ニュース
セントレアとANA、「空の上での結婚式」実施
機内で挙式・空港で披露宴。福原愛選手もお祝いメッセージ
2017年3月7日 20:54
- 2017年3月4日 実施
セントレア(中部国際空港)とANA(全日本空輸)グループのANAウイングスは、ボーイング 737型機での結婚式とアリスダイニングでの披露宴を組み合わせた「エアシティウェディング セントレア×ANA 空の上での結婚式 ~空で誓う39,000フィートのバージンロード~」を3月4日に実施した。
空の上での結婚式は、空港で挙式できるエアシティウェディングを提供するセントレアと、ANAグループが推進する社員の自発的提案活動「ANAバーチャルハリウッド」のコラボレーション企画で、2013年以来2度目となる。
晴天に恵まれた結婚式当日、新郎の田中秀幸さん、新婦の歩香さんと43名の列席者を乗せた、セントレア発ANA2708便(ボーイング 737-700型機:JA03AN)は、定刻の14時30分よりわずかに早い14時22分にセントレアを出発。約1時間半のフライトで新郎新婦は結婚式を行ない、列席者とともに空のフライトを楽しんだ。
結婚式の受付は空港のチェックインカウンターで
結婚式当日はセントレア国内線ANA出発カウンターからスタート。カウンターが結婚式の受付となっているので、ホテルや式場で行なわれる通常の結婚式同様、ここで受け付けを済ませた列席者はANAのスタッフからANA2708便のチケットを受け取り保安検査場に向かう。
この「2708」という便名は、新郎の誕生日が27日、新婦の誕生日が8日であることにちなんだもので、出発ロビーの大きなボードにほかの定期便に混じって「HAPPY WEDDING FLIGHT」の文字とともに表記されていた。なおセントレア発なのに行き先が「CHUBU(=セントレア)」であることもこのフライトならではだ。
14時30分の出発を控え9番の搭乗ゲートに集まったのは新郎、新婦、列席者だけではなかった。大勢のANAグループのグランドスタッフ、そしてANAウイングスの代表取締役社長である泉弘毅氏も祝福に駆けつけたのだ。
ここで新郎新婦は列席者としばし記念写真を撮ったり歓談したりとリラックスムード。こちらも通常の結婚式と変わらぬ風景だが、その場所が空港であることは、なんともいえない特別感に包まれていた。
機内で挙式、「A380くらい大きな喜びです」
機内に向かうボーディングブリッジから外を眺めると、今度はグランドハンドリングスタッフが駐機場に描いたイラストとともにお見送りだ。出発を待つボーイング 737-700型機は機内もまわりもまさにお祝いムード一色。
そんななか新郎新婦が搭乗。新郎新婦の熱々の上昇気流に乗って出発してよいか?との機長の問いかけに列席者全員がゴーサーインを出すといよいよ出発だ。
途中、機長から空の男らしい、でもちょっとここでは書けない冗談も交えながらの祝福のアナウンスや機内に乗り込むまでの今日の出来事をまとめたビデオが機内モニターに映し出されるなど、あっという間の楽しい時間を過ごしているうちにシートベルトサインが消え、ここから挙式が始まる。
両家の両親のメッセージが機内に流れた。途中グッとくる場面もあったが、なかでも圧巻だったのが新郎の乗り物大好き具合。クルマ、鉄道、飛行機なんでも大好きな新郎が、このような空の結婚式を挙げることを大いに喜んでいる気持ちがうかがえた。
ちなみに挙式終了後一緒に乗り合わせた報道関係者から今の気持ちを一言で、と問われると、「(エアバス)A380くらい大きな喜びです」と答えたのは新郎ではなく新婦の方だった。
着陸後はセントレアで披露宴、福原愛選手からお祝いのビデオレター
機内での挙式は指輪交換、乾杯と進み盛り上がる機内。窓の外には富士山も見えたが、2人はゆっくり眺める時間はなさそうな盛り上がりのなか、進路を西へ向けたANA2708便は再びセントレアへ向かう。
行きはボーディングブリッジを利用しての搭乗だったが、今度はオープンスポットへの着陸だ。列席者が降りたあと、雲一つない空をバックにパッセンジャーブリッジから降りてくる2人の姿は、ニュースで見かける来日した要人のような特別感と、それ以上の幸せ感に満ちあふれた素晴らしい光景で、青い空によく馴染んだ白×青の機体と明るい衣装の新郎、純白のウエディングドレスに身を包んだ新婦、2人のいる風景はとても美しかった。
列席者にとってもめったに機会のない特別なオープンスポットでの記念撮影後、空港に戻りセントレアの旅客ターミナルビル1階にあるセンターピアガーデンで、アフターセレモニーが行なわれた。
迎え入れてくれたのは出発時以上の数のスタッフだ。出発時には参加できなかったグランドハンドリングスタッフや整備士の姿も見える。通常業務の合間を縫ってANAグループの総力を挙げたようなお迎えは圧巻で、これには新郎新婦も少々驚いた様子だった。
アフターセレモニーでは今回のフライトを担当した米澤源機長、夫馬莉加チーフパーサーが結婚証明書に署名をし、泉弘毅社長からお祝いに、今回搭乗したボーイング 737型機のモデルプレーンや旅行券が手渡された。また会場ではANAウイングスの有志バンドによる演奏、そしてANAから2人に向けたビデオレターが紹介された。
このビデオレター、なんとメッセージの主は自身も新婚の卓球の福原愛選手。これには集まったANAグループのスタッフたちもビックリ。福原選手の祝福のメッセージとともにサイン入りのラケットとボールを受け取った新郎新婦が列席者や関わったすべてのスタッフに謝辞を述べ、セレモニーはお開き。集まったすべての参列者によるフラワーシャワーならぬ青い紙飛行機シャワーを浴び、披露宴が行なわれる「アリスダイニング」へ向かった。ちなみにこの披露宴会場は、セントレアの展望デッキ「スカイデッキ」の先端に位置し、滑走路を間近に望むレストランだ。
受付から搭乗、そしてセレモニーまでが特別感にあふれ、プレゼントからバンド演奏、ビデオメッセージと次から次へと新郎新婦に贈られるサプライズ演出。機長、副操縦士、CA、グランドスタッフ、グランドハンドリングスタッフら、驚くほど多くのスタッフが祝福の駆けつけた今回の結婚式フライト。出発時、機内から見えるボーイング 787初号機で盛り上がった新郎新婦にとって、最高のテイクオフとなったようだ。