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JALの米国担当者に就航60周年を迎えた東京~ロサンゼルス線について聞く。米国旅客をどのように日本へ?

2019年5月29日(現地時間)実施

日本航空株式会社 米州地区支配人室 ロサンゼルス支店 支店長 中島喜一氏(左)、日本航空株式会社 米州地区支配人室 副支配人 メイナー・ターナー(Maynor Turner)氏(右)

 就航から60周年を迎えたJAL(日本航空)の東京~ロサンゼルス線。そのロサンゼルス線の米国側担当者である、JAL米州地区支配人室 副支配人 メイナー・ターナー(Maynor Turner)氏と、ロサンゼルス支店長の中島喜一氏に、日米路線やロサンゼルス路線について話を聞いた。

 5月28日に成田、5月29日にロサンゼルスで行なわれたセレモニーでは、ともに「ロサンゼルスは米本土路線で1番の需要がある」という路線の特徴が語られた。一方、JALは中期経営計画のなかで、日本人と外国人の旅客比率を50対50にすることを掲げている。中島氏によるとロサンゼルス線については日本人が6割、外国人が4割程度とのことで、販売についても日本で65%、米国で35%といった割合だという。

 また、成田路線と関空路線では、成田路線のビジネス需要がやや高めである一方、関空路線は接続性がよいことからバンコクや台北からの乗り継ぎ需要が高いという。関空路線も搭乗率は90%を常に超えるレベルにあるそうだ。

 ターナー氏は、「日本政府は2020年に4000万人、2030年までに6000万人の訪日力という目標を掲げているが、すでに2000万人は超え、その目標は達成可能ではないか。我々もアメリカン航空やブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアーとのJV(共同事業)や、ワンワールドのアライアンスによって、日本人以外の旅客に利用いただける機会が増えており、もっと伸ばせると考えている。JALでもJNTO(日本政府観光局)と協働してプロモーション活動を行なっており、JALの従業員にもJNTO担当を置いて、常に米国のお客さまに日本を訴求している」との姿勢を示す。JVの効果については、アメリカン航空のWebサイトからJAL便を選んで購入する旅客の増加が顕著だという。

日本航空株式会社 米州地区支配人室 副支配人 メイナー・ターナー(Maynor Turner)氏

 インバウンド需要に関して中島氏は、「4000万人に届きそうだが、中心になっているのはアジアの国々。欧米、特に米国から日本への渡航客はまだ伸びしろがあるはず。アメリカの方は東京や大阪は知っていても、例えば名古屋を知らない方は多い。航空会社の役割としても、JNTOと一緒になるなどして、東京・大阪だけではない場所をPRし、JALの国内線にお乗りいただいて、お客さまを日本のいろいろなところに分散させることで、インバウンドの総需要を喚起したい」と話す。

 加えて、「もう一つのターゲット」として「例えば片道はクルーズ、片道は飛行機といった時間とお金のあるハイエンドなお客さまにもご利用いただきたいと考えており、クルーズ専門旅行会社などとも話をしているところ。そういった層でも、米国における日本への旅行需要を増やしたい」とした。

 日本~ロサンゼルス線の搭乗率については常に90%を超えるハイレートを維持する一方、最後の最後に空席となるのがプレミアムエコノミーとのことで、ファーストクラスやビジネスクラスはほぼ満席に近い状態を維持。ファースト/ビジネスクラスが満席近いのは米本土路線すべてで見られる傾向だという。

 となると、新たにターゲットとしている「ハイエンドなお客さま」をどのように受け入れるかという点が気になるが、中島氏は「2020年に羽田発着枠が拡大し、JALのみならず他社もアメリカ路線の枠が増え、供給は間違いなく増えてくる。日本行きのハイエンドなお客さまをお乗せするスペースがまた生まれる。(増えた供給をどのように販売していくかという点において)だからこそ、ハイエンドなお客さまに力を入れる必要があると考えている」と述べた。

日本航空株式会社 米州地区支配人室 ロサンゼルス支店 支店長 中島喜一氏

 米国人旅客に対するJALのサービスは特に機内食が評判とのこと。また、中島氏は「JALのサービスがこんなにすごいとは思わなかった。ニューヨーク~ロサンゼルス線は飛んでいますか?という問い合わせもあった」といった声も例示。「日本人向け、米国人向けといったサービスではなく、JALとして積み上げ、磨き上げてきたサービスを日本人以外の方にもご理解いただくために、まずは試してみていただきたい。間違いなく満足いただけるのではないかという我々の自負もあるし、そのための努力もしている。例えば、機内食についても、以前は『日本発は美味しいが、海外発は“なんちゃって日本食”になる』といったお客さまの声もあったが、ロサンゼルスから搭載する食事については、私どもが毎月機内食を製造するケータラーを訪れて味のチェックなどを行ない、改善を重ねている」と自信を見せた。