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菅官房長官、石井国交相、高橋北海道知事、観光団体・企業が集結した「北海道を観光で盛り上げる会」

2018年10月24日 開催

観光関連団体・企業の代表者や政治家が集まり「北海道を観光で盛り上げる会」を開催した

 北海道観光振興機構やJATA(日本旅行業協会)などが、都内で「北海道を観光で盛り上げる会」を開催した。

 北海道は9月に発生した平成30年北海道胆振東部地震により、宿泊施設のキャンセルが多数発生するなど、観光業に深刻な影響が生じている。それに対し日本政府は北海道の観光復興のために予備費81億円を拠出して、「北海道ふっこう割」事業を開始し、観光関係企業は北海道を割安に旅行できるツアー商品や、割引運賃を販売。観光庁ではその「北海道ふっこう割」を活用しながら国内外から北海道への送客を応援する「元気です 北海道/Welcome! HOKKAIDO, Japan.」キャンペーンを展開している。

 これらの流れを受け観光関連団体・企業の代表者、国土交通大臣の石井啓一氏、内閣官房長官の菅義偉氏、自由民主党幹事長の二階俊博氏、北海道知事の高橋はるみ氏などが集まり、北海道の観光復興へ向けた機運醸成のために「北海道を観光で盛り上げる会」という場が設けられた。

国土交通省としても引き続き皆さま方と力を合わせて、北海道観光の回復にしっかりと取り組んでまいります

国土交通大臣 石井啓一氏

 国土交通大臣の石井啓一氏は、北海道は「自然」「文化」「食」「気候」と観光振興の4条件をそろえた日本有数の観光地であり、外国人の延べ宿泊者数も全国3位と日本の観光に「大変重要な地域」であるとし、観光需要の早期回復を図るために「元気です 北海道/Welcome! HOKKAIDO, Japan.」キャンペーンをスタートしたと説明。

 10月27日から中国の蘇州で始まる「第8回日中韓観光大臣会合」に出席するにあたり、中国・韓国の大臣との会談も予定しており、そこで「北海道への観光をアピールしてくる」と出席者に約束し、「国土交通省としても引き続き皆さま方と力を合わせて、北海道観光の回復にしっかりと取り組んでまいります」とあいさつを結んだ。

私も応援団の1人として一生懸命に盛り上げます

内閣官房長官 菅義偉氏

 会場を見渡し「そうそうたるメンバー。これだったら国の予備費を使わなくてよかったかな」と笑いを誘った内閣官房長官の菅義偉氏は、国・北海道・各団体・企業が力を合わせれば、「対前年比をはるかにプラスにできるのでは」と出席者に呼びかけた。

 安倍政権発足から6年を終えようとしているが、安倍総理が最初の施政方針演説のなかで、「世界の人々に来ていただき、ひきつける観光立国を実現したい」と語っており、安倍政権では観光を成長戦略の柱、地方創成の切り札に観光があり、その取り組みのなかでビザ緩和や免税品の拡大などがあると紹介。「北海道の農林水産品は、なんといっても日本を代表するもの」であり、地方の物産品をほぼすべて免税品にしているのは世界でも珍しく、「私も応援団の1人として一生懸命に盛り上げますので、どうぞよろしくお願いします」と語った。

北海道を盛り立てて、全体で日本の観光がしっかりするようにもっていきたい

自由民主党幹事長 二階俊博氏

 中国共産党と行なっている「日中与党交流協議会」で10月に北海道を訪れたばかりという自由民主党幹事長の二階俊博氏は、北海道の人たちが温かく一行を迎えてくれたことに「一緒に行った人たちが本当に喜んでくれておりました。北海道にお連れしてよかった」と感謝を示した。

「議員会館にはいろいろな人が訪れるが、北海道の支援をしようと声をかけている」とのことで、一連の取り組みをチャンスとして利用・活用して「みんなでがんばって、北海道を盛り立てて、全体で日本の観光がしっかりするようにもっていきたい」と話した。

復旧・復興のきっかけをいただけたので、我々自身の自助努力を

北海道知事 高橋はるみ氏

 北海道知事の高橋はるみ氏は、国の予備費から81億円が使われたことは過去の例からも「破格のご支援」であることに感謝を述べ、「これにより復旧・復興のきっかけをいただけたので、我々自身の自助努力として観光資源に磨きをかけ、おもてなしの心をさらにレベルアップをして、北海道へのお客さまをしっかりお招きしていかなければならない」と決意を語った。

みんなでスクラムを組んで大いなる成績をあげたい

一般社団法人日本旅行業協会会長 田川博己氏

 JATA 会長の田川博己氏は、「北海道ふっこう割」事業を導入した政府に対し、旅行業界を代表してあらためて感謝の言葉を述べた。

 会にはJTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行、東武トップツアーズ、びゅうトラベル、ANAセールス、ジャルパックなどの企業トップが出席しており、「しっかりとみんなでスクラムを組んで大いなる成績をあげたい。絶対に成功すると信じております」とあいさつした。

会場には各旅行会社が展開する「北海道ふっこう割」事業関連の旅行商品を紹介する展示が設けられていた
菅義偉内閣官房長官と握手を交わす田川博己会長

TRAIN SUITE 四季島がささやかですが北海道を元気にする一助になれたのでは

東日本旅客鉄道株式会社 常務取締役 赤石良治氏

 JR東日本(東日本旅客鉄道) 常務取締役の赤石良治氏は、この震災以降JR東日本がさまざまな旅行商品を作り、半額ほどで北海道に行ける運賃設定などを展開していると紹介。

 また、同社のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島(トラン スイート しきしま)」が無事に9月24日からは再び北海道まで行けるようになり、「多くの道民の方々に温かく迎えていただきました。さらに乗客の皆さんも感激されて、TRAIN SUITE 四季島がささやかですが北海道を元気にする一助になれたのでは」と語った。そして鉄道だけでなく、航空会社やフェリー会社などとともに立体的に観光需要を増やし、誘導人口を増やすために総戦力で北海道を元気にする取り組みをしっかりとやっていきたいと述べた。

「でかけよう北海道」と「元気です北海道」でがんばるどう!

全日本空輸株式会社 代表取締役副社長 志岐隆史氏

 ANA(全日本空輸) 代表取締役副社長 志岐隆史氏は、同社代表取締役社長の平子裕志氏とともに震災間もない北海道を訪れ「悲惨な爪痕」を目の当たりにしたそうで、あらためてのお悔やみとお見舞いの言葉を述べた。

 しかし一方で「元気は北海道をたくさん見ることができた」とも語り、「冬、北海道の観光はオフシーズンに入るといいますが、北海道の雪は特別な雪ですし、美味しいお米も収穫できたばかり、美味しい日本酒やウィスキーもあり、リンゴもあり、ありとあらゆるチャネルを使って盛り上げていきたい」と述べ、「ANAが展開する『でかけよう北海道』と『元気です北海道』でがんばるどう!」と大きな声で会場を盛り上げた。

観光業界の力で北海道全体を明るく照らしましょう

日本航空株式会社 代表取締役副社長 藤田直志氏

 JAL(日本航空) 代表取締役副社長 藤田直志氏は、JALグループによるツアーや割安な運賃などによる誘客、さまざまなチャネルを通じたプロモーションなどに取り組んでいることを紹介し、観光客の回復のみならず、現地の復旧・復興の支援にも取り組んでいきたいと話した。

「北海道の面積には日本の県が15個入るそうで」というくだりでは、高橋知事から「22個ですー」とヤジが入り会場は笑いにつつまれ、「22倍がんばるためには1社1社ではなく、チームを組んで、オールジャパンで北海道を盛り上げていくことを、皆さんとぜひやっていきたいと思います」と述べた。最後に伝教大師・最澄の「一燈照隅 萬燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)」という言葉を紹介し、「観光業界の力で北海道全体を明るく照らしましょう」と呼びかけた。