ニュース
フィンエアー、春の食材を取り入れた和食を新シグネチャー・メニューとしてビジネスクラスで提供。初の日本人シェフコラボ
春のメニューは2月7日～5月提供
2018年2月5日 18:20
- 2018年2月7日 提供開始
フィンエアーは2月2日、成田～ヘルシンキ線のビジネスクラスの機内食で提供している「シグネチャー・メニュー」を2月7日から新しくすると発表した。新メニューは、日本人シェフの前沢リカ氏が監修した春の食材をふんだんに使用した和食で、提供期間は2月7日から5月まで。
同日、各航空会社に機内食を供給しているTFK（ティーエフケー）ビル内において、新メニューの発表会が行なわれた。
フィンエアーでは、長距離路線のビジネスクラスのカスタマーエクスペリエンス向上の一環として、世界各国のトップシェフたちと共同開発した「シグネチャー・メニュー」を2013年から提供している。これまで中国/香港/フィンランド/スウェーデンのシェフとコラボレーションを行なっているが、日本人シェフとのコラボレーションは今回が初めてとなる。
フィンエアーの広報を担当するマリ・ロウヴィ氏は、「前沢氏は地元の食材、フレッシュな食材を使っているだけでなく、料理の好み、料理のスタイルに大きな共通点があった」と前沢氏をシグネチャー・シェフとして起用した理由を語った。
2月7日から提供する「シグネチャー・メニュー」を監修したのは、東京・富ヶ谷で旬の野菜と乾物を主役とする和食店「七草（ななくさ）」を営む前沢リカ氏。前沢氏にとっても機内食の監修は初めてのことだったそうだが、「機内食と普段食べる料理と味などの違いを詳しく聞いて、献立を組むことができた」と機内食作りの過程を振り返った。
「日本の景色」を盛り込んだ前菜とメイン料理
前菜は「春の七草花織り箱」で、「桜鯛昆布〆」「生麩の百合根饅頭揚げ」「菜の花」など全13種類の春を感じさせる料理が並ぶ。
前菜「春の七草花織り箱」
・桜鯛昆布〆
・北海道産帆立のマリネ
・干し柿白和え
・ほうれん草の白和え
・卵焼き
・生麩の百合根饅頭揚げ
・スナップエンドウとカリフラワーの寒天寄せ
・数の子 水菜の胡麻和え
・菜の花
・蕗 筍煮
・鯛子含ませ 干し椎茸煮
・巻き湯葉含ませ煮
・丹波黒豆松葉打ち
前菜について前沢氏は「今回は春のお花見弁当を作るような心持ちで作っておりますので、煮物などは普段よりもちょっと味を強く煮含めるなど、かなり自然に、一番自分が美味しいと思うところで味を決めることができた。フタを開けたときに日本の風景がよみがえるような、季節感を感じてもらいたい」とコメントした。
記者も試食したが、桜鯛昆布〆はそのままでも十分美味しいが、桜鯛の下に敷いてあった茗荷やあっさりとしたジュレと一緒にいただくと、とても爽やかな味わいになり、2度楽しめる一品だった。
メイン料理
・ヒレステーキ
・八丁味噌とバルサミコ酢のソース
・蕗の薹のタブナート
・ペコロスオリーブオイル焼き
・ロケットサラダ クレソン 木の芽
・松の実ご飯 黄身そぼろ
メイン料理の「牛ヒレ肉の八丁味噌とバルサミコソース添え 蕗の薹（ふきのとう）のタブナートとともに」のソースには、春の食材として蕗の薹を採用している。
前沢氏は「当初、ソースを蕗の薹のソース1種類で考案していたが、この独特の苦みを初めて食べる人が美味しいと感じるかという疑問があった。八丁味噌とバルサミコ酢を合わせたソースも用意し、2種類で調節しながら楽しんでもらえたら」と説明した。
こちらも試食をしてみると、蕗の薹のタブナートは香りもよく、蕗の薹の食感と苦みがよいアクセントになっていた。八丁味噌とバルサミコソースはやや甘めだが、柔らかな肉と蕗の薹のタブナートとの相性もよく、料理全体があとを引く美味しさだった。
また、これらの料理と合うアルコール類について説明をしたフィンエアー インフライト部門主任のマーリット・ケラネン氏は「前沢シェフが作る料理にはどのようなお酒が合うのかということも十分議論させていただいた。フィンエアーはワインセレクションに関してはアワードをいただいている航空会社。今後新しい赤ワイン3本、白ワイン3本を提供予定だが、ワインに限定せず、日本の美味しいビールも用意させていただく予定」とコメントした。
