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JR東日本、高輪ゲートウェイ駅前で「Takanawa Gateway Fest」開催。仮囲いにアート作品を展示、トートバッグに再活用
「仮囲いアートミュージアム in Takanawa Gateway Fest」7月14日~9月6日開催
2020年7月14日 13:24
- 2020年7月14日~9月6日 開催
JR東日本(東日本旅客鉄道)は、高輪ゲートウェイ駅の開業に合わせて開催予定だったイベント「Takanawa Gateway Fest」を7月14日にスタートした。
山手線の30番目の駅として3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅だが、新型コロナウイルス感染症の影響で駅前の特設会場で3月19日より行なわれる予定だった同イベントは延期となり、感染防止対策を講じ、規模を縮小して開催される運びとなった。
開催期間は7月14日から9月6日までの約2か月で、入場するにあたっては来場2日前までに特設サイトから予約する必要がある。
Takanawa Gateway Festでは、近未来を疑似体験できるパビリオンをはじめ、最新の映像技術を用いたデジタルアートミュージアム、日本初の屋外インスタレーションやパーソナルモビリティを体験できるほか、併設のフードコートでは飲食も楽しめる。ここでは、知的障がいのある人が描いたアートを仮囲いに展示する「仮囲いアートミュージアム in Takanawa Gateway Fest」を紹介する。
高輪ゲートウェイ駅「Takanawa Gateway Fest」
開催期間: 2020年7月14日~9月6日
開催時間: 11時~21時
会場: 高輪ゲートウェイ駅前特設広場
入場料: 無料 ※事前予約制。飲食・一部体験は有料
Webサイト: Takanawa Gateway Fest
イベント会場は、現在周辺で行なわれているJR東日本の再開発「品川開発プロジェクト(第I期)」の予定地であり、多くの仮囲いで区切られ、工事が進められている。「仮囲いアートミュージアム in Takanawa Gateway Fest」はその一部を活用して作品を展示、ウォールアートとするものだ。
この展示は、JR東日本グループ事業の経営資源や情報資源を活かしてベンチャー企業と新しいビジネスを提案していく「JR東日本スタートアップ」と、福祉を軸に社会実験を企業や自治体とともに共創していく「ヘラルボニー」が手を組んで実現している。
価値が循環するミュージアム「CIRCULATION」プロジェクトの一環として今回は仮囲いにアート作品を展示しており、障がいのあるアーティストに適切な価値を払う社会を目指している。具体的には、ヘラルボニーが日本全国の福祉施設から提供してもらった作品(原画)を仮囲い用の展示品として制作、ヘラルボニーが制作した展示作品をJR東日本グループがイベントで展示し、作品使用料を福祉施設(アーティスト)に支払うという流れだ。
さらに展示作品はトートバッグにアップサイクル(再利用し、付加価値をプラス)され、その売上をアーティストに還元するという二段構えにもなっている。仮囲いアートに使われる素材は横断幕やテントにも使われるターポリンで耐久性が高く強度もあり、トートバッグにしてもしっかりとした質感で実用性も高そうだ。
展示作品は「るんびにい美術館」(岩手県花巻市)に所属する知的障がいのあるアーティスト5名が描いたもので、どれも独創的で不思議な色彩に目を奪われる。1つの仮囲い作品から10個のトートバッグを作ることができ、1作品あたり20個が売り出される(1個はアーティストに届けられるので正確には19個)。
トートバッグはヘラルボニーのオンラインストアからの予約販売となっており、展示が終わったあとに加工するので配送は12月末を予定している。すでに多くの予約が入っている作品もあり、入手を希望する人は早めにチェックしてもらいたい。ちなみに「作品のこの部分を使ってほしい」というオーダーは受け付けていないので、柄は到着してからのお楽しみとのことだ。
自身も自閉症の兄を持つヘラルボニー 代表取締役社長の松田崇弥氏は、「日本全国の福祉法人とライセンスを結び、障がいのある方の作品を展示したり小物にして販売してきました。これまでも仮囲いアートとして作品を展示してきましたが、PVCシールによるもので展示終了後ははがしておしまいでした。今回のJR東日本スタートアップとのプロジェクトでは、ターポリンを使用してトートバッグとして販売することでサスティナブルなものになっています」と話し、多くの人に知ってもらいたい新しい形の展示であることを紹介した。