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フィンエアー、“画期的な日欧直行便”就航から35周年。成田空港で記念セレモニー実施

5月13日から成田~ヘルシンキ線は1日2便のダブルデイリー運航へ

2018年4月24日 実施

2018年5月13日~ 増便

フィンエアーが日本就航35周年と、成田~ヘルシンキ線の5月13日からのダブルデイリー化を祝うセレモニーを実施した

 フィンエアーは4月24日、1983年の日本路線就航から35周年を迎えたことと、5月13日から成田国際空港~ヘルシンキ・ヴァンター国際空港線を1日2便運航のダブルデイリー化することを記念したセレモニーを、成田空港第2旅客ターミナル 92番搭乗口前で実施した。

 フィンエアーは1983年の4月22日に、ヘルシンキ発の成田~ヘルシンキ線に就航。23日に成田に到着し、24日に成田発の初便を運航した。2018年4月24日は日本発便の運航開始から35周年の節目を迎えたことになる。

 この就航は、日本とヨーロッパを北極回りで結ぶ初めてのノンストップ直行便だったことで特筆される。東西冷戦時代にはソビエト連邦上空の飛行が制限されており、1980年代はアンカレッジ(米アラスカ州)を経由する北回りヨーロッパ線が主流となっていた。このルートは、北極圏を経由することから「ポーラールート」などと呼ばれている。

 フィンエアーの成田~ヘルシンキ線就航は、セレモニーであいさつしたフィンエアー 日本支社長の永原範昭氏が「その時代においては非常に画期的なことだった」と話すとおり、それまでにないルートを使ったもの。燃料タンクの容量を増強した3エンジン機のDC-10型機を用い、ソ連上空を避けて北極圏を通って成田~ヘルシンキ間を直行便(ノンストップ)で結んだ。現在ではロシア上空も開放され、航空機の航続距離も伸びたことで、日欧間の直行便は当たり前の存在になっているが、35年前のフィンエアーの成田就航が切り拓いたものといってよいだろう。

フィンエアー 日本支社長 永原範昭氏

 ちなみに、就航時は週1便。永原氏は「週1便、2便、4便という少ない便数での時期が長かった。デイリー(週7便)運航がわずか8年前(の2010年)。そして、この5月12日にダブルデイリーにまで発展することができた」と成田~ヘルシンキ線の歴史を振り返り、関空、セントレアの各デイリー運航や、福岡空港での季節運航の数字を合わせ、「35年経って週1便から週31便まで運航できるまでに発展した」と述べた。

 フィンエアーの日本路線について整理すると、現在は成田~ヘルシンキ線でAY74/AY73便を毎日運航。2017年夏期スケジュール期間の6月5日~10月28日には週4便運航するAY72/AY71便を追加し、11往復22便を運航していたが、2018年の夏期スケジュールでは、5月13日(日本発)のAY72/71便を毎日運航することで初めてのダブルデイリー運航を行なう。機材はAY72/71便がエアバス A350型機、AY74/73便がエアバス A350型機またはA330型機を使用する。成田~ヘルシンキ線のダブルデイリー化後の運航ダイヤは下記のとおり。

フィンエアーの成田~ヘルシンキ線(2018年5月13日~)

AY72便:成田(09時50分)発~ヘルシンキ(13時50分)着、毎日運航
AY71便:ヘルシンキ(16時45分)発~成田(翌08時05分)着、毎日運航

AY74便:成田(11時00分)発~ヘルシンキ(15時20分)着、毎日運航
AY73便:ヘルシンキ(17時15分)発~成田(翌08時55分)着、毎日運航

 このほか、セントレア~ヘルシンキ線でエアバス A330型機を使ってAY80/79便、関空~ヘルシンキ線でエアバス A350型機またはA330型機を使ってAY78/77便をそれぞれデイリー運航している。また、4月27日からは夏期限定で福岡~ヘルシンキ線でエアバス A330型機を使ってAY76/75便を週最大3便を運航する。

 永原氏は、「ヘルシンキは『近い』『非常に便利な空港』と35年間語り続けてきた。思うようにメッセージが浸透しなかったが、2013年7月にJAL(日本航空)がヘルシンキに就航してから、我々が頑張ってきた以上のスピードでそのメッセージが浸透した。JAL(の運航便)と合わせて週38便。ヨーロッパの玄関口としては、ロンドン、フランクフルトより多く、パリに次いで第2位のゲートウェイに発展した」と日本~ヘルシンキ線の充実ぶりを紹介。

 一方で、「35年が経つが、ほかの航空会社では60年以上運航されている航空会社もたくさんもあるので、まだまだ駆け出し」「フィンエアーはまだまだ元気、これからも発展しようと思っている。皆さまに選ばれる航空会社として発展していきたい」と、さらなる規模拡大への意欲も見せた。

 セレモニーでは、駐日フィンランド大使であるユッカ・シウコサーリ氏も訪れ、就航35周年に祝辞を述べ、日本とフィンランド間ではビジネス客を含めた旅行客の交流人口が安定して伸びていることや、両国関係の発展に航空路線が必要不可欠な存在であるとコメントし、「(日本の)そのほかの地域への就航も」と希望した。また、来週の月曜日にはフィンランドへ行くとのことで、「そのときにはフィンエアーのサービスを楽しみたい」と話した。

駐日フィンランド大使 ユッカ・シウコサーリ氏

 その後、NAA(成田国際空港)取締役 営業部門長の荒川武氏から、この日のAY74便のマッティ・サルポラ機長に花束を贈呈。CA(客室乗務員)を交えての記念撮影を行なってセレモニーは閉幕した。

 この日のAY74便は、座席数297席のエアバス A350-900型機を使用。幼児1名を含む288名が乗客として乗り込んだ。そして、ほぼ定刻どおり11時3分にスポットを離れ、11時35分にA(16R)滑走路からヘルシンキへと飛び立った。

成田国際空港株式会社 取締役 営業部門長 荒川武氏から、AY74便のマッティ・サルポラ機長への花束贈呈
35周年目の記念フライトとなった4月24日のAY74便搭乗ゲート