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公式データで振り返る「大阪・関西万博」。タクシーガチ勢/リピーター/通期パスの割合など全体像が見えてきた

2025年12月24日 時点
2025年のうちに大阪・関西万博を振り返ってみよう

 2025年も残りわずか。今年の日本を象徴するイベント「大阪・関西万博」は、結局のところ、どのような人が訪れ、何を楽しんでいたのだろうか。

 2025年日本国際博覧会協会は12月24日、臨時理事会の会議資料として「データから振り返る大阪・関西万博」を公開した。今回は、公式データの要点を整理し、本誌(トラベル Watch)の関連記事も交えながら、会期中の様子をゆるやかに振り返ってみる。

博覧会協会が掲げた万博のキーワードは「共創」。会議資料ではその根拠として、関係者の内訳や来場者の反響など、具体的な数値をまとめている ※画像を開いてからクリックで拡大

来場者の年代や居住エリア

 累計来場者数は2902万人(2558万人)、1日あたりの平均来場者数は15.8万人(13.9万人)。最多を記録したのは10月12日の24.8万人(22.3万人)。9月10日以降は連続34日間にわたって来場者数20万人を超えた。

※()は関係者向けのAD証による入場者を除いた数値

 チケット券種別の年代構成は、大人(万博IDあり)が57.2%、大人(万博IDなし)が27.7%、18歳未満(中人・小人・3歳以下)が15.1%。うち、校外学習・修学旅行・自治体招待事業などで訪れたのは合計130万人程度(AD証除く累計の5.1%)としている。

 万博IDあり来場者の居住エリア(国内)は、最多の近畿が66.6%、関東16.5%、中部8.8%など。都道府県別の内訳は大阪41.16%、兵庫12.80%、東京7.98%、愛知4.85%、京都4.56%で、男女比は女性が55.5%とやや多い。

3人に1人がリピーター! 通期パス組は平均11.8回来場

 万博IDあたりの平均来場回数は2.3回、最多は会期日数と同じ184回。つまり入場予約などを確保するために複数IDを使い分けることなく、1つのIDで皆勤賞を達成した人がいるようだ。

 また、3人に1人(34%)がリピーターで、通期パス利用者は平均11.8回、夏パス利用者は平均3.8回来場している。

来場方法、東ゲート→西ゲート移動をした人はどのくらいいた?

 利用した交通手段の割合(4月13日~10月13日の全体平均機関分担率)は、鉄道・大阪メトロ中央線が71.6%、シャトルバスが11.7%、そのほか(団体バス・タクシー・自家用車・船舶・自転車)が16.7%。会期後半は始発タクシー組も増加傾向にあったが、会期全体の平均では3.2%とのこと。

 また、6月16日から導入された「東ゲート→西ゲート」徒歩ルートを利用した人は2.2%(1日あたり平均3500人)。会場内の外周バス「e Mover」やATC・コスモスクエア・弁天町発の連絡バス利用者を含めると、4.3%(7000人)が拡大された西ゲート来場枠を利用していた。

会期中イベントの実績も、集客力のあった花火は計67回開催

 そのほか、会期中イベントの実績も公開。ドローンショーを含む「One World、One Planet.」は、ドローン演出ありが127回、なしが57回と、およそ3回に1回はドローン演出なしでの開催となっている。

 夏休みから会期終盤にかけて日程を追加した花火イベントは、計67回開催。ナショナルデー・スペシャルデーは165回と、ほぼ毎日開催できたようだ。

バーチャル万博も大盛況となった

最終日の総合満足度は93%! 来場者アンケートの結果は?

 来場者アンケートは、119万801人が回答。「万博をほかの人にもお勧めしたい」「また来場したい」「総合的に満足した」のは平均7割、なかでも最終日(10月13日)の総合満足度は92.8%を記録している。

会議資料では、ポジティブな意見の一例を紹介。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを実感できた人も

 万博ロスに向き合う人、万博を卒業して次のステージへと進む人、気になってはいたけれど一度も行けなかった人、なぜこれほど話題になっていたのかよく分かっていない人。当時のニュースと公式データを見比べてみると、また違った見え方や新たな気づきがあるかもしれない。