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国内外の観光を盛り上げる「Let's go 海外!×Tokyo City i」開催

各地の名産品、観光名所を手軽にチェック

2016年7月2日 開催

東京シティアイで開催された「Let's go 海外!×Tokyo City i」

 ANTOR-JAPAN(駐日外国政府観光局協議会)は2日、東京駅にほど近いJPタワー・KITTEの地下1階となる東京シティアイで、「Let's go 海外!×Tokyo City i」と題した観光PRイベントを開催した。毎年7月の第1土曜日に開催しているイベントで、2016年で11年目。

 通常はタイトルにもあるように海外の観光スポットの紹介を中心としているが、今回はパリのテロ事件に端を発する欧州観光の手控えムードの打破や、熊本地震の余波で影響を受けた九州地方を盛り上げるというテーマが加わり、国内外のさまざまな地域の最新観光情報が凝縮されたイベントとなった。ここでは、出展している各ブースについて写真を中心に紹介する。

ツーウェイツーリズムで国内外の観光を元気に

 イベントの主な内容は、各国・各地域が出展するブースでの名所、名産の紹介や試食、ミニステージでのプレゼンテーションなど。イベント全体のスペースはコンパクトで、各ブースがほとんど隙間なく寄り集まっていることもあり、どの国・地域のブースにもまんべんなく立ち寄りやすい。豊富にあるパンフレットを受け取れるだけでなく、ブースの担当者に気軽に質問できる親しみやすさもある。

イベント会場全体の様子
ミニステージでのイベント
各国・地域の魅力を伝えるプレゼンテーションやクイズなどがステージ上で行なわれた
ANTOR-JAPAN会長のエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏

 開会式ではANTOR-JAPAN会長のエドワード・片山氏が挨拶した。フランス・パリなどで発生したテロ事件や移民問題による不安を背景に欧州の旅客数が減少していること、熊本地震で九州の観光産業もダメージを受けつつあることを念頭に、ANTOR-JAPANとして「インバウンドとアウトバウンドのツーウェイツーリズムで、国内外の観光を元気にしたい」とイベントの主旨を説明した。

 また、同氏は「テロをはじめとする安全の問題を気にする人は多いが、業界としてその地域を避けてしまうのはテロに屈したということにもなる。今はあえて観光を楽しむことが重要。我々ANTOR-JAPANは観光プラットフォームとしての役割を果たし、旅のよさや大切さをみなさんに理解してもらえるように努力していく」ともコメントした。

九州地方からは宮崎県&ソラシドエアと鹿児島市が出展

宮崎県と、本社が同地にあるソラシドエアが共同でブースを出展
宮崎県は、有名な高千穂峡に加えて伝統的な神事「神楽」を紹介。11月頃から始まる祭りだが、通常は地元民しか立ち入れないところ、最近では特別に最初の1時間だけ見学できるようになっているという
ソラシドエアは、機内誌などの媒体を通じて宮崎県の地域情報を発信している
鹿児島市は桜島のほか、2018年(平成30年)に明治維新150周年を迎えるとのことで、10月23日~11月6日に開かれる「薩摩維新ふるさと博」の開催を予告。また、外国人向けに観光ガイドブックを各国語版で作成している

地元の食を大々的に紹介する群馬、神奈川、千葉、茨城

関東観光広域連携キャンペーン推進協議会が外国人向けに最適な地場名産品として認定する「TOKYO & AROUND TOKYOブランド」において、観光振興賞の1つとして選ばれた群馬県の「焼きまんじゅう」
特製の甘味噌をつけて焼いていただく。もちろん購入可能
イベント会場ではホットプレートで試食品を提供していたが、直火で網焼きするのがお勧めとのこと
神奈川県は真鶴の名物「イカ爆弾」を紹介
千葉県は落花生を使った新しいスイーツを販売。落花生の新たな魅力に気付いてもらい、減少傾向にある落花生の生産を増やしたいとしている
茨城県の新しい名産の1つ「トマト塩麹」。イベント会場では試食用として焼いたチーズの上に乗せて提供していた。トマトの酸味と深みのある塩の風味が、チーズの香ばしさに絶妙にマッチしていた

川口市をプッシュする埼玉県と、マンガ似顔絵を発信する東京。静岡はちびまる子ちゃん

埼玉県は川口市で10月10日に開かれる「秋絵巻2016 川口宿 鳩ヶ谷宿 日光御成道まつり」をピックアップ。本来は4年に1度の祭りだが、合間の年となる2016年は「秋絵巻2016」としてミニイベントを開催する
「川口クイズ」に答えると記念品をもらうことができる
東京からは漫画家学会が出展。墨田支部が担当していることもあり、墨田区も合わせてPRしていた。タイ語など数カ国語でパンフレットを制作
海外でマンガの作風で似顔絵を描いたのが好評だったとのことで、外国人向けにマンガ似顔絵を提供する活動を行なっている
静岡県は静岡市と旧清水市をフィーチャー。清水といえば「ちびまる子ちゃん」ということで、「ちびまる子ちゃんランド」との共同出展となっていた
日本では静岡市でしか水揚げされない桜えびも紹介。旬は春と秋とのことで、今回のイベントでは試食などは提供されていなかったが、ぜひ現地で味わいたい

スロヴェニア、チェコ、ハンガリーはオリジナルワインをプッシュ

スロヴェニア政府観光局は、「緑の首都」と呼ばれるリュブリャナとスロヴェニア産のワインを紹介
ユーレイルパスの旅で紹介したワイナリー「コレニカ&モシュコン」のワインも日本に輸入する目処がたったという
チェコ政府観光局は、新しい観光スポットであるモラヴィア地方のワインをフィーチャー
試飲はカップ1杯で500円。ワインの販売も行なっていた
ハンガリー政府観光局は、クリスマスマーケットで売られている手作りのオーナメントを写真で紹介。藁やトウモロコシの葉など自然素材で作られたものが人気という
地元のワインとフォアグラペーストを販売

最新の注目スポット・アイテムを紹介するタイ、フィリピン、マレーシア、南アフリカ

タイ国政府観光庁は、タイに77ある県のうち12県(都市)を「タイ12の秘宝」としてPR。なかでも第2の都市チェンマイから1時間半の距離にある「ランパーン」をお勧めしていた
「ランパーン」には「タイ象保護センター」があり、象使いになるためのトレーニングを行なっていることでも有名。観光客もトレーニングの一部を体験することができ、トレーニングを受けたことの認定証をもらえるという
フィリピン観光省は「VISIT THE PHILIPPINES again」キャンペーンを展開。セブ島をはじめとするダイビングスポットなどのシーアクティビティだけでなく、ロンダリアと呼ばれる楽器を使い、音楽を通じて楽しんでもらうこともテーマに掲げている
フィリピンは英語を学ぶ環境にも向いているとアピール
マレーシア政府観光局がフィーチャーしていたのは「なまこ石鹸」
ランカウイ島で500年以上前から用いられているという「黄金なまこ」を原料にした石鹸やボディローションは、乾燥肌や産後のケアにも最適とのこと
南アフリカ観光局は、乾燥した大陸というイメージを払拭する「大自然と都会が合わさった」魅力を伝えていた
10月の3週間だけ「ジャカランダ」という美しい紫色の花が見られること、南アフリカの特定の地域でしか栽培できない茶葉を使ったルイボスティーなどを紹介

旅行を安全、快適にする情報やアイテムも

JATA(日本旅行業協会)は7月1日に自ら制定した「旅の安全の日」と絡め、安全に旅行するためのガイド資料を配布
海外の安全にかかわる最新情報が届く「たびレジ」の利用をお勧めしていた
旅のお供に最適として紹介していたのが、足のむくみ対策用の着圧ソックス「アティーボ・ハイソックス」。一般医療機器の認定も受けており、飛行機での長距離移動時や長時間の立ち仕事などで効果が抜群で、スポーツ選手も愛用しているという。男女兼用でサイズはS/M/L/LL/3Lの5種類。価格は9800円(税別)
錦鯉をモチーフにしたスーツケース。受注生産品で名入れもでき、価格は2万1800円(税別)から