車中泊の拠点 RVパークを訪ねる

富士山を見ながら車中泊できる静岡・富士宮市のRVパークに泊まってみた

RVパーク フジRVフィールド

富士山がよく見えるRVパーク フジRVフィールド。写真は夜明けに撮影した朝日に照らされる富士山。夕方は赤富士が見られる。富士山を眺めながら車中泊したい人にはぴったりの施設だ

 今回行ってきたのは静岡県富士宮市にある「RVパーク フジRVフィールド」(静岡県富士宮市杉田486)。富士山周辺の観光の拠点として連泊で利用する人も多い施設だ。

 フジRVフィールドは2つのサイトに分かれていて、メインとなるのが管理棟がある第1サイト。ここは9台分の区画を用意していて区画の幅は約5m。隣のスペースとは白線で区切ってある。縦の長さは特に設定していないので、全長が長いクルマであってもほかの車両の通行に障害がなければ問題なしとしている。とはいえ敷地は広いので、大型キャンピングカーでも問題なく利用することができるはずだ。

天気がよくて雲の状況次第では富士山がよく見える。取材日は冠雪の状況がまだまだだったが、これからより寒くなるときれいに冠雪してくるだろう
新東名 新富士ICから約10分の立地だが、表通りではなく地元の生活道路沿いにある。石垣と看板が目印

 第1サイトは車外での火を使った調理やタープの展開はOKで、芝生側の区画であれば芝生内にテントを張ってもいいことになっている。ただ、テントの張り方には決まりがあるので、テントを持っていく場合は場所の確保を含めて予約時にその旨を伝えておこう。

 第1サイトの利用料金は平日が4000円(3000円)。土日祝日が5000円(4000円)。年末年始・GW・お盆は8000円(7000円)の設定。カッコ内に示した料金の差は区画からの富士山ビュー。第1サイトでは2つの区画が立木の影響で富士山が見えにくいことから、料金に差を付けているとのこと。チェックインは11時30分から、チェックアウトは11時までとなっている。

 第2サイトは第1サイトから歩いて1分ほどところにあり、3台分の区画を用意している。第2サイトはすべての区画で富士山が見えにくいので、料金は平日3000円、土日祝日4000円、年末年始・GW・お盆が5000円の設定だ。なお、第2サイトは車外での調理やタープの展開が禁止となっている。

 第2サイトは併設するドッグランの駐車場としても使用しているため、チェックインとチェックアウトの時間が第1サイトと異なり、チェックインが16時から、チェックアウトが9時までとなっているので、予約時はその点を含めてどちらのサイトを選ぶか検討してほしい。

フジRVフィールドの見取り図。管理棟がある側は第1サイト。第2サイトは階段を上がった小山の上にある
第2サイト側から第1サイト撮影してみた。左手前が管理棟
利用料金について。平日は3000円からと手頃
第1サイトのそれぞれの区画で富士山の見え方を撮影してみた。これは管理棟に近い9番区画。富士山はほぼ見えない
8番区画。木で山体の半分くらいが隠れる感じだ。この8番と9番の料金設定が安くなっている
8番の隣は4番。ここからは富士山がしっかり見えるようになる
3番区画。富士山の見え方が正面気味になる
2番区画からの風景
一番端の1番区画。フェンスの少し先はメガソーラーなので、人通りや騒音の発生源はない
入り口道路側には5、6、7番区画があるが、7番(写真手前側)は面積が狭いので、現在はほとんど使用していない
5、6区画からの見え方
N-VANを停めてみた。区画の幅が約5mあるので左右の余裕も十分
縦の長さについては特に数値が決められていない。全長が長い車両であっても、ほかの利用車の通行のジャマにならなければ問題ないという判断
区画内に収まるのならこのような停め方もOK。横の窓から富士山がよく見えるポジションだ
砂利の部分は配管が通っているのでクルマの乗り入れ、駐車は厳禁。この状態でサイドオーニングやタープを芝生側に張るのはOK。自分の区画の前であればテントを張ってもよい
5、6、7区画の後ろ側はこのようになっているのでテントを張ることができない。サイドオーニングやタープなども区画内で広げるのみ
駐車スペースはアスファルト敷きなのでペグ打ちはできない。そこで用意されているのがこのような重石
すべての区画に電源がある。コンセントはアース付プラグ対応が2つ。電源の使用は有料で料金は1泊1000円
第2サイトは週末の天気のいい日限定でカフェを営業している。手前のキャンピングカーの裏がカフェスペース
第2サイトの奥にはドッグラン(小型犬・中型犬用)がある。RVパーク利用者は1頭の利用で500円

設備について

 フジRVフィールドの設備は以下のとおり。トイレは男女別で管理棟内にあって清潔感もあり、照明も明るい。人感センサー式なのでスイッチを探す必要もない。

 トイレの部屋の奥にはシャワールームがあり、男女別でそれぞれ1つずつ設置している。シャワーブースとは別に広めの脱衣所もあり、エアコンを備えているので快適に使用できるだろう。シャワーは別料金で1人1回500円。トイレだけでなく、シャワーも24時間利用できるようになっている。

こちらが管理棟。正面ガラス張りの部屋は事務所スペースなので利用者には解放していない
受付はここで行なう。管理人は常駐していないので、到着時間は事前に知らせること
建屋内にトイレとシャワールームがある。男女別の作り
男子トイレ。個室が2つあった
トイレ内の手洗い場
トイレの奥にもう1つ部屋があり、そこがシャワールーム。扉を開けると広い脱衣所がある。エアコンも備えている
シャワーはこんな感じ。24時間利用可能だが1つだけなので、利用者が多い場合は、混雑する時間帯をうまく外す方がよさそう

 管理棟にはウッドデッキのスペースもあり、テーブルや椅子が置いてある。こちらはRVパーク利用者であれば無料で、誰でも使えて火を使った調理もOKだが、使えるのはガスコンロのみ。炭火や焚き火での調理はNGとなっている。

 炊事場も建物内にある。こちらはシンクが2つあり、洗剤なども用意している。また小型の電子レンジが1つ置いてあるので、お弁当などを買ってきた場合でも温めて食べることができる。近所にスーパーがあるのでお弁当や惣菜が温められるのはうれしいところ。冷蔵庫は置いていないので、冷蔵・冷凍食品などは自分で管理することになる。

ウッドデッキはRVパーク利用者であれば利用できる。ここでの調理もOKだが、火気はガスコンロのみ
デッキの奥のテーブルには芝生スペースで遊ぶ遊具がある。これらのレンタルは無料
ウッドデッキの夜の様子。22時まで利用可能
炊事場。シンクは2つあり水栓からはお湯も出る。物を置くスペースもあり使いやすかった。電子レンジも置いてある。ゴミ処理も可能で料金は500円(ゴミ袋1枚分)
芝生スペースはかなり広い。区画の後ろであればテントを張るのもOK
図のようなセッティングを用意すれば、芝生の上でも焚き火ができる
焚き火台とシートの間に置くブロックは貸し出している。バケツも用意がある
施設内にはオーナーが家族や友人と使用するために作ったサウナスペースがある。営業用ではないが、オーナーに話をしてみると借りられる場合も
サウナスペース内にはサウナのほかに水風呂、そして薪で沸かすお風呂もある

立地的にも設備的にも、そして環境的にも利用しやすい施設

 取材で伺った日は筆者のほかにもう1組の利用者がいた。富士山周辺の観光の拠点として連泊しているようだった。確かに富士宮は富士山周辺の観光にもいいし、地理的に駿河湾を巡るのにも適している。車中泊なので当然クルマがあるわけだから、この施設が選ばれる理由は理解できる。

 食事の環境については充実している印象。クルマ移動にはなるが5分ほど走れば国道139号線に出られて、街道沿いには多くの飲食店がある。スーパーマーケットは新富士ICの近所にあるし、コンビニもRVパークの近くにある。

 入浴施設は周辺に3件ある。最も遠いところでも約5.2km、近いところは約2.8km。徒歩で行くのはムリがあるがクルマならすぐに着く距離だ。

 そして夜は基本的に静か。ただ、山のなかのように人の気配がまったくないわけではなく、多少民家があって施設横の道路もたまにクルマが通るので、寂し過ぎないちょうどいい静さだった。

 気になるのは雪の影響だが、富士宮あたりはほとんど雪が降らず、積雪もめったにないそうで、地元の方でもサマータイヤで冬を過ごすこともあるそうだ。ただ、朝霧高原の方に行くと積雪や凍結があるので、周辺観光を考えているのなら冬用タイヤの用意は必要になる。

 気温についても富士宮あたりはそれほど寒くならないとのこと。今回、夜の間は出力の小さい小型ファンヒーターを使用。狭い車内であれば十分温まるので、寝ているときも寒さは感じなかった。

夜の様子。肉眼ではもっと暗くて、芝生の部分はほとんど見えない。周辺の明かりは少ない方だ。この日は夕方から富士山の山頂あたりに雲がかかっていて夜も取れなかった。雲がなければ星空と富士山の夜景が見られるだろう
夕方に見ることができる赤富士
これは朝日に照らされる富士山