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淀川の絶景を眺めながら屋台とBBQ! 淀川の新名所「ミナモ十三」に行ってみた
2026年8月12日 17:00
- 2026年8月8日 開業
堤防の上には屋台街、川沿いにはバーベキューエリア&クルーズ船が出現? ちょっと斬新なアクティビティエリア「ミナモ十三」(大阪府大阪市淀川区十三東1丁目地先)をはじめ、「WONDER BBQ FIELD 十三」「OSAKA BUS WONDER CRUISE」などが8月8日に一斉開業した。
現地は阪急電鉄の一大ターミナル・十三駅から徒歩5分で、河川敷含めて800mもの川幅がある淀川や、高さ180mほどもある梅田スカイビル・グランフロント大阪などの高層ビル群が一望できる。この場所でいただく絶品グルメや数々のアクティビティの爽快感は、ここでしか得られないものがある。
ただ、この一帯の施設は何度も計画の変更を余儀なくされつつ、実に1年4か月も開業が遅れた。万博に間に合わなかった事情も含めて、運営会社の社長や淀川区長にもお話を伺いつつ、今後の問題点や期待できる効果についても語ってみよう。
堤防上に、22店舗の屋台が大集結!
まずは、屋台街「ミナモ十三」に足を踏み入れてみよう。現地は阪急電鉄 十三駅から徒歩3分ほど。緩やかな坂を上ると、堤防状の平らな道路(天端部)に、コンテナ型の屋台が22店舗も並んでいる。出店のラインアップは、以下のとおり(駅に近い西側から順に記載)。
ミナモ十三 店舗一覧
・momose -旬の野菜とあてと酒-(バル・居酒屋)
・~YHYH~うほうほ~(カフェ&ダイニング)
・殿様の茶室(和スイーツ・軽食)
・たこ焼きハイボール酒場 ひさご(たこ焼き&居酒屋)
・炭火焼とり かかし(焼鳥)
・かつお食堂(海鮮居酒屋)
・韓国屋台 ハンジャン(韓国料理)
・串カツ100分 ま王(串カツ・一品料理)
・酒場 八(和食居酒屋)
・餃子とおでん ごんちゃん(餃子・おでん)
・STAND RAW WEST(創作居酒屋)
・Phed Phed(タイ料理)
・焼肉ゆずちゃん(焼肉)
・屋台のジャポニカ(大衆寿司居酒屋)
・鮨ジョー(鮨)
・大衆イタリアン wachichi(イタリアン)
・地鶏とらーめん 亜門(地鶏ラーメン)
・ライオンタコス(タコス)
・ごっすいぎょうざ(餃子)
・炉端焼きと日本酒 やじま(炉端焼き・日本酒)
・炭焼き地鶏 あんどう(焼鳥)
・蛸しゃぶと炭火焼き さえ季(蛸しゃぶ・炭火焼き)
ラインアップはたこ焼き・おでん・ラーメン・餃子・焼肉や、韓国料理・タイ料理など。カウンターで職人の方が寿司を握ったり、タコを丸々さばいたりと、ライブ感が満載。また共通メニューで、ほとんどの店舗がアルコールを提供している。
コンテナ状の屋台まわりには数席のカウンターがあり、数名が立ち飲みできるテーブル席を構えているところが多い。全体的にコンパクトで屋根が小さく「立ち呑みするには暑いかな?」と思いがちだが、夕方になると淀川から風が吹き抜けて、ちょうどいい塩梅に涼しく感じる。
十三といえば大阪でも指折りの飲み屋街であり、多くの店舗は共通メニューでアルコールを提供している。競争にならないのか?と思われがちだが、「ミナモ十三」はマンション街が近い宅地とあって、営業時間が23時までとやや短い。22時30分になると係の方が「オーダーストップです、撤収準備!」と各店に通達して回るため、もの足りない方は帰りに十三の街に繰り出すのもよいだろう。
ビル街を眺めながら、キュッと一杯!
まず、「串カツ ま王」に足を踏み入れてみた。
まだまだ昼の暑さが残るなか、冷えた日本酒をキュっと一杯。続いて出てきた「串カツ8本セット」は、沖縄県産ブランド豚「やんばるアグー豚」串の脂の旨味が絶品であった。ほかセットの串の内容は日ごとに変わるため、頻繁に訪れても飽きることはなさそうだ。
続いては「地鶏とらーめん 亜門」へ。どうやら地元・十三の方との交友が深いようで、カウンター席は女将さんのネットワークでずっと埋まっていたようだ。
開業日はどの店も想定外の人波でフードメニューの売り切れが早く、この店でもメインの「鯛醤油ラーメン」が、早々に売り切れたとのこと。辛いラーメンでも実力と旨味は十分に感じられたが、また再訪したい。
そして、屋台街で唯一のスイーツ専門店「殿様の茶室」には、早々から数十人の列ができていた。
店内には移動式の撮影スポットがあり、ここで「侍かき氷」(氷に上に刀が刺さっている)や「飲むわらび餅」などの和スイーツなどを提供してくれる。猛暑が続くなか、「殿様の茶室」の行列は、まだまだ続きそうだ。
そんな「ミナモ十三」にも、利用において気を付けた方がよい点がある。
まず、トイレは用意しているものの数が少なく(男性用は個室2室、小便器2つ)、オープン日には女性用を中心に長蛇の列ができていた。このエリアは阪急十三駅に近いといえどトイレは少なく、早めに対策を取っておいた方がよいだろう。また立地が堤防であるがゆえに、アクセス経路にはすべて坂や階段がある。一杯引っかけて呑んだあとは、ながらスマホを控えつつ、足元に注意して帰ることをお勧めしたい。
それでも、堤防を上がった先に延々と広がる屋台街と、川風を受けて高層ビルを眺めながらいただく絶品グルメは、ほかの屋台街では味わえない体験を与えてくれるだろう。
もう1つのアクティビティエリアは「BBQ&淀川クルーズ船」!
このエリアでは、「ミナモ十三」と同時にバーベキューエリア「WONDER BBQ FIELD 十三」を開設している。
数張も見えるタープテントには火おこしの道具も揃っており、BBQだけでなくカレー作りや飯盒炊飯などにも使用できるとのこと。梅田エリアからはこのBBQ場がもっとも近く、「高層オフィスビルで仕事を済ませて、10分~20分後にはもう肉を焼いている」といった、贅沢な使い方もできるだろう。
現地で伺ったところ、利用状況はかなり順調で、堤防を越えて多量の肉を搬入する人々も。目の前にある「ジオタワー十三」などの高層ビル街に住む人々もいて、地元の人々にかなり利用されている様子が伺えた。
なお、BBQには次のような利用プランがあり、Webサイトでの予約が必要となる。
WONDER BBQ FIELD 十三 料金設定
器材コース: 1名2200円(ナイト料金+1名300円)
食材付きコース: 1名3850円(ナイト料金+1名300円)
オプション: タープテント3000円(1張につき最大20名)
淀川の景色を独り占め。クルーズ船から阪急電車を眺める!
このBBQ場に隣接する「十三船着場」では、淀川の自然や眺望を堪能できるクルーズ船が発着している。1周20分のルートは環状になっており、船着場から1kmほど上流の大阪メトロ御堂筋線の淀川橋梁までさかのぼり、明治時代の末期に建造された水道橋の橋桁をまわりこんで、下流へ南下。そこから阪急電鉄の京都線・宝塚線・神戸線ならびに国道176号の道路橋をくぐり、上流に折り返すというルートをとっている。
乗船中は梅田の高層ビル群だけでなく、中津のマンション街や淀川の自然を堪能できる。この景色は、十三発着のこのクルーズ船でしか味わうことができないだろう。
なお、この航路もWebサイト(LINE)からの予約が必要だ(不定期運航)。10月からは使用する船体が別のものになるので、こちらもWebサイトを確認いただきたい。
運営会社社長と淀川区長に聞く「ミナモ十三」
開業に先立って実施したオープニングセレモニーには関係者が登壇したが、そのなかから「ミナモ十三」を運営するRETOWNの松本篤社長と、古川吉隆淀川区長にお話を伺った。
RETOWNは、大阪市から河川敷や水辺空間の「にぎわい創造拠点整備・管理運営事業」の委託を受け、各地でプロジェクトを展開している。「ミナモ十三」が1年4か月にわたって開業が遅れた要因は「行政基準の度重なる変更」であったという。
構想から設計当初は、「増水時に移設可能な簡易建築物」として淀川区や、 国交省(淀川河川事務所)とも屋台設置で合意していた。しかし、河川事務所の所長交代を機に、建築物の一切が禁止されてしまったという。そこから代替案として、 博多の屋台村をモデルにした「車輪付き移動式屋台」を提案。国交省および大阪市計画調整局は「建築物ではない」とみなし、計画進行を許可したという。
ところが、今度は大阪市計画調整局が「建築物として申請せよ」と指示を変更。RETOWN・淀川区の当初の約束と、国交省・大阪市の方針がそれぞれ矛盾し、プロジェクトの進行が「にっちもさっちもいかない状態に陥った」という。最終的に横山英幸大阪市長の仲裁で「建築確認申請は必須」「ただし、フォークリフトで即時移動可能、随時動かせる状態に」「四隅にアンカーボルト固定、非常時は外す」といった条件で合意。この行政協議だけで1年を費やし、大阪・関西万博には間に合わなかったという。
また「ミナモ十三」の残された課題として、「駐輪場がない」「河川敷に渡る道路の信号がない場所がある」といった懸念事項を上げた。こちらは施設外でもあり行政との連携も必要となるが、まだ整備のめどは立っておらず、「近隣の住民の方々の要望をもとに、信号や駐輪場整備に声をあげてほしい」とのこと。
ただ、建設にあたっての調整のおかげで「建築物」として飲食店許可を取得できたため、九州・博多などでよくある露店営業では提供できない刺身などの生鮮品メニューも提供可能であり、実際に提供されていた鰹たたきや寿司、タコしゃぶなどは、かなりの好評を得ていた。松本社長いわく、「これ(絶品グルメ)が差別化要因となる」と、グルメスポットとしての「ミナモ十三」に、自信を見せていた。
今後については、まず「ゴミ・騒音問題を順守したうえで、地域住民の安心を確保することを最優先とする」という。そのうえで、いま建設が検討されている鉄道新線「なにわ筋新線」が十三を経由することに期待を寄せ、「十三は梅田エリア~新幹線・新大阪駅間の経由地となる。インバウンドを含む世界中の人々にとって魅力的な街になるために、ミナモ十三が起爆剤となることを目指す」そうだ。
古川区長からは、本来であれば万博へのアクセス手段となるはずだった「舟運」計画の遅れについての事情が語られた。
本来であれば、万博が開催される2025年4月の時点で、各地への舟運航路が開設される予定であり、古川区長も「観光ルートとして、航路があればありがたい」という考えではあったという。しかし、現実的には淀川にかかる阪神電鉄の橋梁(現在架け替え中)が低いうえに、汽水が低い十三では川船、汽水が高い夢洲では海船への乗り換えが必要とあって、万博会場がある夢洲への航路開設は、実現が難しかったという。
そして、今後の「ミナモ十三」「WONDER BBQ」などのエリアでは、「飲食店の分母を増やし、さらににぎわいを生む」ことが期待されているという。近隣住民への騒音問題もあってやや営業時間が短いため、帰りには十三駅エリアの飲み屋街に立ち寄って、“はしご酒”で地域の魅力を堪能したうえで、帰っていただきたいとのこと。
深夜の騒音、ゴミ問題……。一部住民との融合も課題
「ミナモ十三」など各エリアの初日は、歩くのも困難なほどに多くの人々でにぎわった。一方で、近隣のマンション街との騒音・ゴミなどの問題もあり、開業前から地域住民との対話が続いているという。
ただ、当日インタビューした限りでは、「ミナモ十三」に対して意見が分かれているようだ。なかには、「淀川の河川敷にたむろしたり、バイクで騒音を立てて夜中まで走るような人々も見られた。一帯が夜まで明るく屋台化されれば、こういった迷惑行為の抑制になる」といった肯定的な意見も見られた。
一方で開業日には、駐輪場もない場所に迷惑駐輪が続発したり、食材やゴミの放置もそれなりにあった。こういった行為に「駐輪場を整備してほしい」「せめてゴミ箱を増やしてほしい」「閉店時間後は人がやかましく滞留しないようにしてほしい」という意見が聞かれたのも、至極当然の話だ。
課題はまだまだ残っているものの、SNSではすでに「このロケーションでの景色と、絶品グルメでしか得られない体験がある」と、評判を呼んでいる。「ミナモ十三」をはじめとするエリアがどこまで呑み屋街として受け入れられ、観光集客で結果を出せるのか。状況の推移を探るべく、何度でも訪れたい。












































