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JAL、台北路線就航60周年を記念して羽田空港で式典。藤田副社長「日本人向けに質の高いツアーが重要」

2019年7月30日 実施

JALの東京~台北線が就航60周年を迎え、記念式典が行なわれた

 JAL(日本航空)は7月30日、東京~台北路線就航60周年を迎えたことを記念し、羽田空港国際線ターミナルで記念式典を実施した。

 JALの東京~台北線は1959年7月30日に東京(羽田)~台北~香港線として開設。DC-6B型機を用い、週2往復/4便を運航していた。日本発便は日曜日と水曜日に運航。ダイヤは東京(23時50分)発~台北(翌05時15分)着~台北(06時05分)発~香港(08時30分)着となっている。

 その後、1972年の日中国交正常化の影響を受け台湾当局が路線停止措置を発したことで1974年4月に一時運休。その後、日本アジア航空(JAA)が設立され、1975年9月15日から羽田~松山線として運航を再開し、2010年10月30日までの32年間、JAAによる運航が続いた。

 現在はJAL運航に戻り、羽田~松山線、成田~桃園線をそれぞれ1日2往復/4便ずつ運航。東京(羽田/成田)~台北(松山/桃園)間では1日4往復/8便、週28往復/56便を自社運航するほか、チャイナエアライン運航便とのコードシェアも行なう充実した体制になっている。また、東京路線以外ではセントレア(中部)~桃園間、関空~桃園間もそれぞれ1日1往復2便を運航している。

 使用機材についても、羽田~松山線は2019年に入ってボーイング 777-200ER型機への変更が進められた。

JALの台北路線(2019年夏期スケジュール)

JL97便: 羽田(08時50分)発~松山(11時30分)着
JL99便: 羽田(18時15分)発~松山(20時55分)着
JL96便: 松山(09時10分)発~羽田(13時10分)着
JL98便: 松山(14時20分)発~羽田(18時20分)着

JL805便: 成田(11時10分)発~桃園(14時05分)着
JL809便: 成田(18時00分)発~桃園(20時55分)着
JL802便: 桃園(10時00分)発~成田(14時25分)着
JL804便: 桃園(12時50分)発~成田(17時15分)着

JL821便: セントレア(09時35分)発~桃園(11時45分)着
JL822便: 桃園(15時40分)発~セントレア(19時35分)着

JL815便: 関空(19時35分)発~桃園(21時35分)着
JL814便: 桃園(08時40分)発~関空(12時25分)着

日本航空株式会社 代表取締役副社長 藤田直志氏

 7月30日のJL97便搭乗口前で行なわれたセレモニーでは、JAL 代表取締役副社長の藤田直志氏があいさつ。台北線が60周年を迎えたことについて関係者や乗客に感謝の言葉を述べたうえで、「台北、高雄からは476万人を超える人が日本を訪れている。日本から出発されるお客さまは197万人。2020年に向けて800万人を目指そうと計画している」と日台間の交流人口についてコメント。

 式典後の囲み取材で、日本発、台湾発の比率を尋ねたところ、JAL便についてはそれぞれ約50%ずつで「理想的(な比率)」とし、台湾からの観光客がLCCを使っていることで訪日客増につながっているのではないかとの認識を示した。

 また、交流800万人の目標に対し、日本発需要の喚起について尋ねると「台北や高雄の観光業界と一緒になって、日本人のお客さま向けのよいツアーを作っていきたい。台北に何度も行かれるお客さまがたくさんいらっしゃり、個人旅行も増えている。例えば普段は行けないところ、あるいはしっかりとガイドさんが付いたツアーなど質の高いツアーを旅行会社と作っていくことが重要」との方針を述べた。

 ちなみに、一時は台北発便の訪日客が多く、日本人旅客に座席を提供できない時期があったというが、LCCの増加などで余地が生まれており、「日本発の観光旅行を作る素地ができてきた」との背景も示している。

 話は戻って、式典のあいさつでは続いて、「旅は人を豊かにする。見知らぬ土地に行って美味しい食事を食べ、人に出会い、素晴らしい景色に感動し、懐かしい景色に出会える。台北へご帰国のお客さまには機内で日本の楽しい思い出を思い出していただき再び日本に来ていただきたいし、日本を出発される方は有意義な楽しい旅行となることを祈念したい」とあいさつを占め、続いて台湾語で同様の内容をスピーチした。

国土交通省 東京航空局 東京空港事務所 東京国際空港長 森本園子氏

 続いて、来賓としてあいさつに立った国土交通省 東京国際空港長の森本園子氏は、「日本の中学、高校の海外修学旅行先の約2割を占めていると聞いている。一般のお客さまやビジネスのお客さまに加え、若い世代のお客さまが修学旅行というツールを使って、日台交流の一端を担っていることも喜ばしいこと」と、台北線の特徴について言及。

 2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて触れ、「成田空港とともに、アジアのハブ空港の一つとしての役割、そして大きな発展を期待されている羽田空港にとって、台北線は欠かせない路線だと考えている」と、60周年を迎えた同路線の重要性を強調した。

7月30日のJL97便に乗務する早川憲機長

 その後、式典では同日のJL97便に乗務する早川憲機長があいさつ。「台北のフライトの思い出をいろいろ話したいが、台北・松山に飛ぶようになったのが3年前からで、今回が5回目。普段は往復が多くなかなか泊まれない。泊まったときには台北の皆さんの非常に優しいおもてなしにうれしく思っている。今回も残念ながら往復のフライトで台北で泊まらずに戻らないといけないが、今日は非常に気候もおだやかでよいフライトができると思っている」と話した。

式典への出席者。左からJL97便の早川憲機長、東京国際空港ターミナル株式会社 常務取締役 國分博人氏、日本航空株式会社 代表取締役副社長 藤田直志氏、国土交通省 東京航空局 東京空港事務所 東京国際空港長 森本園子氏、司会を務めた遠藤CA

 JL97便の搭乗口には東京~台北線にまつわる品々も展示。就航時に使用されたDC-6B型機や、日本アジア航空時代に運航したDC-8-53型機のモデルプレーンのほか、日本アジア航空が運用したDC-8-61型機、ボーイング 747-100SUD型機、DC-10型機のイラストなどが飾られた。

 そして、搭乗時には乗客に記念品も配布。230名(幼児1名含む)の乗客が機内へと進み、台北へと旅立った。

台北線にまつわる航空機を紹介
1959年の東京~台北就航時の機材であるDC-6B型機
日本アジア航空1番機となったDC-8-53型機
座席供給数を大幅に増加させたDC-8-61型機
おなじみのボーイング 747-100SUD型機
名古屋~台北線就航当時の機材となったDC-10型機
1959年就航時のファーストフライトカバー
1961年の台北支店
1975年の日本アジア航空による東京~台北線初便の様子
搭乗客に記念品を配布
記念品はボックスメモとフリクションペン、搭乗証明書。搭乗証明書には当時の時刻表もプリントされていた
日本アジア航空の垂直尾翼ロゴ