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万博で8~10月のフェリー利用者大幅増! 実態を各社に聞いてみた
2025年10月31日 12:00
2557万人が訪れた「大阪・関西万博」も、184日間の日程を無事に終えた。会期中は大阪・関西のみならず、各地方からの遠征で万博を訪れるなかで、九州・四国方面から「夜行フェリーで万博に訪れる人々」の姿が目立ったという。
九州・四国から移動ついでにフェリーでひと晩過ごし、朝に到着して鉄道に乗り換えて万博会場入り。行き・帰りともにフェリー泊という「0泊2日・万博ツアー」を組む人々が、各社ともかなり多かったようだ。
実は4月~5月の時点でフェリー各社にアンケートを取っており、これが閉幕後にどのように変化したかを聞いてみた。
愛媛県発「オレンジフェリー」万博アクセス手段の理想形? 到着後休憩OKがもたらしたメリット
愛媛県・東予港~大阪南港を結ぶ「オレンジフェリー」は、開幕当初から会場までのバス運行も含めたツアー「万博アクセスプラン」の利用が多く、5月22日の時点で「徒歩客115%増」(約1600人増)という実績を挙げていた。その後、どうなったのだろうか?
最終的に、4月~10月の期間中には「徒歩客135%増、人数ベースで1.7万人プラス」という、大幅な利用者増を記録したという。
また、オレンジフェリーは早朝6時に大阪南港へ到着したのち8時まで滞在できるため、万博アクセスプランの会場を結ぶ専用バスも、朝の大阪南港が7時40分発・8時40分発の2本、夜の万博会場発が19時00分発・21時00分発と設定された。これに加えて、6時の到着とともに、ニュートラム・大阪メトロ中央線と地下鉄を乗り継いで夢洲駅に移動して、9時の開門前に東ゲートに並ぶという手もあった。
フェリーが発着する東予地域だと高速バスという選択肢もあるが、5~6時間で大阪に到着するため昼便しかなく、現地での1泊は必至だ。一方でオレンジフェリーは、夢洲に近いベイエリアにもともと発着していたこともあり、うってつけの万博アクセス手段として、爆発的に利用者が増加したのだろう。
なおオレンジフェリーによると、南港発のバスは早めに会場に到着する7時40分の便、万博会場発はバスからドローンショーを眺めることができる21時00分の便が人気で、利用も9月がもっとも多かったという。
万博アクセスでおおいに活用されたオレンジフェリーだが、担当者によるとほかにも収穫はあったという。乗客から「初めてフェリーを利用する」「個室化して初めて乗船する」との声が多かったそうだ。
オレンジフェリーは万博アクセスに力を入れたことで、CMを打ってもなかなか得られない「新規客層の掘り起こし」に成功したようだ。万博閉幕後も、夜行バスがない東予~大阪間で「出張にも、観光にも、意外と便利!」と気づかれて利用されるか。チャンスを掴んだ今後のオレンジフェリーに注目だ。
香川県発「ジャンボフェリー」降りずに船内で1泊過ごすふね泊が好評
香川県・高松東港~神戸・三宮港を結ぶ「ジャンボフェリー」も、0泊2日の「弾丸フェリー」利用者がかなり多かったようだ。
お話を伺ったところ、もともと利用者が増加していたところに、8月ごろからさらに増加。9月は深夜1時00分・高松東港発の便の利用が増加しており、そのまま鉄道で三宮~夢洲間を移動、東ゲートに朝から並んだ方が多かったようだ。担当者いわく「すべての方が万博に行くかどうかは調査しようがないが、ミャクミャクの紙袋を持った利用者をかなり見かけた」とのこと。
ジャンボフェリーとしては、三宮~夢洲間が1時間近くかかることもあってツアープランを設定しなかったものの、関連会社の高速バス「フットバス」の万博セット券は好評だったという。
そして、三宮港を夕方に出港した船に乗り、高松東港で下船せずに折り返すという「ふね泊」も好調だった。
ふね泊は19時ごろに船に乗り、朝7時には下船するため、実質的に「ホテル1泊」と変わらない。にもかかわらずロフトプラン4999円、ファミリー個室7999円と、万博によって高騰しきったホテル宿泊代と比べても、そうとうにお手頃だ(別途サーチャージや週末料金あり)。ジャンボフェリーによると、「4~5月に比べて、7~8月はふね泊を利用されるお客さまが増加した」という。
なお、万博期間中以外もふね泊は好調のようで、土地不足で確保が困難な「三宮のホテル」代わりとして利用されているようだ。現在は三宮から1.5往復で高松東港に到着する「ふね泊1.5」も設定しており、今後どれだけサービスを拡充できるかに注目したい。

























