ニュース
成田空港、自動手荷物預け入れ機を運用開始。国際線では日本初
エールフランス航空、KLMオランダ航空、大韓航空、アリタリア-イタリア航空からスタート
2017年3月31日 14:06
- 2017年3月30日 運用開始
NAA(成田国際空港)は3月30日から運用開始する「自動手荷物預け機」を、報道向けに公開した。
従来、カウンターでスタッフが行なっていた手荷物の預け入れを、旅行客自身が行なう「ファストトラベル」の一環として導入される。スムーズで快適な空港を目指し、路線獲得につなげていきたいとしている。
導入されたのはオランダ・スカラベーの自動手荷物預け機「Bag Drop V8」が4基。同社の製品はすでに日本でも2015年、羽田空港のANA(全日本空輸)国内線カウンターに採用されているが、国際線としての導入は成田空港が日本初となる。
これを運用する航空会社は第1旅客ターミナル 北ウイング4階のDカウンターに構える4社。エールフランス航空、KLMオランダ航空、大韓航空、アリタリア-イタリア航空だが、アリタリア-イタリア航空の導入開始日は取材時では未定とされている。
自動手荷物預け機は、手荷物を入れる部分と、その横のタッチモニター、スキャナ、プリンタといった部分に分かれている。タッチモニターには自動手荷物預け機の操作手順が表示されるので、その指示に従って搭乗者自身が操作をしていく。
対応言語は14カ国語。日本語、英語、中国語(繁体字/簡体字)、韓国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、ドイツ語、ロシア語、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語。言語は本体タッチモニターのメニューから切り換え可能だ。
搭乗者はまず自動手荷物預け機の所定の位置に荷物を置く。このとき、搭載された各種センサによって預け入れ荷物のサイズや重量がチェックされ、問題があれば赤いランプが点灯して教えてくれる。
ゴルフバッグなど規定外の形状の荷物がある場合は従来同様、カウンターでの手続きが必要だ。次にタッチモニタの下にあるスキャナに搭乗チケット(紙のほかスマートフォンに表示する搭乗チケットにも対応している)をかざし、航空便の確認などを行なう。
問題がないことを確認して操作を続けると、手荷物タグがプリントされるので、それを搭乗客自身が荷物にくくり付ける。このタグの両端は粘着テープとなっていて剥離剤をはがす必要がない。そして次の操作を行なえば荷物を入れる部分の扉が閉まり、後ろに半回転することで荷物が奥へと移動する。
あとは後ろのベルトコンベアが通常どおり荷物を運んでいく。最後に、発券される手荷物引き換え証を受け取って完了だ。一連の手続きに要する時間はおよそ1分とのことだが、搭乗客が使用に慣れてくればさらに短縮できるという。まずは周知のために、大型モニターによる説明や、スタッフ2名を配置することで対応する。
担当者の説明によると、自動手荷物預け入れ機「Bag Drop V8」の特徴は、セキュリティの高さにあるという。カーゴ部分に扉があり、これが閉じられたあとは空港関係者以外が荷物に触れることはできない。また、カーゴが半回転する際に、3つのスキャナが手荷物タグをスキャンし、これが搭乗チケット読み取り時にプリントされたものと異なる場合は受け付けない。
もちろん、異なる自動手荷物預け機で発券したタグなども受け付けない。各段階で複数回荷物の重量を計測し、追加や抜き取りなど不自然な重量の増減を検知する。さらに、内部向きにセキュリティカメラも備えている。
まずは今回導入された4基で4カ月間の実証実験を行なう。そのほかの航空会社への採用は、今回の結果を受けて検討されるとのことだ。