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JAL、東京~マレーシア・クアラルンプール線開設50周年記念セレモニーを成田空港で実施

「空の貴婦人」DC-8のモデルプレーンや当時の機内誌、時刻表などを展示

2017年5月8日 実施

写真左から6代目の制服を着用したCA(客室乗務員)、5代目の制服を着用したCA、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 夏目誠氏、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 次長 松本洋(ひろし)氏、日本航空株式会社 取締役会長 大西賢(まさる)氏、駐日マレーシア大使 ダト・アハマッド・イズラン・イドゥリス氏、マレーシア政府観光局 東京支局長 ノール・アズラン・アブ・バカール氏、日本航空株式会社 成田空港支店長 石橋正二郎氏、4代目の制服を着用したCA、現行の制服を着用したCA、JL723便 機長 今辻美至夫(いまつじみしお)氏

 JAL(日本航空)は5月8日、1967年の東京~マレーシア・クアラルンプール線就航から50周年を記念したセレモニーを、成田空港第2ターミナルの62番ゲート付近で実施した。

 セレモニーでは50年の歴史を振り返り、当時の機内誌、機内食メニューカード、時刻表などのアーカイブズ資料の展示、搭乗者への記念品のプレゼントなどが行なわれた。

駐機するボーイング 787-9型機
セレモニーはJL723便の出発前に、62番ゲート付近で行なわれた

 1967年5月8日就航当時は、DC-8-32型機(登録記号:JA8002)「NIKKO号」によって週1回の往復、羽田~香港~バンコク~クアラルンプールを往路は約9時間30分、復路は約10時間25分で運航した。

 その後、成田空港の開港とともに羽田から成田への移管、1980年の直行便の就航、2016年9月1日のボーイング 787-9型機の就航などを経て、50周年を迎えた。

ゲート付近では50年の歴史を振り返り、当時の機内食メニューや時刻表などのアーカイブズ資料が展示された
1970年のエコノミークラスの機内食メニュー
出発国と到着国の郵政と航空会社が協力して制作した「ファースト・フライト・カバー」
セレモニーの前に来賓に展示物の説明をするJALの大西賢会長(右)
DC-8-32型機(JA8002)「NIKKO号」の写真
DC-8-33型機(JA8006)「KAMAKURA号」の写真
DC-8-32型機のモデルプレーン
DC-10-40型機のモデルプレーン
セレモニーで挨拶するJALの大西賢会長

 セレモニーでは、JAL 取締役会長の大西賢(まさる)氏が搭乗客、来賓、路線の運航に関わる人たちへの感謝を述べたあと、「空の貴婦人」と呼ばれたDC-8-32型機や、1980年に直行便を実現したDC-10-40型機など、路線の歴史を振り返りつつ、現行のボーイング 787-9型機について、「JALの最新鋭機材、787-9には世界最高レベルのビジネスクラスのシートを搭載しております。さらにプレミアムエコノミーは10年前のビジネスクラスのシートに匹敵するものだと思っております」と客室の設備をアピール。

 安定した経済発展を続けるマレーシアは治安のよさ、食の安全などの観点から安心できる国であり、「マレーシアと日本を結ぶ架け橋として、安全運航を第1に、最高のサービスをお客さまに提供することで、世界で1番選ばれ、愛される航空会社を目指して精進していきたいと考えております」と、挨拶を締めくくった。

国交省 東京航空局 成田空港事務所 次長の松本洋氏

 続いて来賓の挨拶として国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 次長 松本洋(ひろし)氏が登壇し、「50年間、安全運航に尽くしてきた関係者の皆さまの熱意と努力に感謝を申し上げます」と述べ、1978年の開港以来40年近い歴史をクアラルンプール線と成田空港は歩んできたことに触れ、「この長い期間、多くのお客さまを運んできたことで、経済と文化の交流に多大なる貢献があった」と振り返った。

 そして、「今後も滑走路誘導路など関連施設の整備を進めるNAA(成田国際空港株式会社)、航空管制業務をはじめとする地上支援を行なう成田空港事務所、そして日本航空さまの三位一体で発展を続けたいと考えております」と話した。

駐日マレーシア大使のダト・アハマッド・イズラン・イドゥリス氏

 駐日マレーシア大使のダト・アハマッド・イズラン・イドゥリス氏は、セレモニー参加者への感謝と、JALへのお祝いの言葉を述べたあと、就航50周年を迎えた2017年は、日本とマレーシアの外交関係樹立60周年にもあたることに触れ、ビジネスと観光の両面で日本は常に重要だと話した。

 2016年1月~12月のマレーシアへの日本人観光客数は41万3768人であり、マレーシアを訪れる外国人観光客数の国別ランキングにおいてここ数年、日本は常に10位以内であること、そしてマレーシアからの訪日旅行者数もビザが不要になったことなどによりここ数年で劇的に増えていると紹介した。

 また、米国の海外移住専門誌「International Living」において、マレーシアは定年後に住みやすい国としてアジアのなかで唯一上位10位以内に位置付けられていること、海などの自然、料理などの文化と、優れた観光資源を多数備えていることについて説明し、「これらにより、マレーシアは年間をとおして魅力的な地です」とアピールした。

JL723便機長の今辻美至夫氏

 来賓の挨拶のあとには、JL723便の機長を務める今辻美至夫(いまつじみしお)氏が登場し、「私が初めてクアラルンプール線に乗務したのは約30年前、ボーイング 747型機の新人航空機関士としてでした。

 以来、乗務を続けてきましたが、クアラルンプールは気候が穏やかで食事が美味しく、何といっても人々の笑顔が素敵な国というイメージがあります。一方で、活発な積乱雲を避けながらの進入・着陸など、この地は副操縦士時代の私を鍛えてもくれました。

 最新鋭機ボーイング 787-9型機で皆さまを安全に、快適にクアラルンプールまでお運びします。そして、客室乗務員が最高の笑顔とサービスで皆さまをお待ちしております。どうぞごゆっくりおくつろぎください」と挨拶をした。

 セレモニーが終わると、搭乗客は50周年を振り返る展示物を見学したり、歴代制服を着用したCAとの記念撮影を行なったりして時間を過ごした。セレモニーでCAは、1967年5月の路線就航時に使用していた4代目の制服、香港のみを経由してクアラルンプールまでを結んだ1974年当時の5代目の制服、直行便が就航した1980年当時の6代目の制服を着用していた。

 そして11時からいよいよ搭乗開始。記念品として「搭乗記念証」「オリジナルマイ箸セット」「マレーシア観光ガイド」「クリアファイル」「ウェットティッシュ」を受け取り、ボーイング 787-9型機に搭乗していった。

 JL723便は定刻の11時20分にプッシュバックを開始。114名(幼児なし)の搭乗客、2名の運航乗務員、9名のCAを乗せて、A滑走路から11時56分にクアラルンプールへ向けて離陸した。

歴代制服を着用したCAとの記念撮影
搭乗客に配られた記念品
左から「クリアファイル」「ウェットティッシュ」「マレーシア観光ガイド」「オリジナルマイ箸セット」「搭乗記念証」
「搭乗記念証」は、DC-8-32型機の表紙に中面は日本航空株式会社 代表取締役社長の植木義晴氏のメッセージが印刷されている
「オリジナルマイ箸セット」には「TYO-KUL 50th anniv.」の文字
11時から搭乗開始
搭乗客に記念品が手渡された
定刻の11時20分にプッシュバック開始
JALスタッフが手を振ってお見送り
スタッフたちと手を振る大西賢会長
コックピットからの「Thank you!!」
114名の搭乗客を乗せて11時56分にクアラルンプールへ向けて離陸した