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JALの東京~ロサンゼルス線“就航60周年記念フライト”に搭乗。JALが注力する海外発和食などチェック
2019年5月30日 23:00
JAL(日本航空)の東京~ロサンゼルス線は、1959年5月28日の日本発初便から60年を向かえた。5月28日に成田空港を出発するJL62便、5月29日(現地時間)にロサンゼルスを出発するJL61便は、それぞれ搭乗口で就航60周年記念セレモニーが行なわれ、「記念フライト」の位置付け。機内ではパイロットやCA(客室乗務員)のアナウンスで、60周年記念フライトとしての歴史ある路線であることなどの紹介が付け加えられた。
ちなみに、現在の成田~ロサンゼルス線はボーイング 777-300ER型機で運航されており、ファーストクラス8席、ビジネスクラス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミークラス147席の計244席仕様。ロサンゼルス国際空港で行なわれたセレモニーでのJAL 代表取締役会長の植木義晴氏の言葉にもあったが、5月28日の成田発JL62便は搭乗率が95%を超え(240名搭乗)、5月29日のロサンゼルス発JL61便は約93%(224名搭乗)と、いずれも90%を超える搭乗率。
5月28日発のJL62便はファーストクラスに1席の空きがあったのだが、乗務したCAが「ファーストクラスに空きがあると、あっ珍しい、と思う」と話すほど、普段からファーストクラス、ビジネスクラスの搭乗率は高いそうだ。
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成田発とロサンゼルス発の機内食も紹介しておきたい。成田発JL62便は、離陸後に夕食、到着前に朝食が出る。離陸後の夕食は、若手シェフの料理コンペティション「RED U-35」のファイナリストの手によるもの。この日は、フランス料理の赤井顕治シェフによる「牛肉の赤ワイン煮込み ペンネ添え」または、中華料理の井上和豊シェフによる「麻婆仕立ての鶏そぼろ丼」からのチョイス。
サイドディッシュは赤井シェフによる「ラタトゥイユ」、井上シェフによる「たけのことインゲンの干しエビ香り炒め」。そしてデザートは井上シェフによる「なめらか杏仁」。サイドディッシュが中華寄りなので、記者もメインには「麻婆仕立ての鶏そぼろ丼」を選んだ。鶏そぼろと添えられた豆の味のコントラストが印象的で、中華料理ではあるが日本食のような味わいがあり、このあたりが麻婆“仕立て”というニュアンスなのかな、と感じた。また、デザートの「なめらか杏仁」も、言ってみればレストランでないと食べられない杏仁豆腐のような舌触りと風味で非常に美味しかった。
2回目の機内食は、「AIR Japanese Soba Noodles 蔦」。トリュフオイルが特徴のラーメン店「蔦」とコラボしたAIRシリーズ機内食で、5月31日まで提供しているもの。トリュフオイルと鶏油(チーユ)を合わせた特製タレを麺に絡めていただく混ぜソバで、自分でトッピングやタレを加えて作り上げる。
味が深すぎて、正直なところ記者の舌では「美味しい」以上の感想が出なかったのだが、あまり食べたことのない独特の風味。日本のラーメンとも、中華料理のラーメンともちょっと違うが、洋風というにはオリエンタル感のある不思議な感覚を抱く麺料理だ。トッピングの鶏肉、メンマもバランスがよく、メンだけで食べつつ、時折トッピングを交えてアクセントを付けて、とても美味しくいただいた。
一方のロサンゼルス発JL61便。こちらはロサンゼルスで搭載する機内食ということで、先に紹介したJAL米州地区支配人室 ロサンゼルス支店 支店長 中島喜一氏へのインタビューにあった「海外発の機内食も改善を重ねている」という点が気になるところ。離陸後、着陸前にそれぞれ昼食が提供される。
離陸後の1回目の食事は「豚肉の生姜焼き ご飯添え」「タイチキンカレー」からのチョイス。ここは海外発便での日本食を試してみた。日本の家庭で作られるような生姜焼きの味わいで、醤油味の主張も強すぎずお肉や野菜の風味が残り、赤生姜を効かせられるがアクセント以上の主張はない。先の中島氏の言葉を借りれば“なんちゃって日本食”では決してなく、むしろ“超トラディショナルな日本食”といった感じで、海外発の飛行機で日本食が恋しくなっている舌にはうれしい味ではないだろうか。
そして2回目の機内食はナポリタン。2回目の機内食としてはややボリュームが多い印象はあるが、シンプルな味付けのナポリタンで、箸休めにもなる野菜の美味しさもあって一気に平らげてしまった。
ちょうど6月から新メニュー提供の時期に入るが、機内食改善にJALの海外支店が取り組んでいるという視点も加えて、海外発便の機内食を楽しんでみてほしい。