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ANA、羽田空港の格納庫で特別塗装機「HELLO 2020 JET」お披露目イベント
卓球の福原愛さんやデザイン原作者の高校生・松本朝陽さんが出席
2018年1月29日 14:00
- 2018年1月28日 イベント開催
- 2018年1月29日 就航
ANA(全日本空輸)は、2017年4月1日にデザインを発表していた「ANA×TOKYO 2020」応援企画の特別塗装機「HELLO 2020 JET」のお披露目イベントを、1月28日に羽田空港ANAエアフレームメンテナンスビル格納庫で開催した。
「HELLO 2020 JET」のペイント作業は、1月7日から伊丹空港に隣接するMRO Japanの整備場で進められていたが、27日に作業が完了してドックアウトし、羽田空港へ回送(フェリーフライト)(関連記事:「ANAの特別塗装機『HELLO 2020 JET』が伊丹空港でドックアウト」)。「HELLO 2020 JET」の実機の前でイベントが行なわれた。
日本の明るい未来を予感させるようなデザイン
主催者代表としてANA 代表取締役社長の平子裕志氏が、お披露目イベントを迎えることができたことへの感謝を述べ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への機運を高めるために「HELLO 2020 JET」を企画したと挨拶しつつ、概要を説明した。
ANAは2015年6月に東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルエアラインパートナーとなり、「東京2020機体デザインコンテスト」と題して2016年10月7日から11月30日の期間、特別塗装機のデザインを募集。786作品から選ばれた松本朝陽(あさひ)さん(受賞時15歳)の作品をもとにしたデザインを、ボーイング 777-200型機(登録記号:JA741A)に施した。
機体はグラデーションの上に東京タワーや東京スカイツリーといった名所と桜や梅などの花の模様が鮮やかに描かれ、水泳やラグビー、野球、車いすマラソンなどスポーツのシルエットが印象的に配置されている。平子氏も、「日本を代表する自然や構築物、各種スポーツの競技者のシルエットを組み合わせたまことにダイナミックな、鮮やかな色使いはまるで日本の明るい未来を予感させるようなデザインになりました」とコメント。
そして「ANAでは2020年に向けて『HELLO BLUE, HELLO FUTURE』と題し、2020年の大会をみんなの滑走路にしようと取り組んでおり、その思いを込めて『HELLO 2020 JET』と名付けました」と語った。
「HELLO 2020 JET」はその外観とともに、機内でもヘッドレストカバーとCA(客室乗務員)が着用するエプロンが東京オリンピック・パラリンピックのロゴマークをあしらったものになっており、「多くの皆さまにお乗りいただいて、一緒に機運を盛り上げていきたい」と挨拶を終えた。
「HELLO 2020 JET」はANAグループの国内路線で、1月29日から東京2020オリンピック・パラリンピック終了まで運航する。
東京大会の楽しさを伝えるメッセンジャーとして活躍してくれると思う
来賓から東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 副事務総長の古宮(こみや)正章氏が挨拶。特別塗装機を間近で見て「飛行機がパワフルで、生き物のような情熱を持っているよう」と印象を述べた。
そして「HELLO 2020 JET」がANAグループのネットワークで「東京大会の楽しさを伝えるメッセンジャーとして活躍してくれると思う。皆さんにワクワクしながら2020年を迎えてもらえたら」と期待を寄せた。
ANAグループのさまざまなサポートに感謝
JOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恆和(つねかず)氏は、「HELLO 2020 JET」の就航を祝いつつ、ANAグループが以前から選手団の国内外の移動、現役アスリートの雇用や育成・教育といったサポート活動を行なっていることを紹介し、感謝を述べた。
JOCではアスリートの育成・強化、各大会への派遣、オリンピズムの普及などを行なっているが、その活動に対しても「HELLO 2020 JET」は「とてもすばらしい企画」と語った。
最後に「世界中の注目が集まります2020年の東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルエアラインパートナーであるANAさまのご協力をいただき、成功に向けて邁進してまいります」と挨拶を終えた。
東京オリンピック・パラリンピックの機運を天まで高めてほしい
日本パラリンピック委員会 会長の鳥原光憲氏は、ANAがスポンサー契約を結んでいる車いすテニスの国枝慎吾選手が、全豪オープンテニスの車いすの部の男子シングルスで優勝したことに触れ、パラスポーツ選手のスポンサーや雇用、ブラインドサッカーへの協賛など、パラスポーツに対するさまざまな支援への感謝を述べた。
「2020年の東京オリンピック・パラリンピックを大成功させて、共生社会への変革を加速させるためには、各会場を大勢の観客で盛り上げる必要があり、パラスポーツにおいては、小中高校生など若い人のファン作りが大事な課題」だとし、「若い世代である松本朝陽さんが願いを込めてデザインした特別塗装機は、とても大きな効果を発揮してくれると思う。東京オリンピック・パラリンピックの機運を天まで高め、全国津々浦々に広めるシンボルになってほしい」と期待を語った。
将来はデザイナーか整備士になりたい
続いて「HELLO 2020 JET」のデザイン原作者の松本朝陽さんが登場し、「この飛行機を見た人が東京オリンピック・パラリンピックを連想して、2020年が盛り上がったらいいなと思い描きました。選ばれたときは信じられなかったけど、デザインがANAの皆さんに共感してもらえたことが、とてもうれしかった」と述べた。
実際に塗装された機体を前にしての感想を求められると、「色鉛筆とペンで描いたものが、実際にそのとおりにデザインされてうれしいです。塗装や企画にかかわった皆さんに感謝したい」と答えた。
現在高校1年生という松本朝陽さんに「将来の夢」を尋ねると、「デザイナーか整備士になりたい」と答え、会場からは大きな拍手が起きた。
私も何かの形で携わることができたら
松本さんに続いてANA所属の卓球選手、福原愛さんが登場。デザインイラストはすでに見ていたそうで、実際の「HELLO 2020 JET」を見て「デザインのとおりに塗装されていてびっくりしました」と感想を述べた。
2020年に向けては「自分の国で開催されることは一生に一度あるかないかという大きな機会なので、すばらしい大会になるように心から応援して、私も何かの形で携わることができたらと思っています」と語った。
そして松本さんが描いた、日本各地の空港で活躍する「HELLO 2020 JET」のイラスト6点が紹介された。空港は新千歳(札幌)、羽田、伊丹、関西国際空港、那覇。松本さんは空港に飛行機を見に行くのが大好きだそうで、空港で撮影した写真をもとに、「HELLO 2020 JET」がいる風景をポスターカラーとペンで描いたそう。
最後に「HELLO 2020 JET」の1/100サイズのモデルプレーンに福原愛さんがサインを入れ、松本さんに贈呈してお披露目イベントは終了した。