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ANAグループ社員が集まり、平昌オリンピックに出場する社員アスリート、菊池悠希選手と床亜矢可選手の激励会

2018年1月12日 実施

ANAグループ社員が、平昌オリンピックに出場する菊池悠希選手と床亜矢可選手を応援

 ANA(全日本空輸)は1月12日、ANAHD(ANAホールディングス)、ANAの両社長や、グループ社員約50名が集まり、2月9日に韓国で開幕する平昌オリンピックに出場する社員アスリート、ショートトラック・スケートの菊池悠希選手と、アイスホッケーの床亜矢可選手の激励会を実施した。

 JOC(日本オリンピック委員会)が実施しているトップアスリートの就職支援プログラム「アスナビ」を通じてANAが採用した社員アスリートで、菊池選手は2016年度、床選手は2017年度に入社。ともに人事部に所属する。床選手は2014年のソチ大会に続く、2大会連続の出場となる。

 また、ANA社員ではないが、菊池選手の妹の純礼(すみれ)選手、床選手の妹の秦留可(はるか)選手も出場を決めており、ともに姉妹で平昌オリンピックに臨むという共通点もある。

ショートトラック・スケート女子代表の菊池悠希選手(左)と、アイスホッケー女子代表の床亜矢可選手

 1月12日にANA本社で行なわれた激励会では、まず2選手のこれまでの活躍をまとめた映像や、菊池選手が所属する帝産クラブの伴野コーチ、床選手が所属するSEIBU(西武)プリンセスラビッツのチームメイトや八反田監督、ANA所属アスリートで、2016年のリオデジャネイロオリンピックの400m個人メドレー競技で銅メダルを獲得した水泳の瀬戸大也選手からの応援メッセージがビデオ上映された。

 さらにサプライズゲストとして、両選手の家族が登場。菊池選手は両親、床選手はお母さんと弟、そして同じ平昌オリンピック代表の秦留可選手が来場した。

 菊池選手のお父さんは「小学生の頃から足かけ20年というスケート人生のなかで、やっと頂点に立つことができた。本人の努力もあったし、指導者の先生のお力もかなりあって、その結果、こうして皆さんの前で壮行会をしていただけるのは我々としてもうれしい」との喜びの言葉や、「昨年(2017年)の12月に名古屋で行なわれた最終選考会の折にも、大勢の皆さんにおいでいただき、観客席の一角がANAのブルーに染まったのは、私自身も本当に感動し、感謝している」との感謝の言葉を述べた。

 菊池選手に対しては「オリンピックは魔物が住んでいると言われるが、個人的な見解だが、魔物イコール、本人の第2の自分だと思っている。ショートトラックの大会は1万2000人の観客が見つめるなかでの大会なので、かなり緊張する。それを打ち破るには、本人たちがどうやっていったらよいのかということになると思う。今回ANAに採用していただいたので、本人の心と体を、ヘリコプターのエンジンからジェット旅客機のエンジンに載せ替えて、平昌の地で、(スケート競技の会場がある)江陵の地で、旋風を巻き起こしてほしい」をエールを送った。

 続いて挨拶した床選手のお母さんは、「私の幼い頃の夢は、今はキャビンアテンダントと言いますが、スチュワーデス。ANAの採用試験を受けさせていただいたが、残念ながら夢を叶えることはできなかった」と話し、会場が笑いの渦に。「主人も同じくアイスホッケーの選手をしているが、オリンピックという夢が叶わなかった。2つの夢を同時に叶えた亜矢可を誇りに思っている」と床選手を讃え、「チームの力を信じ、自分の力を信じ、平昌で頑張ってきて」と応援した。

 その後、ANAの人材戦略室や同期入社の応援団3名が登場。集まったグループ社員全員が起立し、団長のかけ声に続いて「フレーフレー悠希!」「フレーフレー亜矢可!」「フレーフレーANA!」と迫力あるエールを響かせた。

青いTシャツを着たANAグループ社員が集まり、2選手を激励
拍手に包まれて2選手が入場
ANA所属の瀬戸大也選手らからの応援ビデオメッセージを見る2選手
菊池選手の家族(写真左)、床選手(写真右)の家族がサプライズゲストとして登場。それぞれに我が子を応援
ANAの人材戦略室や同期入社が応援団を務め、集まった社員みんなでエールを送った

 そして、ANA代表取締役社長の平子裕志氏がマイクを持ち、「今日のネクタイは混じりっけのない本当のブルー。これで私の気持ちが分かっていただけるのでは。床さんのお母さん、一緒に仕事したかったです」と場を和ませる一声に続いて、「平昌出場おめでとう。ANAグループは4万人近い社員がいるが、全員が2人のサポーター」と2選手に声をかけた。

 平子氏は先に上映された、2選手の活躍をまとめたビデオに言及し、「事前にビデオを拝見していたが、訓練をしっかりしているな、大変な訓練を積んでいるなと感じた。これを見て、ある人を思い出した。元ANAのパイロットで、今は宇宙飛行士の大西卓哉さん。訓練の重要性について話をしていた。『訓練でできないことは本番ではできない』と。自分にどんどん負担をかけて、極限状態でセルフマネージメントできるまで訓練したことが、プレッシャーに打ち勝てた最大の要因だったと話していた。やっぱり100%の努力と、もっと上に行きたい、もっとよくなりたいという意欲がプレッシャーに打ち勝つ最大の要因ではないか」とアドバイス。

 だが、「……というと、どんどんプレッシャーがかかるのでこれ以上は言わない(笑)」と続け、「2人にメダルを取ってきてほしいというのはあるが、あえて封印して、まずはオリンピックの雰囲気を満喫して、心に余裕をもってゲームに臨んでほしい。まずはオリンピックを楽しむことを頑張ってほしい。(後ほど渡される横断幕に)私は『Yes, you can!』と書いたが、若干突き放しているイメージがあるので言い改める。『Yes, we can!』――これが今日のメッセージ」と力強く応援した。

全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏

 平子氏のブルーのネクタイに対して、こちらは金メダルをイメージしたという黄色のネクタイを締めたANAHD代表取締役社長の片野坂真哉氏からは、グループ社員からの応援メッセージが書かれた手作りの横断幕と花束を贈呈。併せて、サプライズゲストとして来場していた、床選手の妹、秦留可選手にも「(FWなので)どんどん点を取って」のエールとともに花束をプレゼントした。

ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長の片野坂真哉氏が、菊池悠希選手へグループ社員の応援メッセージが書かれた横断幕と花束を贈った
続いて、床亜矢可選手へも横断幕と花束。家族として来場し、姉妹でオリンピックに出場する床秦留可選手へも花束を贈呈

 両社長やグループ社員からエールを送られた菊池悠希選手は、「ANAのグループの皆さまのご支援のおかげで、いまこの場に建つことができたと感謝している。入社2年目となるが、1年目は勝ちたいという気持ちばかりが先行して思うような結果を出せなかった。そんななか人事部に帰ると、いつでも『結果は二の次でいい。菊池さんが努力している姿、挑戦している姿を見せてくれることが我々にとっての勇気になるんだ』と励ましていただいた」と、周囲の力で代表の座を勝ち取ることができたと感謝。

 平昌オリンピックについては、「最高のパフォーマンスが出せるように、残り1カ月を切っているが、自分自身をさらに高めて、笑顔で皆さんに結果を報告できるように頑張ってきたい。ANAグループの皆さんの応援を力にかえて精いっぱい戦う」と決意を述べた。

菊池悠希選手

 床亜矢可選手は、「ANAに今年度入社して、出社するたびにANAが大好きな気持ちになったし、これまで以上の環境を与えていただいたことによって、ソチオリンピック後に目標にしていた平昌オリンピックへの出場を決定できたと思っている」と感謝。

 さらに、「出社するたびに皆さまに温かいお声掛けをいただいて、なにも仕事はできないが、それでも皆さまに支えていただけていることが私の力となっている。本当にまだ1年目で、皆さまにこうやって支えていただけて、応援していただきながら、仕事とアイスホッケーができている私は本当に幸せだと思う。これからも仕事は少しずつできるように頑張っていきたい」と涙を見せる場面もあった。

床亜矢可選手

 2選手は試合や練習、合宿などで出社する回数も限定される時期があり、週2~3回ということもあれば、月1回ということもある。そうした合間に、例えば床選手が2017年10月に自身が企画をしてスケート教室を開くなど、競技の普及活動など業務面でもチャレンジをしているという。