ニュース
南アフリカ航空、スターアライアンス加盟10周年記念パーティで南部アフリカの魅力を紹介
「エボラもテロもない美しい国」をアピール
2016年6月22日 10:31
- 2016年6月21日 実施
南アフリカ航空は6月21日、スターアライアンス加盟10周年を記念したレセプションパーティを、旅行業関係者、報道関係者を招いて実施した。このなかで、航空会社だけでなく、旅行会社の視点からの南部アフリカ地域の魅力が紹介された。
主催者を代表して挨拶した南アフリカ航空 日本支社長の小野直子氏は、南アフリカ共和国、南アフリカ航空の概要を紹介。南アフリカは日本の国土の約3.2倍で、時差はマイナス7時間。90日以内の滞在でビザが不要である点などを紹介。
同社は2006年にアフリカ大陸の航空会社として初めてスターアライアンスに加盟。スターアライアンスにとって空白だったアフリカのネットワークが加わるとともに、日本ではANA(全日本空輸)との共同運航便で、日本と香港の間をSA便名で運航。現在は成田、羽田、関空、中部(名古屋)の4空港と香港との間をデイリーで共同運航している。この先の香港からヨハネスブルグ空港まで約13時間のフライトとなり、このルートを「日本と南アフリカの最短コース」とした。
ANAとの共同運航を開始し、日本国内4都市へと就航都市を増やして利便性を高めたことから、2013年には日本から南アフリカへの渡航者が約3万人と順調に増加した。しかし、2014年に西アフリカで発生したエボラ出血熱の風評被害によりアフリカ全体の渡航に影響。南アフリカも例外ではなく、渡航者が減少したという。しかし、「西アフリカから約5000km離れている南アフリカでは1人の発症例もない。エボラについてはWHOが2016年の2月29日に緊急事態の終了を宣言している」と影響がまったくないことをアピール。2016年はテレビや雑誌で南部アフリカを取り上げられることも増え、需要が順調に回復しているという。
南アフリカ航空の特徴としては、「アフリカ大陸をリードする航空会社としてのネットワーク」を挙げる。同社はヨハネスブルグ空港をハブとし、大陸をまたぐ国際線は8都市、アフリカ大陸内の国際線は23都市、南アフリカ国内は主要4都市をネットワーク。さらに、提携航空会社のSA Express、SA AIRLINK、LCCのMangoを加えると、アフリカ大陸内35都市、南アフリカ国内21都市と、アフリカ大陸内のネットワークは56都市となることを紹介した。
また、スカイトラックス(SKYTRAX)社の評価でも、アフリカ大陸の航空会社で唯一の4つ星評価を獲得。これを14年連続で継続している品質の高さをアピールした。
パーティではその後、南アフリカ航空の航空券の販売に大きな貢献をした「BIG 5」を表彰。BIG 5とは、アフリカ大陸の大型野生動物「ライオン」「レパート」「ゾウ(エレファント)」「サイ(ライノ)」「バッファロー」の5種類を冠したことにちなむ。各賞の受賞企業は下記のとおり。
ライオン:クラブツーリズム株式会社
レパード:株式会社グローバル ユース ビューロー
ゾウ:株式会社JTBワールドバケーションズ
サイ:株式会社阪急交通社
バッファロー:株式会社国際サービス・エージェンシー
さらに、この受賞企業のなかから、グローバル ユース ビューロー、クラブツーリズムの各担当者が、旅行会社からの視点で南部アフリカ地域や南アフリカ航空の魅力を紹介した。
グローバル ユース ビューロー 企画開発部 部長の小泉陽子氏は、同社は創業50年を迎え、創業当初ユース層中心だったものが年を経てシニア層へ移ってきていると顧客層に触れたうえで、アフリカ旅行をする人は高品質な旅を求める傾向があると紹介。
その理由として、「なんとなく危険なイメージ、マイナスのイメージを最初に持つ人が多いこと」「食への不安」といった項目を挙げ、安全性を保証できるコースが求められると説明。同社では「誤解されているが、南アフリカはワインも美味しいし、洗練された美食の街、国として知られている。誤解を一つ一つ解きながらツアーを紹介している」という。
また、アフリカ大陸には遠いイメージがあることから、「体に配慮した日程を求められる」ことも一つの傾向として紹介。同社のツアー参加者はビジネスクラス利用者が多く、ツアーによっては7~8割、ときには全員がビジネスクラスを利用することもあるという。
小泉氏は、南アフリカ航空はの魅力の一つとして、このビジネスクラスを挙げる。「あっという間に13時間が過ぎるぐらい熟睡できる」というビジネスクラスは、フルフラットシートのうえにマットレスを敷き、さらに掛け布団は羽毛布団とのことで、利用者からの評価も高いそうだ。
そんなグローバル ユース ビューローが提供する南部アフリカの人気ツアーは、ギネスにも認定されている豪華寝台列車のブルートレインに乗るツアーとのこと。ほか、雨季が終わると自然が作り出した花畑が生まれ、しかも雨量によって毎年異なる花が芽吹く“奇跡の花園”こと「ナマクワランド」を巡るツアーや、ゾウに乗って野生動物を見に行ったり、チーターに触れたりできる「クルーガー国立公園」を訪れるツアーが人気だという。
続いて説明を行なったクラブツーリズム 海外旅行部 SIT旅行センターの福嶋新平氏は、同社のターゲット顧客が60~70代であることを説明したうえで、アフリカや南米といったSIT地域に特化した「Grande」という会報誌を毎月20万部、会員に配布していることを紹介。
南部アフリカを「さまざまな魅力を兼ね備えた、唯一無二の旅先」と表現し、世界三大瀑布の一つ「ビクトリアの滝」、ヨーロッパを想起させる「ケープタウンの町並み」、野生動物のサファリを楽しめる「チョベ国立公園」、アフリカ大陸最西端の「喜望峰」といった例を挙げて、南アフリカの観光資源の豊富さを示した。
また、南半球が春を迎える10月に、南アフリカの首都であるプレトリアで見頃を迎える約7万本とも言われるジャカランダの花に言及。美しい並木道の光景を見るために日本から訪れる観光客も多いという。同社の人気ツアーもこの時期が送客のピークとのことで、ジャカランダ並木そばのホテルに宿泊したり、夕陽を見ながらコースディナーを楽しんだりと、南部アフリカ観光を満喫できるツアーで、この2年間で3000人が参加しているそうだ。
また、隣国ナミビアのナミブ砂漠も紹介。約8000万年前に生まれた世界最古と言われる砂漠で、暑い時期でも午前中の比較的涼しい時間帯に30分ほどで頂上へ行けるという。ほかにも天の川がはっきり見える星空や、大西洋岸に位置することによる夕陽の鑑賞や野生動物の観察なども魅力に挙げた。
さらに、グループの近畿日本ツーリストでは、2名から催行のフリープランも提供。高級でプライベート感のあるロッジも多く、ハネムーンなどでの需要が高まっているという。
そんな南部アフリカを巡るさまざまなツアーを提供するうえで、南アフリカ航空の主要な観光地を網羅するネットワークは安心感があるとし、さらに「スムーズにツアーを案内するにあたって、南アフリカ航空の力なしにはツアーが成り立たない」と話した。
閉会の挨拶には、南アフリカ航空 北アジア地区 統括マネージャーのルシアン・シン氏が登壇。「ヨハネスブルグから香港への路線は42年前の1974年に開設し、同じ年に日本支社を設立した。まさに、ともに成長してきたといえる」と日本~香港~ヨハネスブルグのネットワークを振り返り、ここ数年の厳しい状況下における、旅行代理店各社の協力に感謝の意を示した。
そして、「南アフリカにはエボラの発症例はない。テロも、大きな自然災害もない。本当に美しい国で、たくさんの魅力がある」と改めて安全性をアピールし、南アフリカへの訪問客増に期待した。