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JAC、全48席の新鋭機「ATR 42-600」型機の機内を公開。関係者を招いてお披露目式

特注のおむつ台やストレッチャーも披露

2017年3月10日 実施

JACが1月26日に到着した最新鋭機「ATR 42-600」型機のお披露目式を実施

 JAC(日本エアコミューター)は、新たに導入されたATR 42-600型機(登録番号:JA01JC)のお披露目式を、本拠地である鹿児島空港敷地内の格納庫で実施。ATRのスタッフや、デザインに参画した地元の専門学校関係者を招いてのセレモニーとなった。新型機の外観については、1月26日の機体到着時のレポート「JAC、『ATR 42-600』型機の初号機が鹿児島空港に到着」のとおり。今回は報道陣向けに機内公開も行なわれたので併せて紹介する。

JAL SKY NEXT仕様に準じたレザーシートや大きな収納スペースが特徴の機内

 このATR 42-600型機「JA01JC」は、2017年1月21日にフランスのトゥールーズで受領し、約5日間のフェリーフライトを経て1月26日に鹿児島空港に到着。2月はテストフライトや、乗員・整備士のトレーニング期間に費やされた。現在は鹿児島空港を中心に、運航路線を使ったテストが行なわれているところだという。このJA01JCの就航予定日は4月26日。最初は1日2往復(4便)程度にセーブしつつ運航を開始するとのこと。

 機体後部左側のドアから機内に入ると、まず右側にトイレのドアが確認できる。続いて反対側に視線を移すと、機内前方へと進むかたちとなる。

 シート配列は2-2の4アブレストで全48席。全席が普通席となる。JACが長きに渡り運航しているSAAB340B型機の36席よりも、大幅な増席となるが、おおよその運航コストはおそらく2/3程度と確実な効率化が図られるであろうと、JACスタッフからアナウンスがあった。

シート配列は2-2の4アブレスト
後部ギャレー付近
ラバトリーは機内最後方
洗面台
JACによる特注のオムツ交換台
後部入口付近。中央部にはCA(客室乗務員)用のジャンプシート
JAC特注のストレッチャーは3席分のスペースを使用する。カーテン付き
機内前方右側の最前列は対面レイアウトを採用
1、2列目シートのテーブルはアームレストに収納されている折りたたみ式
機内右側3列目以降。JAL SKY NEXT仕様に準拠
リクライニング角度の比較
シートポケット
座席テーブル
座席上の室内照明は状況に応じてホワイトとブルーの2色で切り替わる
オーバーヘッドコンパートメント
コックピット
ATR 42-600型機導入にあたり、新たに制作された自走式のボーディングスロープ
機体前方左側のカーゴドアが開いた状態
カーゴドアのスイッチ

ATR社スタッフやデザインを担当した専門学校関係者がお披露目式に出席

お披露目式がスタートすると機体にさまざまな映像が投影された

 3月10日午後には、JAC格納庫内で関係者を招いたお披露目式が行なわれた。式にはJACから代表取締役社長の加藤洋樹氏、国土交通省 大阪航空局 鹿児島空港 空港長の井ノ口寛氏、鹿児島県霧島市長の前田終止(しゅうじ)氏、ATRからジョン・ムーア(John Moore)氏らを始めとした関係者が臨席した。

 ATR 42-600型機の特徴でもある機体前方のカーゴドアに、機体製作時の風景をまとめたムービーが投影された。バラバラの状態から機体後部のハイビスカスと水引のデザインが描かれるまでの内容がまとめられており、JACスタッフにとってもサプライズプレゼントとなったようだ。

JA01JCができるまで
日本エアコミューター株式会社 代表取締役社長 加藤洋樹氏

 関係者からの挨拶の最初には、JAC代表取締役の加藤洋樹氏が登壇。「本日は多くの皆さま方にご臨席いただきまして、心より厚く御礼申し上げます。鹿児島の霧島を本拠地としているエアラインとして今日の日を大変うれしく思っております。我々はSAABの後継機として2014年より1年の検討期間を経て、ATR機の導入を発表しました。

 ATR 42-600型機は世界1200の空港で毎日離着陸を行なっているベストセラー機でございます。機内の快適性や運航にまつわる経済性、CO2の排出量の少なさが最大の魅力です。

 私どもの主要路線である種子島、屋久島そして奄美本島の鹿児島離島エリアはこれから地域発展や活性化が見込まれております。JALグループでしっかりと連携し、地域貢献していきいたいと思います。

 社員一同、より一層の努力をしてまいりますので、皆さまの変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします」と挨拶した。

ATR ジョン・ムーア(John Moore)氏

 続いて、ATR社のJohn Moore氏が、「今日、この式典に招いていただき、ATR社1500人の従業員を代表いたしまして祝福させていただくととも、我々のファミリーに迎え入れられたことを、たいへんうれしく思います。

 ATRとしては、もっとも有名はエアラインであるJALグループのJACさんに信頼していただき、選んでいただきまして強く誇りに思います。また、この機体の契約に関しまして、ATRで通算1500機目という記念すべき事実を光栄に思います。

 ATR 42-600型機は、最も近代的で快適な航空機に仕上がっております。非常に静かな機内、十分な収納、快適なシートを感じていただけると思います。経済性も高く、環境にもやさしい仕様に仕上がっている機体でもあります。今後も末永くよりよい関係を継続できるものと確信しております。本日はありがとうございました」とコメントした。

 式の最後に、機体デザインを担当したタラデザイン専門学校の関係者に、JACより感謝状とモデルプレーンが贈られ、お披露目式は終了した。

 3月26日には鹿児島空港で、一般向けのお披露目イベント「JACフェスティバル2017in鹿児島」が行なわれるので、この最新ターボプロップ機をその目で確かめに行ってみてはいかがだろうか。

タラデザイン専門学校に感謝状とJA01JCのモデルプレーンが贈られた
お披露目式に臨席した関係者で記念撮影
自分たちのデザインが実物の飛行機となって目の前に現れたとあり、学生たちの感動もひとしお