日から開幕ですが、ウインドサーフィンも飛行機も風が決め手となります。いい風が吹いて本大会が成功するとともに、これが追い風となって2020年東京オリンピックの導火線になれれば、と思っています」
続いて、PWA会長のジミー・ディアス氏が登壇。ディアス氏は冒頭、「また今年も日本で大会を開催でき、皆さんとお会いできてとてもうれしいです」とあいさつ。そして、次のように大会の抱負を述べた。
「ウインドサーフィンワールドカップ2018年シーズンは、本大会から本格的な開幕となります。また、ワールドカップ史上初めてフォイルレースが開催されるという、記念すべき大会でもあります。この横須賀大会は、日本でのプロモーションはもちろんのこと、アジア地域のプロモーションも兼ねています。本大会には、世界からトップのウインドサーファーが集まり熱戦が繰り広げられますが、競技だけでなく音楽イベントなども開催されます。スポーツだけではなく、健康的なライフスタイルにも繋がるということで、日本のみなさんにぜひとも横須賀にお越しいただき、大会を楽しんでいただければと思います」
また記者会見には、大会に出場する選手を代表し、2017年PWAワールドツアーランキング男子2位のマッテオ・イアキーノ選手、同71位の国枝信哉選手、2017年PWAワールドツアーランキング女子4位のレナ・エルディール選手、同9位の須長由季選手も参加し、大会に向けた抱負を次のように語った。
・マッテオ・イアキーノ選手
「今年もまた日本に来られてうれしいです。今大会は、初めてフォイルレースが開催されるということで、非常に楽しみにしています。今年は天候に恵まれる予報ですし、必ず大会は成功するでしょう。皆さんに素晴らしい競技を見ていただきたいと思います。2017年は風に恵まれませんでしたが、今年は風に恵まれそうなので、エキサイティングなレースを見せられるようにがんばります」
・国枝信哉選手
「今年も横須賀の津久井浜海岸でワールドカップが開催されることを、とてもうれしく思います。世界的にも誇れるビーチだと思っていますので、いいコンディションで世界レベルの競技を日本全国の方に見てもらいたいと思います。体調は完ぺきなので、今まで以上に集中しています。新しいフォイルレースにもエントリーしていますので、チャンスを見て上位に食い込めるようにがんばりたいと思います」
・レナ・エルディール選手
「また日本に帰って来られて嬉しいです。私は一足早く4日前に到着しましたが、去年に比べて天気も風の条件もよく、非常に素晴らしいレースになると思います。今大会ではスピードの速いエキサイティングなレースをして、他の選手と一緒に大会を盛り上げたいと思います」
・須長由季選手
「私は出身は埼玉ですが、今は職場も住まいも練習場所も横須賀になっていますが、横須賀の至る所でワールドカップ横須賀大会のポスターを見ることができて、とても感激しています。それと同時に、地元を代表する選手として身の引き締まる思いです。昨年は不完全燃焼だった部分もありますので、その分も含めて全てを爆発させて大会に臨みたいと思います」
その後、今大会で提供されるICTを駆使した観戦アプリの提供をはじめ、本大会の見所が日本ウインドサーフィン協会 会長の長谷川浩氏から説明された。
ウインドサーフィンは風が吹かないと競技が行なえないため、日によって条件が変わり、風の吹く場所に移動しての競技開催になる。実際に昨年の大会では、沿岸部で風が弱く、沖合での競技を余儀なくされたが、そのためにビーチで観戦する人から、何をやっているのか分からないという声が多く聞かれたという。そういったなか、数年前より大手通信事業者と協力し、オリンピックに照準を合わせてセーリング競技をいかに魅力的に見せられるかという取り組みを行なってきた。そして本大会では、その技術の一部を使い、ビーチに2カ所のパブリックビューイング施設を用意し、5台のカメラを駆使して、間近で競技を見ているような迫力のある映像を届けるという。
また、スマートフォン向けのアプリ「GULLCAST」が用意される。このアプリでは、3Dグラフィックを駆使し、レースの状況がひと目で分かるようになっている。そのほか、ウインドサーフィンや選手の身体にセンサーを取り付け、選手がどういった動きをすれば速く走れるのか解明していく取り組みも行なわれるとのこと。このアプリは、iOS版とAndroid版が用意され、いずれも無料でダウンロードし利用できる。