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NEXCO中日本、2月13日15時に開通を控える新東名 豊田東JCT~浜松いなさJCTを公開

工事の進捗は「100%に近い99%以上」

2016年2月4日 実施

2016年2月13日15時 開通

 NEXCO中日本(中日本高速道路)名古屋支社は2月4日、2月13日に開通予定となっている新東名高速道路 豊田東JCT(ジャンクション)~浜松いさなJCT間の報道関係者向け現場見学会を実施した。

 同区間は2014年度の開通を目指して工事が進められていたが、「複数の切土のり面で地滑りの兆候や大規模な崩落が発生したこと」「自然由来の黄鉄鉱・重金属を含んだ土砂が推定以上に大量発生したこと」「橋梁基礎の沈下が発生したこと」により、工期を延長していたもの。当初、新たな開通時期として2015年度末を見込んでいたが、1カ月ほど前倒しされ2月13日開通となった。

 開通予定まで1週間あまりとなった現在、工事の進捗状況は「ほぼ100%に近い99%以上」とのことで、現在は設置機器の点検や調整、SA(サービスエリア)内の色付き舗装など、仕上げを行なっている段階だという。

 今回の開通により新東名高速道路は愛知県、静岡県内の約200kmがほぼ完成。御殿場JCT~豊田東JCT間において、従来からある東名高速とのダブルネットワークが形成されることになる。事業化が決定済みの残る御殿場JCT~海老名南JCT間、約53kmは2018年度から2020年度に開通する予定となっている。

 見学会では岡崎SA付近から新東名高速道路に入り、上り線を逆走。豊田東JCTで折り返し下り線を逆走し岡崎SA、新青木川橋、岡崎東IC(インターチェンジ)、佐名川橋、長篠設楽原PA(パーキングエリア)、新城IC、浜松いさなJCTと巡る行程。工事の関係で下り線を逆走するルートが多く、開通後に見る風景とは若干異なってしまうが、雰囲気はつかめると思う。それでは順に紹介していこう。

豊田東JCT

岡崎SAの流入部から豊田東JCT方面へ逆走
東海環状自動車道と伊勢湾岸自動車道の情報掲示板
豊田東JCTの案内
分岐の看板が続く
東海環状自動車道方面への分岐
矢作川にかかる特徴的な橋が見える。見学はここから下り線へ
豊田東JCT付近の上り線にある看板
豊田東JCT付近。横切っているのは東海環状自動車道への分岐
豊田東JCT(下り線)
起点から252.2km
東海環状自動車道は一般道(国道475号)扱い
上り側には「ここから高速道路」表示がある
付近に民家があるためJCT周囲は高い壁に囲まれる。よく見ると左右で壁の作りが異なる
東京方面に向いて右側は金属製の遮音壁
名称はそのまま「金属板」
左側は透明
名称は「透光板」
これは民家などへの日射を確保するためだという
側壁には霧発生時にドライバーの視線を誘導する「自発光デリニエーター」を配置。灯火色は緑
LEDタイプの速度制限標識
JCTの照明はLEDを採用

岡崎SA

東海三県で最大級の広さを誇る岡崎SA
上り線にある岡崎SAの看板
岡崎SAに向かって逆走中
岡崎SAの手前から岡崎市に入る
岡崎SAの入口。上下集約型なので下り線からは本線をオーバーパスして向かうことになる
岡崎SAから東京方面を望む
岡崎SAから豊田東JCT方面を望む
岡崎宿をイメージした上り線。写真の奥側が下り線で「森のエントランス」をイメージした外観になる
岡崎宿は東海道五十三次の38番目の宿場町
焼杉板風の木材と石を組み合わせた意匠が美しい
屋根は黒瓦風、雨樋は銅板風の仕上げ
車道と歩道には段差がなく境界部には工事により出土した石を利用
施設入口正面
岡崎SAでは同地伝統の石工技術を活かして随所に石を利用。建物の入り口脇には八丁味噌の桶を模したモニュメントが置かれている
SA内にある道標型案内標識
こちらは花火が彫り込まれている。岡崎城下家康公夏まつりの花火をイメージしたものか
こちらは岡崎城
入居テナント
分別型のゴミ箱を設置
トイレは明るい雰囲気
大型車用スペースは路面がコンクリートになる
混雑時には一般車も駐車できるように分割線が引かれている
ガソリンスタンドはエネオス
EV用の充電スポットは4台分
新青木川橋に向かう途中に2014年2月に崩落したのり面がある。「のり枠」や「グランドアンカー」による対策が実施されている
非常電話
尾根筋を横切るルートを走るためか「横風注意」の標識が多い

新青木川橋

新青木川橋(上り線)。開通区間には橋梁が39本ある
起点から246.5km
橋のたもとにある表示
ドライバー向けの表示もある
風速計が設置されていた
路肩の白線にはドライバーに逸脱を知らせるギャップが設けられている
ここにも自発光デリニエーター
欄干には透明なパネルを使用
山側の眺め
車間距離確認用の標識
トンネルは17本
トンネル内はLEDを使った「プロビーム照明」。進行方向側を照らすため明るく、まぶしさも抑えられている
トンネルが連続する区間
トンネル入り口まわりにもアンカーが打ち込まれている
岡崎東IC手前には10段にもおよぶのり面がある

岡崎東IC

岡崎東ICの案内看板
岡崎東IC。出口側
開通区間のICは職員が常駐しない機械化ICになる
料金収受器。連絡用のインターホンが設置されている
連絡用の電話番号を知らせる大型看板
岡崎東IC。入口側
本線流入路にある案内看板
作業車両の基地が設けられている
除雪車。スノープラウは3分割式
塩化ナトリウム散布車
岡崎東ICから浜松いさなJCT方面へ。まだ一部で工事が続けられていた
岡崎ICの先にある直線区間。新東名高速道路では高低差を抑えるために切り通し部分が多くなっている
切り通しの中央には小さな盛り土が残っている。これは土砂の排出を少なくするためだという
トンネル内は上下線の中央側に非常口が設けられている(この区間は逆走中)

佐名川橋

開通区間で一番高い佐名川橋
位置は起点から226.7km
もっとも高い部分で地上から約100m
下り線からの眺め
遠く豊川市街を望むことができる

長篠設楽原パーキングエリア下り線

新城ICが近くなると海側が開け、明るい雰囲気になる
東上トンネル上部には土石流を防止するための砂防ダムが設けられていた
広域情報表示看板
雁峰(がんぼ)第二、雁峰第一トンネルを抜けると間もなく設楽原
PA、SAの案内標識
長篠設楽原PAの案内標識
「長篠・設楽原の戦い」をコンセプトにした長篠設楽原PA(下り線)。上り線は対面ではなく下り線に並んで配置されている
一般車用の駐車スペースは周回できるレイアウト
設楽原を眺めることができる物見櫓がある
建物前のタイルは馬をイメージ
自動販売機の上に鎧兜
こちらは徳川美術館所蔵の「長篠合戦図屏風」をラッピング
PAの東京側には織田信長が本陣を張った茶臼山がある
馬防柵などが設置され長篠・設楽原の戦いをイメージしたスペースになっている
馬防柵の説明
案内板には音声システムが内蔵されており約2分間の案内を聞くことができる
織田信長の本陣跡に行くことができる
物見櫓下から設楽原を眺める
長篠設楽原PAを出ると間もなく新城ICに到着

新城IC

新城IC。入口側
新城IC。出口側
新城IC出口には足湯などが楽しめる道の駅「もっくる新城」がある
新城IC交差点の看板では新東名の文字が隠されている
交差点から見える位置に開通を知らせる案内が掛けられていた
本線流入路にある案内看板
新城IC付近にも霧注意の看板
新城ICを過ぎるとJR飯田線のSカーブを真横に突っ切る。左手に長篠城址がある
案内看板
乗本トンネルに入る手前で道路脇に物見櫓が見える。ここに登れば長篠城址を一望できそう
乗本トンネル出口のすぐ後に開通区間で最長となる鳳来トンネルがある。長さは上りが2513m、下りが2464m
横風注意の標識
鳳来トンネル出口周辺は高い遮音壁に囲まれている

浜松いさなJCT

JCT手前3kmで案内看板が出現
続けて旅行時間を表示する案内看板
動物注意の標識
1.6km手前の案内看板
ここものり面が高い
500m手前の看板
ジャンクションから東京方面を望む。横切っている三遠南信自動車道は見えない
直前の案内看板
下り線には愛知県の看板
案内看板は逆光時の視認性をよくするためのシースルータイプ
のり面にはさまざまな形状のアンカーが打ち込まれている
上部にある気象観測装置
こちらは崩落を検知するためのレーザー式監視装置。データはデジタル回線で指令室に送られ常時監視される
路面は雨水を浸透する高機能舗装を採用。路肩の排水溝は埋め込みタイプ
排水路(?)の蓋にはNEXCOの文字が入っている
浜松いなさJCTの分岐部分。ここから静岡県で新東名起点まではあと200km

(安田 剛)