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JR東日本、高輪ゲートウェイ駅でロボットの実証実験。コロナ禍での消毒・運搬など課題に取り組む
2020年7月29日 08:30
- 2020年7月27日 公開
JR東日本(東日本旅客鉄道)は7月27日、田町駅~品川駅間に3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅で行なっているるロボットによる実証実験を報道公開した。
現在、駅周辺で行なわれている「品川開発プロジェクト(第I期)」(2024年開業予定)における導入を目指して、実証実験が進められている。
高輪ゲートウェイ駅では、JR東日本グループが検討している最新の駅サービス設備の導入に向けた実証実験が各所で行なわれている。車いすの利用者でもタッチしやすい最新改札機や、天井に取り付けられた50台のカメラで人の動きを感知して会計処理を行なう無人コンビニもその一つだ。
今回公開したロボットの実証実験では、消毒作業ロボット3台、手荷物搬送ロボット1台、軽食・飲料搬送ロボット3台、パーソナルモビリティ2台が使われている。
消毒作業ロボットは、マッピングした情報をもとに人が歩く程度のスピードで自律移動し、手すりやベンチなどに霧状にした消毒剤を噴霧する。消毒作業は人通りがなくなる終電後の夜間を想定しているが、複数のセンサーを搭載し、人や障害物を自動的に避ける機能も搭載されている。
手荷物搬送ロボット、軽食・飲料搬送ロボット、パーソナルモビリティは、まちづくり共創パートナー向けに実証実験が行なわれているものだ。まちづくり共創パートナーとは、品川開発プロジェクト(第I期)においてJR東日本と協業するパートナー企業であり、通常非公開エリアとなっている高輪ゲートウェイ駅の改札外2階および3階に設けられた「Partner Base Takanawa Gateway Station」において、意見交換や実証実験を行ないながら再開発を進めている。そのパートナー向けに、おもてなしと未来を体感してもらうために用意されたのが前記した3台だ。
手荷物搬送ロボットは、利用者の手荷物を目的地まで運搬するもので、将来的にはインバウンド需要も想定しつつ、開発エリア内の物流への活用を目指している。軽食・飲料搬送ロボットは、お菓子などの軽食やコーヒーなどの飲料を非接触でオフィスや執務スペースなど屋内の利用者に届けるものだが、将来的には公園などの屋外空間での活用も見込んでいる。パーソナルモビリティは、Partner Base Takanawa Gateway Stationでの移動に際して快適性と新しい移動体験を提供するものだ。
取材に対応したJR東日本 技術イノベーション推進本部 データストラテジー部門部長の佐藤勲氏は、「高輪ゲートウェイ駅は新しいイノベーションの発信拠点として位置付けておりまして、今までもいろいろなタイプのロボットの実証実験であったり、無人店舗の導入などを進めてきました。現在新たにご利用者がより安心して利用できるように新しいタイプのロボットの実証実験を始めています」と、今回公開された実証実験の目的を説明。
今回の実証実験に使われたロボットについては、「開業後は社会状況の変化により、パブリックシーンにおける消毒作業、非接触でお客さまに物を届けるというのが重要になってきています。そのような理由から今回は消毒作業のロボット、搬送ロボットの実証実験に取り組んでいます。また、2024年に完成が予定されている品川開発プロジェクト(第I期)のオープンに合わせて、お客さまが自由にスムーズに移動していただくためのパーソナルモビリティの導入に向けてテストしています」と答えた。