旅レポ

就航50周年を迎えたJALのニューヨーク~東京線、ビジネスクラスに乗ってみた

高級ハンバーガーに感動。エアウィーヴの寝具で快眠

ニューヨーク線で使用されるボーイング 777-300ER型機の客室の仕様は「JAL SKY SUITE 777」(SS7)。記者はビジネスクラスの「SKY SUITE」を使用した

 JAL(日本航空)は、東京~ニューヨーク線が2016年11月12日で就航50周年を迎えたことを記念して、機内食で「JAL NY線 50周年記念メニュー」を9月1日~11月30日の期間限定で提供している。限定メニューは“ニューヨーク発”成田行きのJL003便とJL005便、ファーストクラスとビジネスクラスで提供されるのだが、そのJL005便(12時05分発~翌日16時35分着)に乗る機会を得たので、その様子をお伝えしたい。

「JAL SKY SUITE 777」の「JET-KEI(ジェット・ケイ)」でJFK空港を出発

 就航50周年を迎えた11月12日、成田国際空港ジョン・F・ケネディ国際空港それぞれでセレモニーが開かれ、その様子はすでに本誌でもお伝えしている。記者はジョン・F・ケネディ国際空港でのJL005便出発のセレモニーを取材したのだが、今の今まで取材していた空港スタッフたちに見送られ、そのままJL005便に乗り込んだ。

就航50周年記念のJL005便の機材は、ボーイング 777-300ER型機「JET-KEI(ジェット・ケイ)」

 JL005便の機材はボーイング 777-300ER型機。プロテニスプレーヤーの錦織圭選手の写真でラッピングされた、特別塗装機の「JET-KEI(ジェット・ケイ)」だ。客室の仕様は「JAL SKY SUITE 777」(SS7)で、ファーストクラスが「JAL SUITE」、ビジネスクラスが「SKY SUITE」、プレミアムエコノミークラスが「SKY PREMIUM」、エコノミークラスが「SKY WIDER」という構成。「JAL NY線 50周年記念メニュー」はファーストクラスとビジネスクラスにおいて提供されるため、今回はビジネスクラスの「SKY SUITE」、通路に面した「12D」席を使用した。

ボーイング 777-300ER型機のビジネスクラスの「SKY SUITE」は2-3-2という配置で、記者は中央左側、通路に面した「12D」席を使用した

 記念日のJL005便の搭乗客には全員に搭乗ゲートで、JALのロゴマークとリンゴ(the big apple:ニューヨーク市のニックネーム)に「JAL NYC=Tokyo 50th」と書かれたトートバッグがプレゼントされ、着席すると50周年の感謝を記した手書きのメッセージカードがCA(客室乗務員)から手渡された。

搭乗客には記念のトートバックと手書きのメッセージカードがプレゼントされた
ちなみに話は前後するが、チェックインもビジネスクラスカウンターを利用できるので、混雑を避けられる。また、預け入れ手荷物があれば、到着空港で優先して出てくるよう「プライオリティタグ」を取り付けてくれるのものうれしいサービスだ。また、JFK空港第1ターミナルにJALのラウンジはないが、エールフランス航空のラウンジを利用できる

ビジネスクラスシート「SKY SUITE」はシートも画面もテーブルもリッチな仕様

 JL005便は17名の乗務員、244名の搭乗客(記者含む)を乗せて、現地時刻12時06分(日本時間02時06分)にブロックアウト、同12時25分(02時25分)に離陸した。「JAL NY線 50周年記念メニュー」は、ニューヨーク~東京間の長いフライトのなかで、2回目の食事、というか1回目の機内食のあとにはいつでもオーダーできるというシステムのため、少し先の話となる。そこでシートベルトサインが消えたところで、自分が座っているビジネスクラスシート「SKY SUITE」を観察することから始めてみた。

 食事に仕事にとお世話になる「ダイニングテーブル」は、シート横に収納されている。フタを開け、少し見えているテーブルを1度下に押すと、反動で「ヒョコッ」とテーブルが飛び出してくる。それを引き出せばセッティング完了だ。

 テーブルは90度回転するので、食事のときは横向きに使用。飲み物などをちょっと置きたいときは縦向きにすれば、トイレなどに立つときにもジャマにならない。テーブルの広さは十分。13インチクラスのノートPCを置いて、さらにマウスを操作するスペースまである。

テーブルはシート横に収納されている。フタを開け、少し見えているテーブルを1度下に押すと、反動で「ヒョコッ」とテーブルが飛び出してくる。それを引き出せばセッティング完了
テーブルは90度回転するので、食事のときには横向きに。飲み物などをちょっと置きたいときには縦向きにすれば、トイレなどに立つときにもジャマにならない
テーブルは13インチクラスのノートPCを置いて、さらにマウスを操作するスペースまである。ユニバーサルAC電源やさらにUSB電源も用意されているので、ノートPCを使いながらスマートフォンの充電もできる
機内Wi-Fiサービスが用意されているので、手持ちのノートPCやスマートフォンでインターネットを利用できる。「1時間プラン」が10.15ドル(約1120円、1ドル=110円換算)、「3時間プラン」が14.4ドル(約1590円)、24時間以内であれば別の便でも継続して利用できる「フライトプラン」が18.8ドル(約2070円)。通信データ容量に制限はない。JALカードで支払えば割引サービスもある

 ビジネスクラス「SKY SUITE」のディスプレイのサイズは23インチ。往路の東京~ニューヨーク便で座ったエコノミークラスに搭載されていた10.6インチディスプレイも十分きれいで快適だったが、やはり大きいと見応えがあり、自分だけのミニシアター気分にひたれる。

 機内エンタテイメントシステムは「MAGIC-V」で、操作は手元の有線端末を使って行なう。端末はタッチパネルになっており、スマートフォン感覚で操作できる。搭乗した2016年11月12日時点で視聴できる映画には、「君の名は。」「シン・ゴジラ」などがすでにラインアップされていた。

ディスプレイのサイズは23インチ
機内エンタテイメントシステムは「MAGIC-V」だった
有線端末は据え付けられた状態でも使えるし、ロックを外して引き出せばスマートフォンのようにも操作できる。タッチパネルになっており直感的に使える

 機内エンタテイメントシステムの端末の下に、シートポジションを操作するボタン類が集約されている。ボタンによってヘッドレスト、背もたれ、レッグレストと個別に操作できるし、上にある正位置/リクライニング/フルフラットのいずれかのボタンを押し続けることでも操作可能。フルフラットのボタンを押し続けると、シートはじわじわと移動していく。フルフラットになったのを確認し、元に戻す。1回目の機内食の時刻だ。

機内エンタテイメントシステムの端末の下に、シートポジションを操作するボタン類が集約されている
各座席間はプライバシーパーテーションで仕切られており、その開閉もこのボタンで操作する。離着陸時は開けた(下げた)状態、シートベルトサインが消えたあとは基本的には閉めて(上げて)おく
上にある3つのボタンの真ん中、リクライニングのマークのボタンを押し続けた状態
3つのボタンの右にあるフルフラットのマークのボタンを押し続けた状態。ベッド幅は最大約65cm、ベッド長は最大約188cm
ファーストクラスの「JAL SUITE」
ファーストクラスは木目調のデザインで高級感があり、機内エンタテイメントシステムの端末などは、この木目調のパネルの中に収められている。もちろんフルフラットシートになり、ベッド幅は最大約84cm、ベッド長は最大約199cm
プレミアムエコノミークラスの「SKY PREMIUM」
エコノミークラスの「SKY WIDER」

ビジネスクラスの機内食にはアメリカンビーフの最高ランクが登場

 JALの国際線のファーストクラス、ビジネスクラスでは、「空の上のレストラン」をコンセプトに有名シェフが監修した機内食「スカイオーベルジュ BEDD(ベッド)」を提供している。搭乗時は、JALコーポレートシェフを務める内山直樹氏が監修したメニューが提供されていた。

 内山直樹氏は、ロサンゼルスの「スパーゴ」、ニューヨークの「ロイヤルトンホテル」、ハワイの「アラン・ウォン」、東京・六本木の「ウルフギャング・パック」の総料理長を歴任したという人物。

BEDDのメニュー
搭乗時はJALコーポレートシェフを務める内山直樹氏が監修したメニューが提供されていた
メニューは和食/洋食(肉料理)/洋食(魚料理)から選べる

 メニューは和食/洋食(肉料理)/洋食(魚料理)から選べる。記者はCAの古河さんが「一番人気ですよ」とお勧めしてくれた洋食(肉料理)をいただくことにした。

 まず「アミューズ・ブーシュ」として登場したのは「キノコとリコッタチーズのリエット」と「鴨燻製と根菜 洋梨のクリームチーズソース」。調理から時間が経過しているだろうに、「キノコとリコッタチーズのリエット」はソテーされたキノコの香りがよく、コリコリした食感も絶妙。

 通常リエットは肉をペースト状にしたものを指すが、キノコとチーズで作られたリエットはとても濃厚で食べ応え十分。写真の見映えのために用意したビールがどんどん減っていく。これはキレのいいシャンパーニュでも、どっしりめのシャルドネの白ワインでも合いそうだ。ちなみにいただいたビールは「Brooklyn Lager」。ニューヨークで人気の地ビールだそうで、コクとほのかな甘みを感じられるしっかりとした味わいだった。

「鴨燻製と根菜 洋梨のクリームチーズソース」は、カリフラワーやその仲間のロマネスコなどの野菜が豊富に盛り込まれ、燻製した鴨と一緒に楽しむ一品。鴨の繊細な味と香りを活かすため野菜があっさりとした味付けとなっており、濃厚なリエットの前にこちらから先に食べ進めるのがお勧め。

洋食の「アミューズ・ブーシュ」。ちなみに和食の「先付」と共通のメニューとなっている
「キノコのリコッタチーズのリエット」
「鴨燻製と根菜 洋梨のクリームチーズソース」
CAの古河さんが「オードブル」を持ってきてくれた

 続いて「オードブル」は「チキンとトリュフのテリーヌ 季節野菜のマリネ トリュフアイオリ」。鶏肉のミンチにトリュフを加えて固めたもの。おそらく胸肉付近を使っているためあっさりしているものの、パサつきはなく上手にしっとりと仕上げられていた。脂の匂いがジャマをせず鶏肉の旨みとトリュフの香りをしっかりと楽しめる、メインディッシュへのワクワクがより高まるオードブルだった。

 ここで一緒に登場したパンに手を伸ばしてみると、あまりの美味しさに驚いてしまった。しっかり発酵が進んだ気泡が入り、穀物の香りが立つ、本当に美味しいパンだった。バターも添えられていたが、記者はパンの香りを楽しみたくて、使うことがなかった。

「オードブル」は「チキンとトリュフのテリーヌ 季節野菜のマリネ トリュフアイオリ」
鶏肉の旨みをしっかり楽しめる仕上がり
パンまで美味しい!
「メインディッシュ」は肉料理を選んだ

 洋食(肉料理)の「メインディッシュ」として登場したのは、「USプライムビーフテンダーロイン モリーユ茸のクリームソース ほうれん草のマッシュポテト」。

 日本の牛肉に「A5」などの格付けがあるようにアメリカンビーフにも格付けがあり、高品位の「プライム」から、品質とコストパフォーマンスに優れた「チョイス」、そして赤身中心で低価格の「セレクト」となっている。この料理で使われているのは、希少な「プライム」に格付けされた高級肉のヒレ肉である「テンダーロイン」のステーキ。もうウンチクだけでも美味しいことが保証されている。

 火を使った調理ができない機内なので「ジュージュー」と湯気を立てているわけではないものの、「ズブリ」とナイフが厚い肉に入ると、その柔らかい感触に、手応えだけで「美味しい」予感。断面は見事なミディアム(レア寄り?)の焼き加減。

 欲張って大きめに切った一切れを口に放り込むと、肉質がとても柔らかい。
噛むと牛肉の旨みがじんわりじんわりと出てきて、ほどよい弾力と柔らかさも心地よく、空の上でこんなに「温かい・柔らかい・美味しい」ステーキを食べられることに感動した。

「メインディッシュ」の「USプライムビーフテンダーロイン モリーユ茸のクリームソース ほうれん草のマッシュポテト」
空の上で温かいミディアムレアのステーキを食べられる幸せ
付け合わせの野菜はブロッコリー、ニンジン、普通のジャガイモと紫じゃがいも

「デザート」は「小豆のパンナコッタ」。つるんとした食感で、コーヒーとともに美味しくいただいた。JALではコーヒーハンター川島良彰氏とのコラボレーションで「JAL CAFE LINES」と題し、こだわりのコーヒーを機内で提供している。11月のビジネスクラスで提供されていたコーヒーは「インサ ティエラデントロ」。コロンビア南部のインサ地区で収穫されるもので、香ばしさと酸味が心地よかった。

「デザート」の「小豆のパンナコッタ」

エアウィーヴ製の寝具でぐっすりと眠れる

食事が終わると機内は暗くなり夜の雰囲気に

 1回目の食事が終わると機内の照明が暗くなり、乗客は眠ったり映画を見たりと落ち着いた時間を迎える。機内食の片付けが終わると、バーカウンターでアルコールやソフトドリンク、お菓子などが用意されるので、その様子をのぞいてみた。

 バーカウンターにはワインやミネラルウォーター、チョコレートなどがあり、ここにもCA直筆の50周年への感謝を込めたメッセージカードがあった。乗客はここにある飲み物や食べ物を自分の座席に持ち帰ってもいいし、その場で立ち飲みを楽しむこともできる。

 カウンタースペースの壁面には小さな照明を備えた10の小枠があり、写真などを展示できる「スカイギャラリー」が設けられている。搭乗時は、キヤノンが提供した「信州の秋」というテーマで撮影された風景写真が飾られていた。

バーカウンターにはアルコールやソフトドリンク、お菓子などが用意されていた
「スカイギャラリー」では、キヤノンが提供した「信州の秋」というテーマで撮影された、長野県松本市、高山村、佐久穂町、小谷村の風景写真が飾られていた

 バーカウンターの撮影を終えて、記者も少々仮眠をとることに。頭上の荷物入れ(オーバーヘッドコンパートメント)に収納されているマットレスを下ろして袋から取り出す。枕とマットレスはエアウィーヴ製だ。

 フルフラットにしたシートの上に設置して横になる。記者は身長176cm台だが、足先のスペースにはまだまだ余裕があった。背中、腰、足を思い切り伸ばせるフルフラットはやはりとても快適。エアウィーヴのマットレスはほどよい弾力があり、気持ちよく眠ることができた。

マットレスは頭上の荷物入れ(オーバーヘッドコンパートメント)に収納されている
枕とマットレスはエアウィーヴ製
フルフラットにしたシートの上に枕とマットレスを設置する
身長176cm台の記者が寝てみると、足先のスペースにはまだ余裕があった
アメニティのスリッパはサラサラとした肌触りで心地よい。記者は28cmと足のサイズは大きめだが、ちょうどピッタリという感じだった

ビジネスクラスの和食は彩り豊か。さまざまな味を楽しめる

 短時間の仮眠だったが、フルフラットシートとエアウィーヴのマットレスのおかげでかなりリフレッシュできた。この環境でしっかりと睡眠時間をとれば、移動の疲労も最小限に、到着後も元気よく働いたり観光したりできそうだ。

 消灯時間は眠る乗客が多いため、CAも取材に対応しやすいということで、この時間を利用して、自分がオーダーしたもの以外の機内食を撮影させてもらった。

 まずはビジネスクラスの1回目の食事で提供される洋食(魚料理)の「メインディッシュ」から。これは「鱸のソテー シェルフィッシュガンボスープ仕立て」。スズキを焼いたものを魚介スープといただくという一皿。

洋食(魚料理)の「メインディッシュ」は「鱸のソテー シェルフィッシュガンボスープ仕立て

 ビジネスクラスの和食は「先付」「彩御膳(いろどりごぜん)」「台の物」「甘味」という構成。「先付」は洋食の「アミューズ・ブーシュ」と共通なので、「キノコのリコッタチーズのリエット」と「鴨燻製と根菜 洋梨のクリームチーズソース」が、「甘味」も同じく「小豆のパンナコッタ」が提供される。

「彩御膳」は「スモークサーモン 黄身酢和え」「鱸揚げ煮」「蟹飛竜頭 湯葉煮」「帆立といくら 蓮根明太射込み」「丸巻き玉子 鴨ロース 平目けんちん蒸し 銀鱈西京焼き 海老旨煮 ワカサギ甘露煮 蟹奉書巻き 穴子重ね盛り」と、さまざまな料理が盛り込まれ、見た目も華やか。

「台の物」は「赤鯛きのこ蒸し」「海老丸」「牛肉八幡巻き」が一皿に盛られ、炊き立てのご飯と味噌汁、香の物と楽しむ。海外発便では「南魚沼産コシヒカリ」を炊き立てで提供している。

ビジネスクラスの和食で提供される「彩御膳(いろどりごぜん)」
「スモークサーモン 黄身酢和え」
「鱸揚げ煮」
「蟹飛竜頭 湯葉煮」
「帆立といくら 蓮根明太射込み」
「丸巻き玉子 鴨ロース 平目けんちん蒸し 銀鱈西京焼き 海老旨煮 ワカサギ甘露煮 蟹奉書巻き 穴子重ね盛り」
箸置きは赤い鶴
「台の物」は「赤鯛きのこ蒸し」「海老丸」「牛肉八幡巻き」が一皿に盛られ、炊き立てのご飯と味噌汁、香の物と楽しむ
左奥から「赤鯛きのこ蒸し」「海老丸」「牛肉八幡巻き」
機内食で炊き立てのご飯を食べられるのはとてもうれしい

 ちなみにビジネスクラスのそのほかのメニューには、「鮭といくらの親子丼」「串焼き盛り合わせとモッツアレラチーズ塩麹」「4種のチーズのサッケッティーニパスタ 茸のソース」「キッチン飛騨“JAL特製野菜カレー”」「根セロリと洋梨のスープ」「JAL特製『九州じゃんがら』ヘルシーラーメン」「わかめうどん」「クロックムッシュ」「ポークカツサンド」「各種チーズの取り合わせ」が用意されていた。搭乗中にすべてのメニューを制覇する大食漢もいるそうだ。

 ビジネスクラスのドリンクメニューも豊富。シャンパーニュ1種、白ワイン3種、赤ワイン2種のほかに、日本酒の「上喜元 純米大吟醸」や芋焼酎の「富乃宝山」などの人気銘柄、ウイスキーやカクテル、ソフトドリンクなどを取り揃えている。

ビジネスクラスのそのほかのメニュー
ビジネスクラスはドリンクメニューも豊富

「JAL NY線 50周年記念メニュー」は鴨を使った和食とハンバーガーの洋食

取材の終盤、「JAL NY線 50周年記念メニュー」の洋食をいただいた

 ビジネスクラスで提供される「JAL NY線 50周年記念メニュー」は和食と洋食が用意され、1回目の食事終了後から着陸前のラストオーダーまでの間の好きなタイミングでオーダーできる。

 和食は「台の物」として「ニューヨーク産鴨ロース鍬焼き“BIG APPLE”添え」、「小鉢」は「焼き茄子」、それにご飯と味噌汁、抹茶ムース(ファーストクラスでは抹茶ムースが香の物になり、味噌汁の具がなめことわかめになる)。

 洋食はアメリカらしくハンバーガー。「フォアグラとビーフのスペシャルバーガー“BIG APPLE”スタイル」と「ヨーグルト ハニーフルーツ添え」(ファーストクラスではマンゴープリンになる)。

 消灯時間が終わり、東京に着く前に洋食をいただいたが、アメリカンビーフを100%使用したハンバーグは肉厚でジューシー。レタス、オニオン、トマト、グリルしたパイナップル、チーズ、さらにフォアグラを挟んだ贅沢なもので、かなりのボリュームだった。

 また、「JAL NY線 50周年記念メニュー」にはアルコールメニューもあり、先に紹介したニューヨークの地ビール「Brooklyn Lager」のほかに、JALのニューヨーク支店のスタッフが選んだワインも用意されていた。

 ファーストクラスでは白ワインの「Milea Estate Vineyard, Chardonnay」(シャルドネ100%)と赤ワインの「PAUMANOK "2013 ASSEMBLAGE"」(カベルネ・ソーヴィニヨン46%、メルロー36%など)が、ビジネスクラスでは白ワインの「Milea Estate Vineyard, Riesling」(リースリング100%)、赤ワインの「MACARI "BERGEN ROAD"」(メルロー56%、カベルネ・ソーヴィニヨン26%、カベルネ・フラン13%など)が提供される。

ビジネスクラスで提供される「JAL NY線 50周年記念メニュー」の和食
「ニューヨーク産鴨ロース鍬焼き“BIG APPLE”添え」
「焼き茄子」には鰹節も添えられている
ご飯と味噌汁
デザートは抹茶ムース
ファーストクラスで提供される「JAL NY線 50周年記念メニュー」の和食
味噌汁の具がアップグレードして、甘味が香の物になる
「JAL NY線 50周年記念メニュー」の洋食
肉厚ジューシーなハンバーグでとても美味しかった
ビジネスクラスでは「ヨーグルト ハニーフルーツ添え」、ファーストクラスでは「マンゴープリン」が添えられる
ビジネスクラスで提供される白ワインの「Milea Estate Vineyard, Riesling」(リースリング100%)
ビジネスクラスで提供される赤ワインの「MACARI "BERGEN ROAD"」(メルロー56%、カベルネ・ソーヴィニヨン26%、カベルネ・フラン13%など)

プレミアムエコノミークラスとエコノミークラスでは、50周年記念のチョコレートが付いてくる

 エコノミークラスで1回目の食事として提供されるメニューも紹介する。メインは「スパイシーチリチキン ご飯添え」か「鮭と野菜の甘酢餡掛け丼」から選び、それ以外は共通で「ビーフパストラミとポテトサラダ」「きんぴらそば」「フレッシュサラダ」「フレッシュフルーツ」「アイスクリーム」という内容。そして50周年ということで、記念チョコレートが添えられていた。

「スパイシーチリチキン ご飯添え」
「鮭と野菜の甘酢餡掛け丼」
就航50周年記念のチョコレート

 JALの東京~ニューヨーク線は1966年(昭和41年)11月12日に、東京からホノルル、サンフランシスコを経由してニューヨークまでを結んだ。就航当時の所要時間は東京~ニューヨークが19時間、ニューヨーク~東京が22時間かかっていたそうだ。50年を経た今では12時間台、14時間台と短縮され、本記事で紹介しているように機内の環境もサービスも進化している。

 ビジネスクラスの旅はとても快適なものだった。機内食は炊き立てのご飯や素晴らしい食事とアルコールを楽しめ、フルフラットシートとエアウィーヴの寝具で気持ちよく眠ることができる。移動の疲れも少なく、到着後は100%の状態で仕事に集中したり、観光したりできるだろう。「ビジネスセイバー」などの割引運賃も設定されているので、ここ一番のビジネスや親孝行のプレゼントに検討してみてはいかがだろうか。

就航50周年当日となる11月12日にジョン・F・ケネディ国際空港を出発したJL005便の乗務員の皆さん

編集部:稲葉隆司