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AIR DOとJR北海道が初めてタイアップ。AIR DO便利用者へ「ひがし北海道」「きた北海道」の各フリーパス発売

旭山動物園や空港連絡バスの割引など、フリーパス初の特典も

2018年10月24日 発表

2018年11月1日~3月31日 販売

AIR DOとJR北海道が初めてタイアップ。AIR DO便の利用者に、「ひがし北海道」「きた北海道」それぞれのエリアが乗り放題となるフリーパスを発売する

 AIR DOとJR北海道(北海道旅客鉄道)は10月24日、両社社長による記者会見を開き、両社初のタイアップ商品「AIRDO20周年ひがし北海道フリーパス」「AIRDO20周年きた北海道フリーパス」を提供することを発表した。

 AIR DOの函館路線を除く北海道(新千歳、旭川、帯広、釧路、女満別の各空港)到着便を利用した人を対象に、ひがし北海道、きた北海道それぞれに設定されたフリーエリア内の特急や普通列車の普通車自由席が乗り放題となるもの。

 旅行商品としての販売は予定されておらず、個人利用客を対象とするのも特徴。また、AIR DO便の利用者であれば国籍は問わない。同社便は日本人の利用客が多いことから、(結果として)国内旅行客が主な販売ターゲットということになる。

ともに北海道を基盤とする交通インフラ企業である両社による初めてのタイアップ企画となる

 会見で商品を説明したJR北海道 代表取締役社長の島田修氏は、「AIR DO就航20周年のタイアップ企画だが、加えて9月6日に発生した北海道胆振東部地震の復興を1日でも早く叶えようと実現した企画」と説明。

「AIR DOのお客さまは北海道、ないしは北海道ゆかりの方々が多いと聞いている」との前提のうえで、「フリーパスにより北海道外の方々が1人でも多く、冬の北海道観光を広域に楽しんでいただければ。AIR DOを利用して、北海道内では二次交通であるJR北海道の路線を乗り放題で利用する方々がたくさん来ていただけることを期待したい」と話し、そのきっかけとなることを望んだ。

 一方、AIR DO 代表取締役社長の谷寧久氏は、「同じ北海道を基盤とする交通インフラ企業としてなんらかの取り組みができないか話し合ってきた結果、本日お披露目できることをうれしく思う」とコメント。二次交通として道内を自由に使えるフリーパスの存在により、「冬場は例年だと多少落ち込む」という観光利用者増加や、それによる観光復興が図られることに期待を示した。

 ちなみに、本タイアップについてJR北海道の島田氏は「就航20周年ということで、なにかできないかという比較的ラフな意見交換をさせていただいていたが、直接的なきっかけとなったのは、北海道胆振東部地震の発生を受けて、北海道の観光を早期に回復させなければいけないというなかで具体化していった」と、その経過を述べた。

北海道旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 島田修氏

 今回発売される「AIRDO20周年ひがし北海道フリーパス」「AIRDO20周年きた北海道フリーパス」は、ともに11月1日~2019年3月31日に発売。それぞれに設定されたフリーエリア内の特急、普通列車(快速含む)の普通車自由席が乗り降り自由なきっぷとなる。

 AIR DO便の「ご搭乗案内」を発売箇所で提示することで購入可能。搭乗当日かつ発売箇所の営業時間内に購入する必要がある。利用開始は搭乗当日または翌日から。

AIR DO便への「ご搭乗案内」を発売箇所で提示することで購入できる(JR北海道の配布資料より)

 ひがし北海道フリーパスの有効期間は5日間で、利用期間は11月1日~2019年4月5日。値段は大人1万5500円、子供7750円。12歳以上25歳以下の人には「AIRDO20周年ひがし北海道フリーパスU25」も発売され、値段は1万2000円となる。

 対象便は新千歳、旭川、帯広、釧路、女満別の各空港の到着便で、各空港の最寄り駅やツインクルプラザなどで発売する。発売箇所は以下のとおり。

・新千歳空港駅(新千歳空港到着便)
・旭川駅、ツインクルプラザ旭川支店(旭川空港到着便)
・帯広駅、ツインクルプラザ帯広支店(帯広空港到着便)
・釧路駅、ツインクルプラザ釧路支店(釧路空港到着便)
・北見駅、網走駅(女満別空港到着便)

 きた北海道フリーパスの有効期間は4日間で、利用期間は11月1日~2019年4月4日。値段は大人1万2500円、子供6250円。同様にU25も発売され、値段は1万円。

 対象便は新千歳空港または旭川空港到着便で、発売箇所は以下のとおり。

・新千歳空港駅(新千歳空港到着便)
・旭川駅、ツインクルプラザ旭川支店(旭川空港到着便)

AIRDO20周年ひがし北海道フリーパス/きた北海道フリーパスの発売条件や発売箇所など(両社共同ニュースリリースより)
AIRDO20周年ひがし北海道フリーパス/きた北海道フリーパスの各フリーエリア(JR北海道の配布資料より)

 JR北海道のフリータイプ商品として初めて「旭山動物園特典」が付くのも特徴となっている。旭山動物園の入園利用券と、旭川駅~旭山動物園の往復バス乗車券をセットになっている。

 また、旭川空港、帯広空港、釧路空港の到着便については「空港連絡バス割引特典」も受けられる。旭川電気軌道やふらのバスが運行する旭川空港から旭川駅までが520円(通常620円)。十勝バスが運行する帯広空港から帯広駅までが700円(通常1000円)。阿寒バスが運行する釧路空港から釧路駅までが640円(通常940円)へ、それぞれ値引きとなる。

 割引特典を受けられるのは、どちらかのフリーパスを購入することが条件。JR北海道の特設Webサイトに用意された割引券を印刷し、バスの乗務員に提示することで割引を受けられる。券売機などで購入すると割り引かれないので注意が必要。

 ちなみに、空港連絡バスは各空港からフリーパス発売箇所までの移動手段となり、フリーパス購入前に割引が適用されることになるが、JR北海道によると、割引券を印刷するために特設Webサイトを参照したことでフリーパス購入の意思があると見なし、割引を適用するという。

 このほか、指定施設の入場割引やレンタカー割引など、ほかのフリーパス商品でも提供している特典も提供。フリーパス購入者限定のプレゼントキャンペーンも計画している。

 なお、JR北海道では、9月28日に発表した「元気です北海道」に関する取り組みのなかで、新千歳空港~札幌/小樽間で運行する「快速エアポート」と、函館~新函館北斗間で運行する「はこだてライナー」の車体にキャンペーンロゴマークを貼付することを発表している。

 10月24日の会見で島田氏は、この両車両については10月下旬から11月にかけて貼付が完了したものから順次運行を開始するとしたほか、「せっかくやるならば、ということで、北海道新幹線のH5系車両にもキャンペーンロゴを車体に貼り付けたい」と新たに発表。

 東京~新函館北斗間で運行する北海道新幹線H5系車両の1号車に「元気です北海道」、10号車に「Welcome! HOKKAIDO, Japan」の各ロゴを貼付し、11月中旬を目途に運行を開始する予定であるとした。

北海道新幹線H5系車両に「元気です北海道」「Welcome! HOKKAIDO, Japan」のロゴマークを掲出することを発表した。11月中旬を目途に運行を開始する予定(JR北海道の配布資料より)

就航日の12月20日には羽田空港と新千歳空港でセレモニー実施

株式会社AIRDO 代表取締役社長 谷寧久氏

 AIR DO 代表取締役社長の谷寧久氏は、今回のタイアップ企画のベースとなっている就航20周年の取り組みについて説明。AIR DOでは「叶える翼に。」をキーワードに、2018年を「就航20周年アニバーサリーイヤー」と位置付けて、さまざまな取り組みを進めている(関連記事「AIR DO、札幌本社で約10年ぶりの制服リニューアルなど就航20周年事業の取り組みを発表」も参照されたい)。

 1月~3月に実施した「叶えたい翼キャンペーン」には約3500名の応募があり、実際に2組の家族がAIR DOに乗って願いを叶えたことや、就航20周年記念の機内販売品の提供、前日の10月23日に発表したCA(客室乗務員)、地上(空港)旅客スタッフ、パイロット(運航乗務員)、整備士の制服リニューアル(関連記事「AIR DO、就航20周年で客室乗務員ほか4職種の制服を一斉リニューアル。谷社長『北海道に頼られる存在に』」「AIR DOが一斉リニューアルする新制服紹介。現場スタッフからは『軽さ』「速乾性」「動きやすさ」が好評」)、保有機材へ北海道150周年ロゴとともに就航20周年記念ロゴを掲出していることなどを紹介した。

 なお、千歳市幌加地区において実施予定だった植樹については2019年度に延期。就航10周年に実施したAIR DOロゴが浮き出るように植樹したものの育樹を行なうとともに、新たな植樹を行なう計画だったが、台風21号の影響により北海道内で倒木などの被害があり、協力している千歳市森林組合が復旧作業に注力することになったため、2019年度に延期して実施することになったという。

 このほか、2018年6月からは、AIR DO社員と札幌市立大学デザイン学部・デザイン研究科の学生とが共同デザインした「叶える翼ステッカー」を機内で配布している。春・夏・秋・冬の4種類がデザインされたもので、10月の現在は秋バージョンを配布中。この冬バージョンは12月から配布を行なう。

 就航日当日となる12月20日には、羽田空港と新千歳空港でセレモニーを実施するほか、搭乗客には記念品の配布を予定していることも明らかにしている。

パイロット姿のベア・ドゥや、「我流麺舞 飛燕」とコラボした濃厚味噌ラーメンなど就航20周年を記念した機内販売品
就航20周年を記念して札幌市立大学の学生と共同制作した「叶える翼ステッカー」。2か月ごとに春、夏、秋の各バージョンを配布し、10月現在は秋バージョンを配布中。冬バージョンは12月から配布する
現行制服を着用したAIR DOのCA(左)と、JR北海道のインフォメーションスタッフ(右)