旅レポ

マリメッコづくしのフィンエアーで行くルスカシーズンのフィンランド旅(その3)

トレッキングに本場フィンランドサウナ、夜はオーロラ鑑賞なるか!? 編

 9月上旬に開催されたフィンエアー主催のプレスツアーレポート。今回は北極圏ラップランド地方でのアクティビティをいろいろご紹介します。

こんなオーロラドームでオーロラが見たい!

頭上にオーロラが出ていると想像してみてください

 キッティラ空港から15kmほどの「Golden Crown Levin Iglut(ゴールデンクラウンレヴィンイグルー)」という宿泊施設にやってきました。ここは残念ながら見学だけだったのですが、そのステキっぷりに取材班全員クラクラ! ため息しか出ませんでした。

遮るものがない山の上。雲海を見下ろす絶景にあります
このようなドームが18戸ほど建っています

 イグルーとは「家」を意味するエスキモー語で、円形のかまくらのようなお家のことを言います。この「Golden Crown Levin Iglut」にあるイグルーは全面ガラス張り、そうなのです! オーロラを見るために作られた“オーロラ・ドーム”なのです。

お部屋によってソファなどのインテリアがちょっとずつ違う
キッチンとシャワー・トイレ付き。食器類(しかも北欧っぽい)も揃っています

 ここには18戸ほどのイグルーのほかに、Northern Lights House(ノーザンライツハウス)という小人数のグループ滞在に最適な別荘タイプの宿泊施設が一つだけあります。中を見学させてもらうと、趣の違うダブルベッドルームが2室、設備の整ったキッチンとプライベートサウナ付きという豪華さ! 最大で大人4名、子供2名が宿泊できます。

ベッドルームその1(ヨーロッパの古城風)
ベッドルームその2(ハイジのお部屋風)
なかなかなワイルドさです

 ゲストは世界各国からやってくるという「Golden Crown Levin Iglut」。ウィンター・ホリデーをこんな場所で過ごしたら、俗世間には戻れなくなっちゃいそう。ちなみにここは銀世界のなかでオーロラを見るための宿泊施設なので、オーロラが出ない5月~8月末はクローズになるのだそうです。

レセプションとレストラン棟
かっこいいバーカウンター
暖炉に火が灯る冬のシーズンに来てみたい
2階はガラス張り。ここでもオーロラが見えるのでしょう
Golden Crown Levin Iglut

Webサイト: Golden Crown Levin Iglut(英語)

“エルフの隠れ家”で北欧文化に触れる

 次に訪れたのは「Elves Hideaway(エルフの隠れ家)」という、宿泊施設も兼ねた複合観光施設。森の中に作られたいくつかの建物のなかで、ラップランド地方の文化や神話などを体感しながら楽しめる場所です。

レストランなどが入るメインハウス
屋根の上がお花畑!
湖も近くにあります

 家の中や納屋の中、サウナの中にまで「トントゥ(Tonttu)」という妖精がいると伝えられているフィンランド。エルフは北欧神話に出てくる妖精の一種族といったところでしょうか。というわけで、黄色いマントを羽織っているご婦人は、エルフとして私たちを案内してくれた方なのです。

森の妖精になったつもりの図
エルフの後ろをぞろぞろ歩きます

 森の中を歩きながら、そのところどころにあるかわいらしい建物にお邪魔するといった感じのゆる~い体験ツアーは、プチクラフト体験などもあって楽しかったです。ほかの国からの観光客さんとも和気あいあいといった雰囲気になりました。

クリスマスの家みたいなところ
木の切り株に顔を描いてサンタクロースのできあがり
木のぬくもりがステキな建物ばかりですの

 メインハウスに戻ってきたらお待ちかねのランチタイム。サーモンがゴロゴロ入ったクリームスープとふかふか焼き立てパンがとっても美味しくて、おかわりして食べてしまったほど。

心まで温まっちゃうパンとスープ。フィンランドはスープが美味しい
宿泊施設も見学させてもらうことに
お部屋はとってもアンティークな雰囲気!

 サウナや水泳、川遊びにソリ遊びと1年を通して子供から大人までが楽しんで滞在できる「エルフの隠れ家」。キッティラ空港からもクルマで20分ほどとアクセスもいいので、ラップランド滞在にお勧めです。もちろん冬はここでオーロラも見られますよ。

Tonttula Elves Hideaway(トントゥラ エルフの隠れ家)

Webサイト: Tonttula Elves Hideaway

パッラス国立公園でルスカ(紅葉)ハイキング

 お次は“ヨーロッパで一番きれいな空気”ともいわれるのパッラス国立公園でのハイキングです。青空の下でのんびりと歩いたこの時間は本当に気持ちがよかった! ルスカ(紅葉)は、緑から黄色にようやく色づき始めたころで、時期としてはちょっと早かったかもしれません。あと2カ月もすればこの辺りは一面の雪景色なんだろうなぁと想像しながらのトレッキングでした。すぐお隣にはスキー場のリフトが見えていましたよ。

移動途中に道路を歩くトナカイに遭遇
マップをもらっていざっ!
かわいいハスキー犬に会えました
アウトドアが絵になるフィンランド人
足元には赤い実が
ノルディック・ウォーク中のご夫婦
栄養補給にビタミンたっぷりそうなドロドロのベリージュース

トラシエッピ湖のほとりのキャビンにステイ

泊まったキャビン。2部屋あって私は右半分

 この日は、お隣スウェーデンとの国境まで直線距離で20kmあまりのところに位置するトラシエッピというところに移動して宿泊です。あらためて地図を見て「こんなところに行っていたんだ!」と自分でもびっくりな北の大地です。

 ここは「Harriniva Hotels & Safaris」が運営するトラシエッピ湖のほとりにあるホリデー・キャビン。トナカイ農場や昔のサーミ人の暮らしぶりが学べる民俗資料館、ハスキーファームなどが近いエリアに隣接していて、全部ひっくるめて「トラシエッピ」というようです。

美しい湖のほとりにあります
ウッディなキャビンの中はこんな感じ。ダブルベッドルーム。シャワー・トイレ付き
もちろんサウナも!(男女別)
今夜のサウナが待ち遠しい~!
サウナから湖へと通じる小道
実はここにもオーロラドームがありますの
黄昏れながら、もう日本に帰りたくないなぁ~と思っていましたの図

 ここでフィンランド流のサウナの楽しみ方「ヴィヒタ」をご紹介しましょう。モデルさんは地元フィンランド人のイケメン3名! ヴィヒタというのは白樺の小枝を束にしたもので、これで身体をたたきながら入る健康法がフィンランドではポピュラーです。ヴィヒタでお互いをこうやって叩き合いっこをするのが男の友情……なのかどうかはわかりませんが、裸の付き合いは親睦がより深まるはず!

小枝で肌を刺激しながら入る、これがサウナ大国フィンランドの“ヴィヒタ”
生まれたままの姿で湖に行くのもフィンランド流
青春映画のワンシーンのようです

 こちらの宿泊施設はレセプションハウスの中にとってもステキなレストランを備えていて、朝食もこちらで食べます。地元の新鮮食材を使ったお料理はボリューム満点で食べきれないほどでした。

ステキなテーブルセッティング
レセプション隣にあるレストランで、その名も「REVONTULI(フィンランド語でオーロラ」という地ビールをいただきました
美味しかったパン。トナカイ肉が乗ったマッシュポテトはてんこ盛り
Trassieppi(トラシエッピ)

Webサイト: Trassieppi

オーロラ観測2日目、ついに!?

 ディナーを食べ終わって湖のほうを見ると、赤く染まったキレイな夕焼けのときでした。風にそよぐ木の葉の音と鳥の鳴き声がするだけの静かな夕暮れ。自分のいる場所だけ世界から取り残されてしまったような気持ちを今でも思い出せます。

何の音もしない静寂のとき

 オーロラが出る時間になるまでは、お楽しみのサウナタイム。ほかのゲストがいなかったので貸し切り状態で満喫してしまいました。身体中から汗が吹き出して限界の限界まで温まったら湖へ直行! オレンジに染まる地平線が美し過ぎて、水の冷たさなんて気になりません、というのはウソで、手足がジンジンしてきてそのうち感覚が麻痺してきます。大急ぎであがってサウナに逆戻り……。これを繰り返すと次第に血行がよくなって身体がポカポカに。あぁフィンランド最高~♪の瞬間です。

北極圏の大自然と一体化ですの、の図

 サウナを満喫しているうちにすっかり日が落ちました。部屋に戻って着替えていたら、同行の記者さんがキャビンのドアをドンドンと叩いて「オーロラ見え始めたよ!」「ほっ、本当ですの!?」と大急ぎでカメラと三脚を持って湖へ。すると、出ていました! 生まれて初めて見るオーロラです。

 まったく風がなかった夜なので、鏡のような湖面に写り込んでダブル・オーロラに見えるではありませんかっ! 雪が降って湖が一面凍ってしまう前の、この時期ならではの特別な光景です。

時々強い光を放つオーロラ

 生き物のように刻一刻と形を変えるオーロラは、それから1時間ほど私たちの目を楽しませてくれました。大自然がおりなす地球規模のエンタテイメントに大興奮の夜でした。

カーテンがなびくように次第に天頂付近まで広がっていき
その後だんだん薄くなって見えなくなりました
撮影していたのは湖のほとりのこんな場所。まだうっすらオーロラが見えるのがわかりますか?
キャンプファイヤーを囲んで食べたパンケーキが美味しかった!

 次回はまだまだ続くラップランドでのアクティビティをご紹介。アウトドア三昧のフィンランド旅の最終回をお楽しみに~♪

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。