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JAL、就航60周年を迎えたバンコク・スワンナプーム空港で記念イベント、歴代制服のCAがお出迎え

バンコク空港のサクララウンジは2017年3月リニューアル

2016年10月4日 実施

 JAL(日本航空)は、1956年10月4日に羽田(東京)~バンコク線が就航してから60年を迎えるのを祝い、バンコク・スワンナプーム国際空港で記念イベントを実施している。期間は10月3日~5日の3日間。

 JALのバンコク線は、「もはや戦後ではない」の言葉が生まれた1956年に就航。サンフランシスコ、ホノルル、香港に続く4都市目(当時米国統治下だった那覇を除く)の海外都市就航となった。タイ国際航空による日本路線開設は1960年のことで、日本の航空会社の方がかなり早い時期に日本とタイを結ぶ路線を開設したことになる。

 1956年の開設当時は、36~58名乗りのDC-6B型機を使って週2便を運航。1便は羽田~香港~バンコクのルート、もう1便は羽田~那覇~香港~バンコクのルートで運航していた。1990~2000年代にかけてジャパンエアチャーター、JALウェイズによる運航となった便はあるものの、これまで継続的に日本とタイを結ぶ路線として運航されている。

 その初便には当時の吉野信次 運輸大臣や、村上勇 郵政大臣も搭乗。羽田を23時59分に出発し、香港へ翌07時29分に到着、同09時00分に出発して12時40分にバンコクへ到着と、約14時間40分の運航時間だった。羽田~バンコク間の運賃はファーストクラスが片道10万7900円、往復19万4150円。ツーリストクラス(普通席)が片道8万650円、往復14万5200円。

1956年当時の時刻表
1956年当時の写真や、初便記念品、機内食メニューの写真など

 2016年10月現在では、羽田2便、成田1便、関空1便、中部(セントレア)1便の5便が毎日運航されており、12月からは成田便が1日2便に増便される。2015年度の利用者は約65万人という。

 バンコクの空港は2006年9月に現在のスワンナプーム国際空港が開港。それまでの主空港だったドンムアン空港から、JALを含むほとんどのエアラインが移転して、約10年が経過している。そのスワンナプーム空港には開港時からサクララウンジが設けられているが、10年が経過して老朽化してきたことや、日本国内のサクララウンジ改修によるクオリティ向上に合わせることなどを目的に、2017年3月にリニューアルオープンを予定している。

 このリニューアルに伴い、11月1日から4カ月間は閉鎖される予定。その間はワンワールド加盟航空会社のラウンジや、空港ラウンジなどを利用してもらうよう案内するとのことだ。

歴代の制服を着用したCA(客室乗務員)がお出迎え。左から、JAL現行、JAL 6代目、JAL 5代目、JALウェイズ、JAL 4代目、JAL 2代目

 冒頭のとおり、10月3日~5日にはスワンナプーム空港のJALチェックインカウンター前で、歴代の制服を着用したCA(客室乗務員)のお出迎えと、記念品の配布が行なわれている。さらに就航60周年の記念日となった10月4日は、日本から代表取締役社長の植木義晴氏も訪れ、搭乗客への記念品配布や記念撮影を行なった。搭乗客のなかには、5代目の制服を着て乗務していたという女性も居合わせ、制服とともに昔を懐かしんでいた。

 植木氏はパイロット出身として知られるが、自身が初めてバンコク線に乗務したのは1976年のことで、当時DC-10型機に乗務。ドンムアン空港がほとんどだが、1~2年ほどはスワンナプーム空港へも発着したという。思い出に残るフライトとしては、「バンコクから次の目的地が霧が発生して、バンコクに引き返したらバンコクも霧が起きて降りられない。そこでウタパオ空港へダイバートしたが、私がJALの乗務員として初めてウタパオ空港に降りた」というフライトを挙げた。

 この東南アジア路線、南回りヨーロッパ線での乗務は多く、「間違いなく100回以上はバンコクに来ていたので、第2の故郷という場所」と愛着もある様子。ビジネス面でも「海外35支店あるなかでも、一つの空港で1日5~6便体制はかなり規模が大きい。貨物取扱量も支店で最大。これからはASEANの中心としても注目していきたい」とした。

 加えて、「日本からタイへ行く人が約140万人、タイから日本へ行く人は約80万人だが、伸び率ではタイから日本へ行く人が多く、(日本から見た)インバウンドが追い抜く時期がくると思う。タイのお客さまは地方へ行く人が約40%とほかの国からの訪日客に比べて割合が大きい。日本では地方創生と言われているが、多くの地方の魅力をご理解いただいて、ますますタイと日本の架け橋となるよう頑張りたい」と意気込みを示した。

スワンナプーム国際空港のJALチェックインカウンター
就航60周年の記念品。しおりとボールペン
タイの民族衣装に身を包んだスタッフが記念品を配布
日本航空株式会社 代表取締役社長 植木義晴氏がバンコクを訪れ、記念品の配布などを行なった
搭乗客と話をする植木氏(左)。中央は日本航空株式会社 インドシナ・西南アジア地区代表 バンコク支店長の森本斉氏
5代目の制服を着て乗務したという女性客も乗客として居合わせ、記念撮影していた