旅レポ

寺社探訪、グルメ、文化……静岡県西部エリアの魅力満喫なおとな旅(前編)

浜松市を中心に古刹探訪にグルメと大人の上質体験を堪能

今回訪れたスポットの1つ、方広寺の山門

 静岡県というと何を思い浮かべるだろうか? 富士山にお茶、豊富な魚介類はもちろん、徳川氏や今川氏をはじめ、さまざまな戦国大名が名を馳せた地でもあるし、ヤマハやスズキなど著名なメーカー本社が集う、ものづくり企業の文化も盛んだ。

 静岡県は東西に長い県のため、旅行に行く際は富士山や伊豆を中心にした静岡県東部か、浜松、浜名湖を中心とした西部かで分かれるところ。今回注目したいのは西部エリアだ。というのも、2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台になるということで注目を集めているからだ。そんななか、静岡県はドラマの主人公である井伊直虎ゆかりの龍潭寺をはじめとする、“静岡おとな旅”プレスツアーを開催した。由緒ある寺院や歴史が育んだグルメ、文化が詰まった西部エリアの魅力を2回に分けてお届けしたい。

1口目でお茶の概念が変わる味に出会える「カネタ太田園」

 今回、最初に訪れたのが浜松市で茶の生産と製造、販売を手掛け、数々の品評会や共進会で受賞しているトップクラスの茶園「カネタ太田園」。お茶の産地で有名な静岡県にはいくつか茶どころがあるものの、そのなかでも天竜川の川岸の標高100~600mの山林地帯で作られる「天竜茶」は高級茶葉として有名だ。

 バスで山を登っていくと周囲が青いネットに囲まれた茶畑が見える。「カネタ太田園」は標高が高い場所にあるため日中の温度差が激しい。太田昌孝代表取締役によると「最低気温と最高気温の差があると自然のものは味が濃くなる」と言い、山で作るからこそうま味と甘みが強い茶葉ができるという。

標高が高い場所に「カネタ太田園」の茶畑がある
茶葉の栽培について語る太田昌孝代表取締役
秋に咲くお茶の花。ちょっとだけ残っていた

 とはいえ、厳しい環境でただ育てるだけは霜や冷たい風で芽や葉がやられてしまうため、数々の工夫を取り入れて栽培している。その1つが茶畑の周囲にある青いネットだ。畑を囲うことで、山から下りてくる風で葉が傷むのを防ぐとのこと。また、畑に入ると草が敷いてあって寝床のようにフワフワ。これは採草地からカヤなどを刈って畑の地面に敷き詰めることで、肥料が保持されると同時に冬の寒さや干ばつ防止に役立っているのだそう。

 また、自家製の堆肥を使って農薬は必要最小限に抑え、株を自然のままに育て茶樹本来の力を活かした「自然仕立て」で育てているのも特徴だ。収穫も、通常の茶畑では2回3回と複数回、機械で茶葉を摘むことが多いが、こちらの茶園では1年に1度、甘みが強い芽の芯と2枚目までの葉を摘み取るいわゆる「一芯二葉」を手摘みするとのこと。

農林水産大臣賞を受賞した畑も風対策の青いネットに囲まれている
こちらはまだ若い茶の樹。根を深く張らせるために切らずに伸ばしているとのこと
地面に刈った草を敷き詰めることで、保肥力アップや寒さ対策を行なっている

 丁寧に栽培されている茶畑を見学したあと、直売所でお茶の試飲をさせて頂いた。試飲で使うのは、お茶のうま味を最大限に引き出す茶器「七徳茶皿(ななとくささら)」。「ささら」と呼ばれるふちが波打った皿のくぼみに茶葉を入れ、湯冷ましで適度な温度に冷ましたお湯をそそぎ、茶葉が開いたら小ぶりの湯飲みにお茶を入れて飲むのだが、口に含んでみて驚いた。お茶独特の渋みや苦みがまったくなく、うま味と甘みが口に広がるのだ。一瞬、出汁を口に入れたのかと勘違いしてしまうほどのうま味である。

 緑茶は高温のお湯だと渋みや苦み成分が出やすい。湯冷ましと「ささら」を使って低温のお湯を入れることで甘みやうま味の成分のみ抽出するのが美味しさの秘密だ。ただし、どんな茶葉でもびっくりするほどのうま味と甘みが出るかというとそうではなく、やはり高い品質の茶葉だからこその味。この七徳茶皿を使ったお茶の試飲や茶葉、茶器の購入は直売所で可能だ。

「カネタ太田園」の直売所ではお茶の販売や試飲を行なっている
試飲では湯飲みとささら、湯冷ましの3点を使って行なう
ささらのくぼみに湯冷ましのお湯を入れ、茶葉が開くのを待つ
ささらから湯飲みにそっとお茶を注ぎ入れる
わずかひと口ふた口のお茶だが、うま味が凝縮されている
「七徳茶皿」のセットと品評会を受賞した最高級の茶葉は直売所で販売されている

 直売所も茶畑同様、山の中にあり、県道9号沿いの西鹿島からクルマで10分という場所にある。そのため交通手段が限られてしまうが、クルマやバイクを利用する際にはぜひ寄って試飲してみてお茶の新たな境地を体験してほしい。

カネタ太田園

所在地:静岡県浜松市天竜区西藤平36-1
TEL:053-928-0007
営業時間:平日9時00分~19時00分、土日祝 9時00分~18時00分、不定休
URL:http://www.otaen.jp/

方広寺で精進うな重を味わい、写仏を体験

 お茶を味わったあとに向かったのが、浜松市北区にある禅寺「臨済宗方広寺派大本山 方広寺」だ。本堂への道のりは大きく分けて、山門から入るルートと三重の塔そばから入るルートがある。まずは三重の塔を経由して道を下っていくと、亀背橋と本堂が見えてきた。紅葉の渓谷に朱塗りの亀背橋がかかる姿の鮮やかさと、橋とは対照的に静かで厳かな本堂の姿に心が奪われる。なお、本堂に掲げられている大額の「深奥山」は山岡鉄舟の書だという。

今回の散策は三重の塔の入口からスタート
紅葉の中にたたずむ亀背橋
本堂は間口32mと巨大で遠くから見ても圧倒されそうだ
大額を書いた山岡鉄舟は江戸無血開城の交渉の前後、方広寺に立ち寄ったという

 方広寺に到着してすぐにいただいたのが、なんと「うな重」。いくら名産地でも、禅寺なのにうなぎ? と疑問に思ったものの、その点は大丈夫。うな重はうな重でも方広寺で提供されているのはうなぎに似せて作られた精進料理の「精進うな重」である。

 豆腐とすりおろした山芋、蓮根を混ぜ、うなぎの皮代わりである海苔に薄く伸ばしたあと、素揚げして蒸し、さらに焼いてタレを付けて作るという。手間がかかるものの、姿はウナギのかば焼きそっくりに。食べた感じは身がクリーミーで、当然うなぎの脂っぽさは感じないが、かば焼きのボリューム感と食べ応えがあり、違和感を覚えることはない。

 この精進うな重は1200円で、食事をできる時間は11時30分、12時00分、12時30分、13時00分の4回。食してみたい方は食事時間の30分前までに本堂横受付で予約する必要がある。

精進うな重。ごま豆腐とお揚げの味噌汁、香の物がつく。見た目はうな重そのものだ
食事の前に「いただきます」の代わりに唱える「食事五観」
食事の内容と「食事五観」について説明を行なう方広寺の巨島善道さん
うなぎの皮の代わりに海苔が使われ、皮が苦手な人でも食べられる

 精進うな重をいただいたあとは、写仏へ。写経が般若心経など経典を書写するのに対し、仏様の姿を描き写すのが写仏だ。あらかじめ延命十句観音経と観音様の姿が裏描きされた書を筆でなぞっていくので、「絵心がないから」「字が下手だから」という心配は無用。その点では写経よりハードルは低いと思う。ただし、「うまく描こう」「早く描こう」という煩悩を払って描くのは写経と同じ。描いた観音様の姿や文字の感じはその時の心持ちで変わってくるという。

 実際、写仏を体験してみたが、日頃から煩悩まみれの記者は手が震え、しかも延命十句観音経の段落を縦に書き進めるところを、横に書き進めてしまった。それでも描いているうちに気が付いたら無心に。悩みがある、気持ちが疲れている、そんな時に心を休めるのによいのかもしれない。

 なお、描いた写仏は持ち帰りもできるし、方広寺で祈祷してもらうことも可能だ。この写仏体験の料金は1000円で当日の受け付けも可能とのこと。

写仏では薄く描かれた部分を筆でなぞっていく
普段、PCばかり使っているためか久しぶりの手書きで文字が少し震えている

方広寺の本堂と奥山半僧坊大権現へ

 拝観のために本堂へ移動に。移動の途中、ガラスケースに黒く太い綱が巻かれた状態で展示されていた。これは「十万一念力の毛綱」で、明治時代に大火災で本堂が焼失したあと、本堂の再建において棟木を上げるため、女性信者から髪の毛を奉納してもらいそれを全長90mの綱にしたものとのこと。また中庭の脇には1905年(明治38年)に作られ、屋根替えの大工事の際に取り外された大鬼瓦を見ることができた。

ワイヤーロープがない時代、糸として強靭な人の髪の毛で作った毛綱
縦横とも4m近くありそうな大鬼瓦

 そしていよいよ本堂の中に。本堂にまつられているのは釈迦如来を中心に、向かって右に知恵をつかさどる文殊菩薩、向かって左が生けるものの救済を行なう普賢菩薩の2体の脇侍が並んだ国重要文化財「釈迦三尊像」だ。3体とも金泥による彩色で、またお釈迦様の頭が螺髪ではなく宝冠を戴いているのが珍しい。

 1352年に作られ、元は茨城県の清音寺にまつられていたこの「釈迦三尊像」。元禄時代に黄門様でおなじみの徳川光圀公が修復を命じたものの、明治時代の廃仏毀釈の波で危機が迫っていたなか、半ば疎開のような形で方広寺のご本尊に迎えられたとのこと。本堂の静謐な雰囲気のなか、ライトアップされ輝く「釈迦三尊像」はこの世のものとは思えない美しさだ。

 また、本堂内では菊と五七の桐の紋が飾られている。菊といえば天皇家の御紋、五七の桐も菊に次いで格式のある紋だ。どうしてそんな高貴な紋が使われることになったのか? それはこの寺の由来にある。1371年、方広寺を開いた無文元選禅師はもともと後醍醐天皇の皇子だった。天皇家の血筋だから、というわけだ。

今回、取材のために特別に撮影させて頂いた「釈迦三尊像」。優美なお姿でありがたい気持ちになる
菊と五七の桐、両方の紋が入っているのは、寺を開いた無文元選禅師が天皇家の生まれのため

 本堂を通り過ぎて気が付くと、頭上には躍動感あふれる龍の姿の向拝が。どうやら方広寺の鎮守様である奥山半僧坊大権現をまつった「半僧坊真殿」に着いたらしい。龍の向拝は、岩五郎の手による「昇り龍下り龍」。岩五郎は左甚五郎の孫弟子にあたる職人で、龍は1本の木から掘り出しているとのこと。権現と言われるだけあって、「半僧坊真殿」は神社。お寺と神社が一緒に立てられるのは決して珍しいことではないが、それでも本堂からすぐのところに神社があるというのは不思議な気分だ。

 実はこの奥山半僧坊大権現と方広寺は深い縁がある。かつて無文元選禅師が中国での修行ののち、帰国する折に台風に遭遇して船が難破の危機に遭った際、船に異人が現われ、船を博多の港まで導いたという。その後、方広寺を開いた無文元選禅師のもとに異人が再び現れて弟子入りを懇願し、無文元選禅師は、異人が人知を超えた力で人を助けたのだからすでに半分僧のような存在だ、ということで「半僧坊」と名付けたそうだ。

 無文元選禅師に仕えながら修行した半僧坊は、禅師の死後、山とお寺を護り、人々の苦しみを救うため姿を消して以来、奥山半僧坊大権現としてまつられている。そんな方広寺と縁が深い奥山半僧坊大権現を出て、本堂の裏手をまわり、羅漢の石像が集まり与謝野晶子の歌碑が置かれている「らかんの庭」を見学。

一木彫りの龍が2匹で一対になっている「昇り龍下り龍」
「半僧坊真殿」は本堂のすぐ近くにある
「昇り龍下り龍」の岩五郎が彫った大黒様は縁結びのご利益があるという
本堂の裏にある「らかんの庭」、左の石碑には与謝野晶子の歌が刻まれている
鳥居と僧侶と羅漢という不思議な組み合わせの風景も方広寺ならでは

 帰りは山門がある参道を下っていったが、「らかんの庭」だけでなく参道の途中途中にも五百羅漢の石像が並んでいる。石像は1体1体表情が違い、見ていて楽しい。そのなかでも石橋の羅漢は見るたびに4体になったり5体になったりして、方広寺の謎になっているそうだ。また参道には、1881年(明治14年)の大火で幹の中が炭化しながらも130年以上生き続けた「火防半僧杉」の切り株もあり、その生命力の強さから新たなパワースポットとして人気だという。

参道の脇や石橋の上に鎮座する羅漢
人間味あふれる表情の羅漢。全部見てまわると必ず自分に似た像が見つかるという
倒木の危険があったため切ったところ、中が炭化しても生きていたことが判明した「火防半僧杉」の切り株

 この方広寺へのアクセスは、JR浜松駅から「市役所 奥山」行きのバスに約1時間乗車し、「奥山」バス停下車。「釈迦三尊像」や五百羅漢、奥山半僧坊大権現と見どころが多く参拝するだけでも清々しい気持ちになるが、やはり来るからには精進料理をいただく、写仏といった日常ではなかなかできない体験にもチャレンジしたいところ。また、日帰りや1泊の禅寺体験も用意されており、自分を見つめ直したいと考えている人にとって、そのきっかけを与えてくれる貴重な場と言えるだろう。

方広寺

所在地:静岡県浜松市北区引佐町奥山1577-1
TEL:053-543-0003
参拝時間:9時00分~16時00分(山門から入る場合の最終受付時間は15時30分)
拝観料:大人400円、中学生以下200円
URL:http://www.houkouji.or.jp/

井伊直虎が眠るお寺「龍潭寺」

「丈六の釈迦牟尼仏」のお顔には廃仏毀釈の傷跡がそのまま残っている

 続いては古刹「龍潭寺」。ここは井伊家の菩提寺として知られているお寺だ。井伊家というと幕末の重臣である井伊直弼を思い浮かべがちだが、平安時代に書かれた保元物語にも井伊氏の名前が出てくるほど歴史は古い。また記事の冒頭でも紹介したように、お家存続の危機の際に井伊家を支えた女領主の井伊直虎が2019年の大河ドラマで取り上げられることになったこともあり脚光を浴びている。

 龍潭寺は、コの字状に築地塀を巡らせた山門の向こうにはお城のような石垣が垣間見え、武家の菩提寺らしい堅牢さを思わせる雰囲気だ。階段を昇り、紅葉の向こうを見ると大破風の庫裡が。中に入り、廊下に入ってすぐのところになんと大仏が鎮座している。仏像というと本堂の中心の広い場所に置かれているはずだがどうして?

 この大仏は1729年に建立され、立った状態の身長が1丈6尺(約5m)あるということから「丈六の釈迦牟尼仏」と呼ばれている。仏像なので、座っている状態ではあるものの、それでも約3m近い高さ。この丈六の釈迦牟尼仏は明治の廃仏毀釈の際に大仏殿が壊されてしまったという。大仏そのものにも、近所の子供に顔を落書きされ傷が付いているけれども、その傷も歴史の生き証人であるということからあえて修復せずそのままにしてあるとのこと。

 大仏を拝観した後は本堂にある、歩くと床がキュッキュと鳴る左甚五郎作の鶯張りの廊下や、同じく左甚五郎によるひげがない龍の「恙(つつが)なしの彫刻」、本堂南にある浜名湖を象ったという「普陀落の庭」を見ることができる。

井伊家の菩提寺だけあって本堂には「井」の字の家紋も
本来、音で侵入者の存在を知らせる鶯張りの廊下だが、歩いていて楽しい
ひげを抜かれた龍をかたどった左甚五郎の「恙(つつが)なしの彫刻」。もともとは大仏殿に使われていたという
白砂を浜名湖に見立てた「普陀落の庭」

小堀遠州が築いた龍潭寺庭園を眺める

 龍潭寺と井伊家の歴史、特に戦国時代のエピソードはドラマティックだ。お寺そのものの歴史は古く、733年に行基によって開創されたと伝えられ、22代の直盛が桶狭間の戦いで戦死した際、直盛の戒名を取って龍潭寺と改号したという。この22代の直盛には嫡男がなく、甥の直親を23代当主に迎えたものの今川氏に謀殺され、直親の幼い息子である直政が24代当主になった際に出家していた直盛の娘が後見人になって領主を務めた。この娘が井伊直虎である。

直虎の絵や、直虎の時代の家系が展示されている

 井伊家霊屋では井伊家の元祖である共保、22代の直盛、そして徳川家の下で出世を果たした24代直政の3人の像、そして歴代の当主の位牌が置かれている。また、開山堂から井伊家霊屋に行く途中には、井伊家の墓所を見ることも可能だ。

歴代当主やその家族の墓が並ぶ井伊家の墓所
井伊家霊屋にある井伊家の初代当主の井伊共保の像
龍潭寺の名前の由来にもなった22代当主、井伊直盛の像
24代井伊直政の像は残念ながら貸し出し中とのことで今回は見られなかった
お寺の中にある稲荷堂。見た夢が正夢になると言われている

 井伊家の歴史に触れたあとは、本堂の北に築かれた「龍潭寺庭園」へ。二条城の庭園や南禅寺の金地院庭園など名園を手掛けた小堀遠州の手によるもので、寺院庭園のなかでも水を配し書院から観賞する「池泉鑑賞式庭園」になっている。庭園の中央にはお釈迦様を表す「守護石」に両端には仁王様を表す「仁王石」、手前には座禅石が配置され、池は「心」の字を模した「心字池」となっており、見て心が休まるだけでなく、配置にも仏教的な意味が込められた寺院庭園だ。

 また、庭園にはさまざまな植物が植えられ、今の季節は紅葉が美しかったが、季節ごとに装いが変わる植物は「移り変わる物事」を象徴し、変わることのない石との対比だという。見ているだけでも配置の妙に心が穏やかになるが、意味を聞いて仏の教えについて思索を巡らせたくなった。

 庭園を眺めたあとは、書院で抹茶と井伊家の家紋を象ったお菓子をいただく。この抹茶をいただくにはあらかじめ予約する必要があり、受付時間は9時00分~11時30分と13時30分~16時00分でお茶代は500円。

小堀遠州による「龍潭寺庭園」。奥の大きい石が守護石だ
石や池、植物、配置される1つ1つに仏教的な意味が込められている
井伊家の歴史に触れ、庭園を見学した後は抹茶とお菓子でひと息
書院を出るころには日が暮れて、趣深い風景に
龍潭寺

所在地:静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1989
TEL:053-542-0480
参拝時間:9時00分~16時30分
拝観料:大人(高校生以上)500円、小人(小・中学生)200円
URL:http://www.ryotanji.com/

 さて、今回の“静岡おとな旅”で宿泊したのは、浜名湖を一望でき、落ち着いた雰囲気の中舘山寺温泉と食事を堪能できる「ホテル九重」だ。季節の浜名湖や遠州灘の魚介類、静岡の名産品を活かした会席料理コース「彩り紀行」をいただく。

「冬の味覚パレット盛り」は見た目も鮮やかで多様な前菜が盛られ、彩りと味わいを楽しみながらいただくことができる。また、コースメニューのなかでも特に味わってほしいのが、遠州灘の天然とらふぐ鉄ちり鍋と国産うなぎのかば焼き。どちらも身が引き締まっていて噛むほどにうま味が出てくる一品だ。

「彩り紀行」コースは季節などによってメニューが変わってくる。今回食べた料理は遠州灘の天然とらふぐを使用
浜松はうなぎの町ということで食事にはうなぎのかば焼きも

 温泉はヒノキの香り漂う「遠州絵巻の湯」と、ステンドグラスの光がレトロな雰囲気を醸し出す「大正浪漫の湯」の2つの大浴場が用意され、朝夕の男女入れ替え制で合計20種類の湯を楽しめる。泉質はナトリウムカルシウム塩化物温泉で保湿、保温効果が強いという。

ホテル九重

所在地:静岡県浜松市西区舘山寺町2178
TEL:053-487-1112(予約センター)
URL:http://hamanako-kokonoe.jp/

 プレスツアー初日は浜松市を訪れ、静岡のお茶と古刹の新たな魅力を発見する1日だったが、次は磐田市、掛川市で静岡の意外な文化と歴史ある街並みに触れることに。果たしてどんなスポットを探索するのか、お楽しみに。

丸子かおり