ニュース

宮城県とANAHD、仙台空港で包括連携協定締結式。羽生結弦選手もお祝いのメッセージ

村井知事、片野坂社長らが出席。「ANA Team HANEDA Orchestra」が生演奏

2018年7月11日 協定締結

宮城県とANAホールディングス株式会社は、包括連携協定を締結した。右から仙台・宮城観光キャンペーンマスコットキャラクターの「むすび丸」、宮城県 経済商工観光部 部長 吉田祐幸氏、宮城県知事 村井嘉浩氏、仙台国際空港株式会社 代表取締役社長 岩井卓也氏、ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長 片野坂真哉氏、全日本空輸株式会社 上席執行役員 東京本店長 菅谷とも子氏、仙台出身のANAのCA(客室乗務員)

 宮城県とANAHD(ANAホールディングス)は7月11日、仙台国際空港で包括連携協定の締結式を開いた。

 式には宮城県知事の村井嘉浩氏、ANAHD 代表取締役社長の片野坂真哉氏が出席し、「相互に緊密な連携と協力を図り、双方の保有する資源を有効に活用することにより、地域社会の活性化に資することを目的」とした協定書に署名。宮城県仙台市出身でANA(全日本空輸)所属の羽生結弦選手が締結を祝うビデオメッセージを寄せ、ANAグループの社員有志によるオーケストラ「ANA Team HANEDA Orchestra」が生演奏を披露して、式に花を添えた。ANAグループが都道府県と包括連携協定を結ぶのは、三重県、静岡県、北海道、高知県、徳島県、大分県に続いて7件目となる(宮崎県とは観光振興に関する連携協定を2017年10月に締結)。協定の期間は3年で、延長する可能性もあるとのこと。

「東北に来やすい環境」を作る

全日本空輸株式会社 東北支社長 田村正弘氏

 締結式ではANA 東北支社長の田村正弘氏が、協定の内容について説明した。協定は「1. 観光の振興に関する事項」「2. 地域活性化・社会貢献に関する事項」「3. 災害時の支援に関する事項」の3つの柱で構成される。

宮城県とANAホールディングスによる包括連携協定

1. 観光の振興に関する事項
(1)インバウンドの誘客
(2)国内観光客誘客
(3)観光利便性の向上
2. 地域活性化・社会貢献に関する事項
(1)県産品のPR
(2)震災復興支援
(3)教育支援
3. 災害時の支援に関する事項
4. その他、双方が必要と認める事項

 観光振興では、2019年ラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて世界からの注目が集まるなか、インバウンドに積極的に取り組む。一例として、欧州、米国、豪州の富裕層を取り込み、より長い滞在日数とより高い消費額を得るために、宮城県の観光素材をANAグループの各チャネルを通じてアピール。国内観光客は西日本エリアからの誘客に注力し、魅力的な運賃設定などにより、「東北に来やすい環境」を作る。観光利便性は、小型機を使用した東北の周遊など、将来的な観光・ビジネス需要の創出を検討していく。

 地域活性化・社会貢献では、宮城の新しいブランド米「だて正夢」を空港ラウンジ、機内食、空港売店などで提供・販売することでPRしていくほか、「ツール・ド・東北」「東北・みやぎ復興マラソン」などの復興支援について、ANAスタッフのボランティア参加などで協力するほか、「航空会社ならではの形でサポートしていきたい」とした。

 災害時の支援では、緊急支援・救援物資、支援者・救援隊の移動・輸送などにANAグループの輸送力を活用。「宮城県とANAグループはこれを機に、さらなる連携強化を図りながら地域創生の推進を担って努力していきます」と述べて、説明を終えた。

羽生結弦選手から協定締結を祝うメッセージ

 協定内容の説明のあとには、みやぎ絆大使でANA所属の羽生結弦選手からのビデオメッセージが紹介され、「僕自身も東北の皆さんが笑顔になっていただけるよう、引き続きがんばっていきます」とコメントを寄せた。

みやぎ絆大使でANA所属の羽生結弦選手からビデオメッセージ
仙台国際空港の1階に飾ってある羽生結弦選手の直筆メッセージ

 続いて村井嘉浩知事とANAHDの片野坂真哉社長が協定書に署名し、協定が締結された。

村井嘉浩知事とANAHDの片野坂真哉社長が協定書に署名
宮城県とANAHDの間で協定が締結された

ANAグループ各社の力を最大限に発揮

ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長 片野坂真哉氏

 協定締結を受けて、ANAHDの片野坂真哉社長が関係者への感謝を述べつつあいさつした。ANAは1957年に仙台~羽田線を就航して以来、仙台空港からのネットワークを広げ、2017年度に仙台空港を発着したANA運航便で約125万人を運んだという。仙台空港にはANAとグループ会社のピーチ(Peach Aviation)が就航しており、「この提携を新たなスタートとして、ANAグループ各社の力を最大限に発揮して、観光振興、地方創成、社会貢献、さらに多くの分野で宮城県の皆さまと一緒に取り組んでいきたい」と述べた。

仙台空港を拠点とした地域社会の活性化を図る

宮城県知事 村井嘉浩氏

 続いて村井嘉浩知事は、2011年の震災からこの日は7年4カ月経った月命日であることに触れ、「ANAグループさまの物心両面でのご支援の継続に、県民を代表して御礼申し上げます」と、ANAグループによる義援金や「こころの湯」の活動などに感謝を述べた。

 包括連携協定ではとくにインバウンド誘客を中心に「ANAグループさまの知見・ノウハウを大いに学ばせていただきながら、連携した取り組みを実施し、交流人口拡大につなげていきたい。宮城県では締結を契機に、充実した航空ネットワークや多様なサービスを活用させていただきながら、仙台空港を拠点とした地域社会の活性化を図ってまいります」と今後の展開に期待を寄せた。

ANAグループ社員がボーディングミュージックなど生演奏を披露

 締結式終了後には、パイロット、CA(客室乗務員)、グランドスタッフなどANAグループの社員有志によるオーケストラ「ANA Team HANEDA Orchestra」が、AKB48の「365日の紙飛行機」や、葉加瀬太郎さんが作曲したANAのボーディングミュージック「Another Sky」などを生演奏し、多くの空港利用客が集まり盛り上がっていた。

ANAグループの社員有志によるオーケストラ「ANA Team HANEDA Orchestra」
「ANA Team HANEDA Orchestra」が生演奏を披露
ANAグループの社員有志によるオーケストラ「ANA Team HANEDA Orchestra」が生演奏を披露