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成田国際空港、3月29日から保安検査にボディスキャナを導入、運用に先立ちデモ実施

2017年3月29日 運用開始

成田空港でミリ波を用いたボディスキャナの運用を開始

 NAA(成田国際空港)は3月29日、ボディスキャナ(AIT:Advanced Imaging Technology)の運用を開始した。これに先立つ28日、報道陣向けにデモンストレーションを公開した。

 ボディスキャナは、出国時の保安検査の際、従来の金属探知機に代わって危険物の検査を行なう機械だ。非金属の危険物についても検出できる点で、従来の金属探知機と異なる。今回の導入に先立ち、2015年10月~12月に運用評価試験を行なっていた。また、それ以前の2010年7月~9月にもボディスキャナの実証実験を行なっているが、その際はプライバシー保護の課題から導入を見送った経緯がある。

 導入されたのはミリ波を用いるドイツのSmiths Detection製のボディスキャナ「eqo」。プライバシーへの配慮として、今回導入される製品ではスキャン映像をイラストに置き換えている。また、メガネや装飾品などは普段、着用しているものとして認識するなど、高度な検出技術が用いられている。

Smiths Detection製のボディスキャナ「eqo」
ゲート前に手順を説明するパネルディスプレイを設置

 旅行客への周知として、ボディスキャナのゲート前に検査手順を説明する大型ディスプレイを設置。搭乗客はゲート通過後、指定の位置に立ち、両手を上げてその場でぐるりと回るよう指示される。

 結果は横にあるモニター上に表示されるが、何も検出されなければ、モニターに表示されたキャラクターが白から緑に変わる。一方、検出物のあった場合は、キャラクター上に検出箇所がマークされる。

 スキャンから結果の表示までは一呼吸あるものの短時間で、検出物があった場合のボディチェックも必要な箇所のみで、全身を検査するよりも手間を省ける。また、金属探知機の際のように、何が反応したのか分からず、何度もゲートをくぐり直すといった手間も省ける。

成田空港が導入するボディスキャナのデモンストレーション
検出物は、正面・背面を模したイラストの上に黄色いマークで表示される。検査官はこのマークを判断してボディチェックを行なう

 NAAは今回、成田空港全体で10台導入したが、従来どおりの金属探知機による検査レーンも併用される。まず実際の運用をスタートさせ、増設については今後検討していきたいとしている。