ニュース
日本中を飛びまわって東京2020大会機運を盛り上げる。ANAとJALが共同で「心をひとつに!! 行こう2020」特別塗装機お披露目イベント
2016年10月14日 22:30
- 2016年10月14日 発表、運航開始
ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)は10月14日、両社がともにオフィシャルエアラインパートナーとなっている東京2020オリンピック・パラリンピックのムーブメント創出を図るため、共通デザインの特別塗装機の運航を開始した。共通のキャッチフレーズ「心をひとつに!! 行こう2020」を機体側面に描くもので、2016年度中に両社それぞれ4~5機を用意し、国内線で運航する。
特別塗装機の概要については、別記事「ANAとJAL、共通デザインの『東京2020大会』特別塗装機を運航開始」で紹介している。
同日、羽田空港にあるJALの格納庫で特別塗装機お披露目イベントを実施。両社の代表取締役社長のほか、来賓として東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 会長の森喜朗氏、JOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恆和氏、JPC(日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会)会長の鳥原光憲氏が招かれた。
最初に主催者を代表して、JAL代表取締役社長の植木義晴氏が、「ANAさんとともに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、特別塗装機を就航し、そして、東京大会に向けたムーブメントの創出を図る活動を一翼をJALが担えることをうれしく思う」と、この取り組みの趣旨の説明を交えながら挨拶。
続けて、「選手の皆さまの闘志や、最後まで諦めることのない真摯な姿勢に我々国民は本当に感動した。(10月7日行なわれたメダリストの合同パレードで)選手に歓声、拍手を送る様子、その声援に応える選手の皆さまの晴れ晴れとした笑顔、これを見て、私もこみ上げてくるものがあった。大会が終わってこれだけの日数が経っても、いまだに人々の感動を呼び起こし、涙を流せるオリンピック・パラリンピックの力、素晴らしさを改めて感じたのは私ではないと思う。
4年後の2020年に開催されるオリンピック・パラリンピックで、さらに多くの方に触れ、感じ、感動の涙を流していただけるよう、私たちがANAさんとともにできることは、オリンピック・パラリンピックに足を運ぶ日本中、世界中の方々に東京開催が決定したときに謳われた“おもてなし”を体感していただきながら、日本中を旅し、日本を感じていただくことだと思う。また、東京のみならず日本中がホスト国としての機運を高める、そのお手伝いをさせていただくことにあると思う。そのためにもANAさんと一緒になり、『心ひとつに!! 行こう2020』の共通キャッチフレーズを掲げ、青空に映える市松模様の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを日本中の空に運びながら、全力で盛り上げていきたいと思っている」とオリンピック・パラリンピックが持つ力についての思いや、JALとANAの両社でできることの一つとしての取り組みであること説明した。
同じく主催者代表として挨拶した、ANA代表取締役社長の篠辺修氏は、「植木社長のご挨拶にもあったが、先週のメダリストのパレードは本当に素晴らしかったと私も感動した。少し思い起こすと、1964年の東京大会のときは、私も植木社長も小学校6年生だった。当時、小学生として大変私も感動したことを覚えている。そして、日本はあの東京大会を契機に大きく変わっていって今日に至ったと思っている。
従って、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でも、世界中からたくさんの選手やお客さまに来ていただき、世界中に感動をお届けしたい。そして、素晴らしい未来につながる大会にしていきたいと思っている。ANAは日本航空さまと一緒に、そのお手伝いをぜひやっていきたい東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けて、日本航空の皆さまと関係する皆さま、まさに“心をひとつ”にして尽力したいと思っている」と、同様にオリンピック・パラリンピックへの思いを交えながら取り組みへの意欲を示した。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 会長 森喜朗氏は、冒頭で「オリンピック・パラリンピック関係者とって、こんなうれしい催しはない。こうして、JALとANAが仲よく飛行機を作っていただいて、これから2年間、国内に飛ばす。心わくわくする」と、喜びを示した。
過日行なわれたリオデジャネイロ大会での両社の協力について、「私は80歳になり、飛行機はなかなかつらいが、特に日本から(リオデジャネイロまで)はどう乗り換えても中継地点を入れて30時間かかるので、選手の皆さまは大変だったと思う。特に最近はパラリンピックの選手の皆さんは、30時間も飛行機に乗っているのは大変だと思う。選手の皆さんがベストなコンディションで大会に臨めるように日本から運んでいただいた、飛行機のなかで十分なおもてなしをCAさんたちはしてくださったと思う」と感謝。
さらに航空会社が東京2020大会に協力することについては、「IOC(国際オリンピック委員会)はなかなか厳しい団体で、スポンサー企業も1業種1社に限定しているなど、いろいろな仕組みがある。JALとANA、JALとANAが1業種で2つの企業が一緒にやれるのが、我々の望むオールジャパン。
日本が一体となってオリンピックを迎えるということ。どんなに科学が発達しても、どんなに世の中が変わっても、おそらく大陸間に橋が架かることはないだろうが、海を越えなければ世界の人たちが集まってオリンピックはできない。飛行機、空港が、選手と役員、お客さまを迎える入り口。両社がお世話をしてくださるということは、運営するにあたってこんなありがたいことはない」と改めて感謝の言葉を述べた。
そして、「私は今朝早く目が覚めて、布団のなかで今日のことを考えてたときにふっと思い出した歌があった。三波春夫さんが歌った『オリンピック音頭』。最後に“オリンピックの顔と顔~”というところがある。『オリンピックの顔と顔♪ ソレトトント トトント JALとANA♪』。終わり。」との替え歌を披露して挨拶を締めた。
JOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恆和氏は、「リオデジャネイロオリンピック日本代表選手団は、全日本空輸、日本航空の両社のご協力のもと、リオデジャネイロよりチャーター機で無事帰国した。機内ではそれぞれの社員の皆さまからの、心のこもった手づくりメッセージなどとともに、『おかえりなさい』という温かい言葉で、激戦を終えた日本代表選手団を温かく迎えていただいた」と帰国チャーター便でのエピソードを交えて感謝の言葉を述べた。
続けて、80万人が沿道に集まった10月7日のメダリストパレードについて触れ、「2020年東京大会に対する国民の皆さまからの期待を改めて実感した。国際舞台におけるアスリートの活躍は多くのドラマを生み出す。多くの方々に夢、感動、そして勇気を沸きおこし、活力ある社会の実現と調和のとれた世界の形成に大きく貢献するものと確信している」と語り、大会の成功に全力で取り組むとした。
JPC(日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会)会長の鳥原光憲氏は、リオデジャネイロパラリンピックについて振り返り、「日本代表選手団の航空機での移動に際して、日本航空、全日本空輸のご両社から温かい歓迎と、心のこもったサービスをしていただき、おかげさまで万全で体制で大会に臨むことができた。そして、ロンドンの1.5倍となる24個のメダルを獲得できた。初めての種目でのメダル獲得、特にボッチャやウィルチェアーラグビーのような重度障がい者の団体競技でメダルを獲得できた。さらには、メダリストと入賞者合わせて91名の選手のなかで、若い選手たちの活躍が目立った。2020年に向けて希望が膨らむような結果を得られたと思っている」と感謝と喜びのコメント。
今回の特別塗装機については、「オリンピック・パラリンピック日本代表選手団の合同パレードが1週間前に実施され、“リオから東京へ”の機運が一気に高まった。まさにこの絶好のタイミングで今日こうして『心ひとつに!! 行こう2020』という共通キャッチフレーズを掲げた特別塗装機のお披露目イベントが行なわれ、いよいよオールジャパンで一丸となって東京2020大会を成功させる大プロジェクトが本格的に始まるんだと実感した」と述べた。
さらに、パラリンピック、パラスポーツの普及に向け、「東京2020大会を成功させるために最も大事なことの一つは、すべての競技場を大勢の観客で盛り上げることだと思っている。私どもJPCとしては、小中学生をはじめ、若い人たちに中心としたパラリンピックファン作りに全力を挙げて取り組んでいく。こうしたファンを全国に広げていくうえで、日本を代表する航空会社の特別塗装機が日本中を飛ぶことの効果は計り知れない」と、機運向上のシンボルになることに期待を寄せた。
各位のスピーチのあとは報道関係者向けへの撮影タイムが設けられ、格納庫前のエプロンに並べられた2機の特別塗装機の間には、共通ロゴデザインのシートを展開。周囲をANA、JALのスタッフが交互に並んで囲んだ。