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JAL、東京~ロサンゼルス線の就航から60周年。成田空港でセレモニーや歴代CA制服ファッションショー

大貫常務「需要規模は米就航都市でダントツトップ。拡大の余地はまだまだある」

2019年5月28日 実施

JALの東京~ロサンゼルス線が就航60周年を迎えたことを記念し、成田空港でセレモニーが行なわれた

 JAL(日本航空)は5月28日、1959年5月28日の東京~ロサンゼルス線就航から60周年を迎えたことを記念して、成田国際空港発便の搭乗口でセレモニーを実施した。

 JALの東京~ロサンゼルス線は1959年5月28日に、プロペラ4発機のDC-7C型機で就航。東京(羽田)~ホノルル~ロサンゼルスのルートで週3往復の運航をスタートした。その後、1960年にジェット機、1970年にジャンボジェット機ことボーイング 747型機を導入し、1975年にはまずは往路から直行化。成田空港への移管後も路線を維持し、現在は244席(ファーストクラス8席、ビジネスクラス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミークラス147席)のボーイング 777-300ER型機で運航している。

 就航時と現在の運航ダイヤは下記のとおり。就航日の1959年5月28日は木曜日となるが、通常の運航日は東京発が火・金・日曜、ロサンゼルス発が月・水・土曜となる。ロサンゼルス発便は1959年5月30日(土曜日)が初便となり、6月1日の月曜日に東京に到着した。

 60年前の就航時はホノルル経由とはいえ往路が25時間、復路が25時間35分の旅だったが、現在では往路9時間50分、復路11時間35分となっている。また、2015年3月には関空(関西国際空港)~ロサンゼルス線も開設。ボーイング 787-9型機で毎日運航し、日本~ロサンゼルス間は1日2便体制となっている。

JALの東京(羽田)~ロサンゼルス線(1959年就航時)

JL610/612/614便: 東京(22時30分)発~ホノルル(16時40分)着~ホノルル(19時50分)発~ロサンゼルス(翌07時30分)着、610便は日曜、612便は火曜、614便は金曜運航
JL611/613/615便: ロサンゼルス(14時30分)発~ホノルル(20時30分)着~ホノルル(23時00分)発~東京(翌々08時05分)着、611便は月曜、613便は水曜、615便は土曜運航

JALの成田~ロサンゼルス線(~2019年8月31日)

JL62便: 成田(17時20分)発~ロサンゼルス(11時10分)着、毎日運航
JL61便: ロサンゼルス(13時10分)発~成田(翌16時45分)着、毎日運航

JALの関空~ロサンゼルス線(~2019年8月31日)

JL60便: 関空(17時45分)発~ロサンゼルス(12時05分)着、毎日運航
JL69便: ロサンゼルス(14時00分)~関空(翌18時30分)着、毎日運航

日本航空株式会社 常務執行役員 大貫哲也氏

 セレモニーであいさつをしたJAL 常務執行役員の大貫哲也氏は、「60年ということでまさに還暦となるが、一口で60年といってもいろいろなことがこの路線にもあった」と振り返る一方、「ロサンゼルスは日本から行く北米の都市のなかでダントツでご利用が多い、アメリカ線一丁目一番地の路線」と需要の高さを紹介。

 また、「最近では(MLB)エンゼルスの大谷翔平さんを応援しており、我々JALにとって身近な路線。今日から61年目、そしてその先に向かって歴史はつながる」と、さらなる路線の発展を見据えてあいさつを閉めた。

 JALの北米西海岸路線はサンフランシスコ線を羽田空港再国際化の折に羽田へ移管し、ロサンゼルスは成田路線を継続しているが、セレモニー後に報道陣の囲み取材に応じた大貫氏に成田路線で継続している理由を尋ねると、「米就航都市で需要規模はダントツトップの我々にとって極めて重要な路線。また、アジア各地から成田をグローバルハブとして米西海岸とも人がたくさん行き来しているので、成田の豊富の路線とのマッチングを含めて成田に路線を置いているという位置付け」とコメント。客層も乗り継ぎ需要、ビジネス需要、プレジャー需要とバランスが取れているといい、「各層に豊富な需要がある」とした。

 一方、羽田空港の発着枠拡大後の羽田~ロサンゼルス線開設については、「当然候補の一つ」とする一方、「羽田をやるから成田がなくなるということはなく、需要拡大の余地がまだまだあると考えている」と話し、使用機材の大型化についての質問に対しても「(現在の777-300ER型機より)大きくてもお客さまはいらっしゃると思うが、それよりも便数を増やす方が利便に適う。その点でも羽田線、成田線の両方をやれればハッピー」とコメントした。

国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 石井靖男氏

 来賓を代表してマイクの前に立った国土交通省 成田国際空港長の石井靖男氏は、GPSや慣性航法装置といったナビゲーション装置が十分でないなどDC-7C型機での運航や、ロサンゼルス支店開設や現地の運航支援体制の確立など、「いかに大変だったか、近代化された時代しかしらない私には想像超える」「かの時代に開拓していくと言えるような苦労あったと想像する」と、まずは60年前の苦労に思いを馳せた。

 そして現在の話として、「日本とロサンゼルスは週77便の旅客便が運航されている、非常に混雑し、競争の激しい路線となっている。このように日米をつなぐ太いパイプとして経済と人の交流に寄与することになったのも、JALの60年の努力が寄与したと思う。航空を取り巻く60年間の変化のなかで運航を継続してきたことに敬意を表したい」と話した。

5月28日のJL62便の機長を務める江原泰博氏

 続いて、60周年記念便として運航されるJL62便の江原機長があいさつ。「歴史ある路線の記念日に乗務できることを光栄に思う」とし、「ロサンゼルス空港は操縦士として太平洋を渡って最初に着陸した思い入れのある空港。それが1997年11月で、今回のフライトは91回目となる」と紹介した。

 また、ロサンゼルスについてはパイロットとしても、ステイ先としてもよい場所であるとし、「皆さまいろいろな思いでロサンゼルスに飛んでいただいていると思うが、きっとワクワクしながら目的地に向かっているのではと、皆さまのことを思って操縦している」と話し、「いつもどおり安全で快適なフライトを提供したい」と言葉を締めた。

主催者ならびに来賓。左から江原泰博機長、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 石井靖男氏、日本航空株式会社 常務執行役員 大貫哲也氏、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 夏目誠氏、司会を務めたCA(客室乗務員)遠藤氏

 セレモニーでは続いてCA(客室乗務員)制服のファッションショーが行なわれた。ロサンゼルス線開設時に着用していた2代目を皮切りに、4代目、6代目、7代目、8代目、9代目と過去の制服を着用したCAがランウェイに登場。着用期間の世相やJALの歴史を振り返りながら、搭乗開始を待つ乗客を楽しませた。

 また、セレモニー会場には東京~ロサンゼルス線開設初期の時刻表や機内食メニューなど、歴史を感じさせるグッズも展示された。

2代目(1954年2月~1960年8月着用)
4代目(1967年3月~1970年6月着用)
6代目(1977年10月~1987年12月着用)
7代目(1988年1月~1996年9月着用)
8代目(1996年10月~2004年3月着用)
9代目(2004年4月~2013年5月着用)
JALロサンゼルス線の歩み
就航初便に使用していたダグラス DC-7C型機
東京~ロサンゼルス線就航時の国際線時刻表
1964年の東京~ロサンゼルス線で提供されていた機内食メニューカード
アメリカでのJAL国際線案内パンフレット
初便のFFC(ファーストフライトカバー)

 初便の搭乗客には、60周年を記念したロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手の写真入り搭乗記念証や、東京~ロサンゼルス線60周年記念ロゴ入りトートバッグ、同ロゴ入りメモパッドをプレゼント。大貫氏も搭乗口に立って搭乗客を見送った。

 ちなみに、5月28日の搭乗客は244人乗りに対して240名と搭乗率は98%超。先の大貫氏のコメントにあった高需要を、この日の同便でも示した。

搭乗客にプレゼントした記念品
トートバッグ
搭乗証明書
搭乗証明書は大谷翔平選手の写真入り
搭乗口で乗客全員に配布