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園芸博の来場者数はどのくらい? 横浜市らが道路・鉄道の混雑対策を検討、マイカー利用は3割想定
2025年12月23日 18:45
- 2025年12月23日 実施
横浜市・神奈川県・GREEN×EXPO協会は12月23日、「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置し、横浜市役所にて第1回の会議を実施した。
3者のほか、国や自治体、交通事業者、経済界の関係者などが集まる組織。GREEN×EXPO 2027の期間中(3月19日~9月26日)、周辺地域における道路・鉄道の混雑を緩和するため、移動する時間や経路などを分散するよう呼びかける「交通需要マネジメント」の取り組み内容を検討・調整する。
第1回では、協会が別途設置している輸送対策協議会による「来場者輸送実施計画 初版」に基づき、今後の方向性について確認を行なった。
GREEN×EXPO2027の来場者数(想定)
期間中の有料来場者数は、「2027年国際園芸博覧会基本計画」において1000万人に設定しているところ、来場者輸送計画では余裕をもって1200万人と想定。地域別の来場者数は関東圏が約9割、神奈川県は約4割を占める見込みとなっている。
日別の来場者数は、開催時期や夜間イベントの有無を踏まえて、開催期間192日を4ケースに分類。平日・夜間なし(80日)が4.7万人、平日・夜間あり(47日)が5.6万人、土休日・夜間あり(46日)が7.9万人、繁忙期であるGWと9月の土休日(19日)は10.5万人としている。
繁忙期における1日の時間別入退場者数は、開園時9~10時台に来場者数の約3割(3.3万人)が集中。昼から夕方(12時30分~17時30分ごろ)にかけて2万人弱の入退場が重複し、退場者は閉園前の20~21時台に集中する見込みとのこと。
会場へのアクセス、交通機関ごとの割合
会場までは直結する公共交通機関がなく、付近4駅(瀬谷、三ツ境、南町田グランベリーパーク、十日市場)からシャトルバスやタクシーを利用するか、主要ターミナル駅・空港からの直行バス、団体バス、自家用車(パーク&ライドを含む)での来場となる。
そのため、付近4駅と路線、横浜・新横浜などの乗り換え駅、周辺道路や主要幹線道路(東名高速・保土ヶ谷バイパス)の混雑が予測される。
繁忙期における交通機関別の来場者数は、鉄道利用が4.4万人(シャトルバス・直行バス・タクシー・駅からの徒歩を含む)、自動車利用が5.6万人(団体バス2.4万人+自家用車3.2万人)、自転車・徒歩・自動二輪利用が0.5万人。
割合でみると、鉄道が全体の42%、団体バスが23%、自家用車が30%、そのほか5%。鉄道利用が約7割となった大阪・関西万博よりも、かなり自動車利用の比重が大きくなっている。
環状4号線・八王子街道など周辺道路の混雑予測
会場への主要なルートとなる環状4号線では、下り線において、繁忙期の9~10時台に最大交通量を超過する可能性がある。
同じく主要ルートの八王子街道は、現況の2車線から4車線に拡幅となるものの、一部の時間帯(上り線:繁忙期の20時台、下り線:繁忙期の9~10時台)では、推計値が拡幅後の時間あたり交通量を超過するとみている。
そこで、上記2線を含む上瀬谷周辺(会場地区内道路、瀬谷地内線、三ツ境下草柳線)では、日常的な渋滞の解消やまちづくりをかねて、4車線拡幅や交差点立体化など容量拡大を実施中。
繁忙期においても現状を大きく超える混雑は想定していないが、ひとたび渋滞が発生すれば、その緩和に時間を要し、シャトルバスの運行にも影響するおそれがあるとのこと。
相鉄線・東急田園都市線・JR横浜線の混雑予測
シャトルバス発着地となる瀬谷、三ツ境、南町田グランベリーパーク、十日市場の4駅を含む3路線については、来場者輸送が上乗せとなった場合も、JR横浜線を除き混雑率が100%を超えない予測となっている。ただし、主要ターミナル駅である横浜・新横浜駅の乗り換え動線などは、現況よりも混雑する見込み。
もっとも混雑する時間帯を各社にヒアリングしたところ、東急田園都市線(南町田グランベリーパーク)は、祝日のピーク時間帯(9時30分~10時30分)の急行・準急に来場者が集中乗車したと仮定しても、混雑率は100%に満たないとのこと。
相鉄線(瀬谷、三ツ境)においても、土休日の日中時間帯(11時~13時)に上り・下りの片方のみに来場者が集中乗車したと仮定しても、同じく100%に満たないという。
またJR横浜線(十日市場)では、平日夕方の通勤時間帯(17時30分~18時30分)に来場者が乗車しても、混雑率が100%を超えるものの、通常の利用状況と大きな変化はないとしている。
GREEN×EXPO2027における交通需要マネジメント(TDM)の進め方
4月13日~10月13日に開催された大阪・関西万博でもTDMを実施しており、パートナー企業に対して在宅勤務や時差出勤、通勤ルート・手段の変更などを呼びかけたほか、大阪メトロ中央線や阪神高速においては削減目標値を設定。来場者輸送を除く、通常の交通量に対して1割程度の削減効果があったとのこと。
GREEN×EXPO2027でも、大阪・関西万博と同様に、会期末の約1年前にあたる2026年秋ごろに1週間程度「TDMトライアル」の実施を検討する。
推進会議の会長に就任した横浜市 副市長の平原敏英氏は、TDMの効力について「市民・企業のみなさまの行動を規制するものではなく、できる範囲で協力を呼びかける取り組みなので、大阪の実績を踏まえても、やっぱり極端に減るってことはない。ピークが下がって、そこに園芸博の交通量が入っても、普段とあまり変わらないという状態に持っていきたい」と説明。
あわせて「来場者に対しても、駐車場を予約することによって分散化を図ったり、渋滞予測などを出したりして、分散平準化を図っていく」と意気込みを語った。
©Expo 2027




































