ニュース
ANA、羽生結弦選手の金メダル祝勝会を開催
フィギュアスケート男子シングル2連覇を社員がお祝い。記念品は家族分のファーストクラス航空券
2018年2月28日 17:03
- 2018年2月27日 開催
ANA(全日本空輸)は2月27日、平昌オリンピックフィギュアスケート男子シングルで見事2連覇を果たした同社所属の羽生結弦選手を讃え、東京・汐留のANA本社で金メダル祝勝会を開催した。
会場となった会議室には約60名のANAグループ社員が集まり、試合応援時にも使用した「FLY YUZU」と書かれたタオルを手に、アットホームなムードで羽生選手を迎え入れた。同社と羽生選手は2013年7月にCMや広告、機内誌特集について所属契約を結んでいる。
有志で結成されている「ANA Team HANEDA Orchestra」の皆さんの演奏が流れる中、颯爽と入場した羽生選手。首にはもちろん金メダルが。会場からは「おめでとう~!」の声とともに大きな拍手と歓声が上がった。まずはANA 代表取締役社長 平子裕志氏から「この度の平昌オリンピックの金メダル、そして2連覇、本当におめでとうございます!」と、お祝いの言葉があった。
「羽生さんが金メダルをとられた10日前が、まるで昨日のことのよう。私たちはここ汐留と羽田空港でパブリックビューイングをとおして手に汗握りながら応援させてもらいました。特にフリーの最後のジャンプを降りたあとの渾身の演技、私は一生忘れないと思います」と平昌オリンピックの感動を熱く語った平子社長。
さらに「羽生さんの素晴らしいところは、演技後に、自分の右足、リンクの氷、そして周りの皆さんに感謝するというその心。このような選手をANAがサポートできて本当に光栄です。ケガを早く治して私たちにまた素晴らしい演技を見せてください」とねぎらいの言葉をかけた。
続いてマイクを受け取った羽生選手は、「所属なんで、ただいまと言っていいんでしょうか?」と少し照れた表情で言うと、会場からは「おかえり~!」という言葉と拍手が沸き起こった。
羽生選手は「成功することって一回挑戦したからできるわけじゃなくて、失敗があって裏付けがあって、その当たり前のような成功をつかみ取ることがどれだけ難しいかということをここに帰ってきてすごく感じています」と、一つ一つ言葉をかみしめるように話した。
「飛行機って、普通に離陸して普通に着陸して……それが当たり前ですけど、そういった当たり前の成功のなかにはたくさん方々が、その当たり前のために働いて、サポートしていて……。そういった当たり前の成功に尽力してくださっている方々がいる。そういう会社の人間の一人として、こうやって成功を持ってこられたのは、本当に喜ばしいこと。これからさらに難しいことや大変なことに挑戦して、もちろん、バッシングとかもあるかもしれません(笑)。でもこうやって毎日毎日成功している数、毎日人を喜ばせている数を、僕は絶対に忘れないので、そういったものを大切にしてくださったらうれしいなと。本当にこういう会社にサポートしていただいて幸せです。ありがとうございました」と挨拶した。
続いてANAのCA(客室乗務員)から花束の贈呈。フィギュアスケート男子シングルで66年ぶりの2連覇という偉業にちなんで66本のバラが贈られた。
さらにANAHD(ANAホールディングス)社長の片野坂真哉氏より“金メダルのご褒美”としてサプライズプレゼントが。飛行機型のパネルに書かれた「ファーストクラス往復航空券ご家族分」という文字を見た羽生選手は「すご~い」と感激した様子だった。ちなみに前回のソチオリンピックの時には同社から全世界どこでも家族旅行券が贈られている。
「ファーストクラスの航空券で家族の皆さんとどちらに行かれたいですか?」の質問に羽生選手は、「家族のことは家族でゆっくりと……」と苦笑いしたあと、「ファーストクラスには以前2回くらい乗せてもらったことがありますが、あの特別な空間を家族で味わえるというのはうれしい。ありがとうございます。いろいろ検討します。なるべく高いところに!」とちゃっかりとアピールし、笑いを誘っていた。
祝勝会のラストは、集まっていた60名のANAグループ社員との合同記念撮影にのぞんだ羽生選手。FLY YUZUタオルを掲げた皆さんの「おめでとう~!」コールでの撮影に「ありがとう~!」と終始笑顔を見せていた。
2014年~2015年シーズンのエキシビションで使った曲「花は咲く」の演奏の中、ANAグループ社員の温かい拍手で見送られた羽生結弦選手。ドアの前で、いつもリンクから上がる時と同じようにくるりと振り返って頭を下げた金メダリストの姿に、平子社長が語っていた「感謝を忘れない心」を見た素晴らしい祝勝会だった。