ニュース

セントレアとANA、「空の上での結婚式」実施

機内で挙式・空港で披露宴。福原愛選手もお祝いメッセージ

2017年3月4日 実施

セントレアとANAウイングスは、「エアシティウェディング セントレア×ANA 空の上での結婚式 ~空で誓う39,000フィートのバージンロード~」を3月4日に実施。新郎の田中秀幸さん、新婦の歩香さんが結婚式を挙げた

 セントレア(中部国際空港)とANA(全日本空輸)グループのANAウイングスは、ボーイング 737型機での結婚式とアリスダイニングでの披露宴を組み合わせた「エアシティウェディング セントレア×ANA 空の上での結婚式 ~空で誓う39,000フィートのバージンロード~」を3月4日に実施した。

 空の上での結婚式は、空港で挙式できるエアシティウェディングを提供するセントレアと、ANAグループが推進する社員の自発的提案活動「ANAバーチャルハリウッド」のコラボレーション企画で、2013年以来2度目となる。

 晴天に恵まれた結婚式当日、新郎の田中秀幸さん、新婦の歩香さんと43名の列席者を乗せた、セントレア発ANA2708便(ボーイング 737-700型機:JA03AN)は、定刻の14時30分よりわずかに早い14時22分にセントレアを出発。約1時間半のフライトで新郎新婦は結婚式を行ない、列席者とともに空のフライトを楽しんだ。

結婚式の受付は空港のチェックインカウンターで

結婚式の受付がセントレアの国内線ANAカウンター

 結婚式当日はセントレア国内線ANA出発カウンターからスタート。カウンターが結婚式の受付となっているので、ホテルや式場で行なわれる通常の結婚式同様、ここで受け付けを済ませた列席者はANAのスタッフからANA2708便のチケットを受け取り保安検査場に向かう。

 この「2708」という便名は、新郎の誕生日が27日、新婦の誕生日が8日であることにちなんだもので、出発ロビーの大きなボードにほかの定期便に混じって「HAPPY WEDDING FLIGHT」の文字とともに表記されていた。なおセントレア発なのに行き先が「CHUBU(=セントレア)」であることもこのフライトならではだ。

最下段に表示されているのがANA2708便

 14時30分の出発を控え9番の搭乗ゲートに集まったのは新郎、新婦、列席者だけではなかった。大勢のANAグループのグランドスタッフ、そしてANAウイングスの代表取締役社長である泉弘毅氏も祝福に駆けつけたのだ。

 ここで新郎新婦は列席者としばし記念写真を撮ったり歓談したりとリラックスムード。こちらも通常の結婚式と変わらぬ風景だが、その場所が空港であることは、なんともいえない特別感に包まれていた。

搭乗口は9番、14時30分出発予定だ
新郎新婦の名前が表示されていた
2人の門出を演出するさまざまな演出
主役の2人を囲んでの記念撮影タイム
新郎の手にはセントレアフレンズキャラクター「なぞの旅人フー」
列席者に囲まれ楽しそうな新郎新婦
大勢のANAスタッフも祝福に駆けつけた。中央付近でボードを持っているのはANAウイングスの泉弘毅社長
胸のコサージュも今回のフライトのための特別なものだ
搭乗の風景
列席者を迎える新郎新婦の姿は結婚式場でも見られる光景だが、そのロケーションが決定的に違う
大きな窓とゲートが空港ならではの風景だ
飛行機へ向かう通路を進む新郎新婦の姿も不思議な光景だ
空港全体が大きな結婚式場になったような雰囲気だ
両脇の青いリボンの演出もスタッフによる手作りだ
こちらはCA(客室乗務員)の手によるウェルカムボード

機内で挙式、「A380くらい大きな喜びです」

 機内に向かうボーディングブリッジから外を眺めると、今度はグランドハンドリングスタッフが駐機場に描いたイラストとともにお見送りだ。出発を待つボーイング 737-700型機は機内もまわりもまさにお祝いムード一色。

 そんななか新郎新婦が搭乗。新郎新婦の熱々の上昇気流に乗って出発してよいか?との機長の問いかけに列席者全員がゴーサーインを出すといよいよ出発だ。

 途中、機長から空の男らしい、でもちょっとここでは書けない冗談も交えながらの祝福のアナウンスや機内に乗り込むまでの今日の出来事をまとめたビデオが機内モニターに映し出されるなど、あっという間の楽しい時間を過ごしているうちにシートベルトサインが消え、ここから挙式が始まる。

 両家の両親のメッセージが機内に流れた。途中グッとくる場面もあったが、なかでも圧巻だったのが新郎の乗り物大好き具合。クルマ、鉄道、飛行機なんでも大好きな新郎が、このような空の結婚式を挙げることを大いに喜んでいる気持ちがうかがえた。

 ちなみに挙式終了後一緒に乗り合わせた報道関係者から今の気持ちを一言で、と問われると、「(エアバス)A380くらい大きな喜びです」と答えたのは新郎ではなく新婦の方だった。

ボーディングブリッジの下ではグランドハンドリングのスタッフが祝福
駐機場に描かれたイラストがとてもかわいい
窓から見える横断幕
幸せの空の旅へ!!!
新郎新婦入場! 前方座席には挙式を演出する楽団がスタンバイ
搭乗者が機長にゴーサインを出し出発!
楽しそうな新郎新婦
天候に恵まれ穏やかな機内では歌の演出もあった
オリジナルのビデオプログラムは当日の搭乗までの模様を綴ったものだ
オリジナルビデオプログラムを楽しむ新郎新婦

着陸後はセントレアで披露宴、福原愛選手からお祝いのビデオレター

 機内での挙式は指輪交換、乾杯と進み盛り上がる機内。窓の外には富士山も見えたが、2人はゆっくり眺める時間はなさそうな盛り上がりのなか、進路を西へ向けたANA2708便は再びセントレアへ向かう。

 行きはボーディングブリッジを利用しての搭乗だったが、今度はオープンスポットへの着陸だ。列席者が降りたあと、雲一つない空をバックにパッセンジャーブリッジから降りてくる2人の姿は、ニュースで見かける来日した要人のような特別感と、それ以上の幸せ感に満ちあふれた素晴らしい光景で、青い空によく馴染んだ白×青の機体と明るい衣装の新郎、純白のウエディングドレスに身を包んだ新婦、2人のいる風景はとても美しかった。

 列席者にとってもめったに機会のない特別なオープンスポットでの記念撮影後、空港に戻りセントレアの旅客ターミナルビル1階にあるセンターピアガーデンで、アフターセレモニーが行なわれた。

 迎え入れてくれたのは出発時以上の数のスタッフだ。出発時には参加できなかったグランドハンドリングスタッフや整備士の姿も見える。通常業務の合間を縫ってANAグループの総力を挙げたようなお迎えは圧巻で、これには新郎新婦も少々驚いた様子だった。

 アフターセレモニーでは今回のフライトを担当した米澤源機長、夫馬莉加チーフパーサーが結婚証明書に署名をし、泉弘毅社長からお祝いに、今回搭乗したボーイング 737型機のモデルプレーンや旅行券が手渡された。また会場ではANAウイングスの有志バンドによる演奏、そしてANAから2人に向けたビデオレターが紹介された。

 このビデオレター、なんとメッセージの主は自身も新婚の卓球の福原愛選手。これには集まったANAグループのスタッフたちもビックリ。福原選手の祝福のメッセージとともにサイン入りのラケットとボールを受け取った新郎新婦が列席者や関わったすべてのスタッフに謝辞を述べ、セレモニーはお開き。集まったすべての参列者によるフラワーシャワーならぬ青い紙飛行機シャワーを浴び、披露宴が行なわれる「アリスダイニング」へ向かった。ちなみにこの披露宴会場は、セントレアの展望デッキ「スカイデッキ」の先端に位置し、滑走路を間近に望むレストランだ。

上空3万9000フィートでの指輪での交換
交換した指輪を披露する2人
両親からのメッセージが披露されるとホロリとす一幕も
愛し合う2人、当然こうなります
上空3万9000フィートで乾杯!
乾杯!
祝福の歌にも熱が入ります
搭乗したすべての人が幸せな雰囲気で過ごせたのは、ANAスタッフの演出はもちろんだが、何より搭乗前から周りの人に「ぜひ一緒に楽しんでほしい」と語っていた新郎新婦から滲み出す、優しい人柄のためだ。そんな2人は窓の外風景を楽しめただろうか?
ANA2708便は定刻にセントレアのオープンスポットに到着
晴天に恵まれたオープンスポットで記念撮影
米澤源機長、向川原研副操縦士もコックピットから祝福
一足先にバスでターミナルに向かう列席者を見送る新郎新婦とANAスタッフ
ターミナルでは大勢のANAグループのスタッフがお出迎え。その数に新郎新婦もビックリ
グランドハンドリングスタッフ、整備士そのほかさまざまな部署のスタッフが2人のお祝いに駆けつけた
セントレア センターピアガーデンで行なわれたアフターセレモニー
結婚証明書にサインをする新郎新婦、米澤源機長、夫馬莉加チーフパーサー
泉弘毅社長からお祝いのモデルプレーンと旅行券が渡された。モデルプレーンはもちろんボーイング 737型機だ
ANAウイングス社員有志によるサプライズ演奏
ANAから2人へのビデオレターは卓球の福原愛選手から。この演出には、集まったANAグループのスタッフもビックリ
福原選手のメッセージ入りラケットとボールが手渡された
セレモニーのエンディングはフラワーシャワーならぬ紙飛行機シャワー
祝福に使われたのは、もちろんANAらしい青い紙飛行機

 受付から搭乗、そしてセレモニーまでが特別感にあふれ、プレゼントからバンド演奏、ビデオメッセージと次から次へと新郎新婦に贈られるサプライズ演出。機長、副操縦士、CA、グランドスタッフ、グランドハンドリングスタッフら、驚くほど多くのスタッフが祝福の駆けつけた今回の結婚式フライト。出発時、機内から見えるボーイング 787初号機で盛り上がった新郎新婦にとって、最高のテイクオフとなったようだ。

アフターセレモニー終了後、新郎新婦の希望で列席者と集まったANAグループの全員で集合写真が撮影された