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万博おばあちゃんと「未来の都市」パビリオンを巡るツアーに密着
2025年8月8日 17:35
- 2025年8月7日 取材
キッザニアは8月7日、大阪・関西万博のEXPOアリーナ「Matsuri」で、子供たちが主役のイベント「こどもミライ祭り」を開催した。さまざまなステージイベントや体験ブースが用意されており、“万博おばあちゃん”として知られる山田外美代氏と一緒にお隣の「未来の都市」パビリオンを巡るツアーも実施された。
万博おばあちゃんのツアーには、事前募集で集まった8名の子供たちが参加。万博おばあちゃんと一緒にパビリオンを巡ることで、未来について考え、アクションについて一緒に考えるという内容だ。
「未来の都市」パビリオンでは、貸し出されたタブレットを使い、一般来場者と一緒に2035年の未来の社会課題の解決に際し、提示された選択肢に投票という形で参加することを体験した。
その後、そうした社会課題の解決につながりそうな最新のテクノロジーを紹介する参画企業各社の展示を見学。最後に万博おばあちゃんとのツアーで体験したことを振り返り、一人ずつ自分の言葉で「未来を変える!アクション宣言」を考えた。
万博おばあちゃんは、参加した子供たちに向けて、「今いる世界と違うものを見たと思うんだけど、自分たちが夢を持つってどんなことっていうのが分かりましたか? 自分たちが何かつまらないことがあっても、絶対その先には素晴らしいことが待っていたり、そして悩まなければいけないことがあったり。ですけれども、人生ってすごい楽しい。どんなくじけてしまうときも、ぜひ前を向いて歩いていって、お父さんお母さんと一緒に万博の素晴らしい世界を感じてください。ぜひ今日のお話、お家に帰ったら全ての家族の人に伝えてね」とアドバイスしていた。
未来を作る子供たち必見の「未来の都市」パビリオン
ツアー終了後には、今回のツアーに協力したKDDI ブランド・コミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 大阪・関西万博準備室の室伏宏通氏と西田清美氏にお話を伺った。
――そもそもなぜKDDIが今回の万博に関わることになったのでしょう?
室伏氏:KDDIでは万博に対して協賛したというよりは、この万博の「未来の都市」の事業に協賛したというところが強く、この「未来の都市」パビリオンのテーマがSociety 5.0の未来社会ということで、サイバーとフィジカルの融合みたいなところを謳っている中で、KDDIとしてはそことかなり親和性が高い、そのテーマに共感できたというところで協賛をすることを決めたという経緯があります。
――実際にパビリオンを運営されてきて、客層などの特徴は見えてきましたか?
室伏氏:普段の客層でいうと、小さなお子さんからおじいさん、おばあさんまで、さまざまな方がいらっしゃるんですが、特徴としては団体客が会場の中でも一番多いパビリオンになっています。修学旅行とか遠足で来るお子さんがすごく多いんです。
――そこにはどんな理由があるのでしょう?
室伏氏:やっぱりいろんな企業が一つのところに入っていて、各社の技術を紹介しており、いい意味で技術館に近いところがあり、学びが多いというところが大きな理由なのかなと見ています。
パビリオン自体もそうですし、我々は日立製作所さんと共同で展示していますが、我々も小学5年生までのお子さんをメインターゲットにしているので、とくにそういった小さいお子さんに楽しんでもらうことを考えています。
――つい先日も参院選がありましたが、「Mirai Theater」ではスマートフォンを使って来場者みんなで投票して未来を選択していくという体験が行なえます。どんな狙いがあるのでしょう?
室伏氏:やっぱり自分たちの声をあげることをして欲しいなと思ったので、そこを意識して作りました。確かに今は多数決で一番多い票を集めた結果というのが最終的な世界に反映されているんですが、実は多数決で一番になったものだけでなく、他の選択肢もまばらに入れるような工夫もしていて、多数決で方向性は決まっているかもしれないけど、自分たちの声が全く届いていないわけではないということも伝えたかったところです。
KDDIは通信のプラットフォーマーみたいなところもありますが、我々は今回の提示を通して、「自分たちのこの技術すごいでしょ」っていうのを主張するというよりは、「皆さんの選択を裏支えできるサポーターである」ってところを伝えていきたいな、と考えたんです。
――提示される選択肢なんかを見ていると、突拍子もない未来的なものではなく、技術的には今でも十分に実現できそうで、法律の面での壁さえ取り払えたら社会実装が行なえるのではないかと感じられました。
室伏氏:そうですね。今回の展示では、すごい遠い未来ではなくて、2035年ごろという近未来の課題を考えています。2035年というと、もう10年後なので、今想像できないことというよりは、今ある技術アセットの新しい組み合わせで実現できる社会が描かれています。自動運転やオンライン診療などは、技術的に難しいということではなく、どちらかというと法律の壁の方が強いとも言えるのかもしれません。
――今回はキッザニアや万博おばあちゃんとのコラボイベントになっていましたが、今後についても教えていただけますか。
西田氏:会期は10月までということで、あと2か月ぐらいしかないんですが、広く子供たちに楽しんでもらえるパビリオンであるということを伝えていきたいですね。キッザニアさんとは、万博が終わったあとも万博を振り返るようなイベントや企画をやっていきたいと思っています。
――ありがとうございました。
ARデバイスを装着して入り込むモンスターハンターの世界
ちなみに、KDDIでは「未来の都市」パビリオン以外に、カプコンが「大阪ヘルスケアパビリオン」併設のXD HALLで運営する「モンスターハンター ブリッジ」にも協力している。
壁面が360度スクリーンになった円筒形のシアターのなかで、専用のARデバイスを装着してモンスターハンターの世界を体験できるというもの。シアター内で各回約20名の参加者と一緒に、ゲームにも登場する人気キャラクターのアイルーがガイド役になってモンスターハンターの世界に入り込める。
残念ながら、こちらはARデバイスを使うということもあり、7歳以上(7歳~12歳は保護者・監督者の同伴が必要)という年齢制限が設けられているが、コントローラーを手に持たずにプレイする次世代のゲームの形も体験できることから、新しいガジェット好き必見の体験コンテンツと言えるだろう。
なかなか予約が取りにくい体験コンテンツとなっているが、1日に3回、当日予約枠の開放も行なわれているとのことなので、万博会場を訪れる際にはチェックしていただきたい。





























